概要
小説家・百田尚樹による日本史を記述した書籍。編集者は有本香。2018年11月より幻冬舎から発売。
関連書を含めると100万部のベストセラー作品である。
愛国史観・右翼史観といえるような政治的・ナショナリズム的歴史認識が含まれているのが特徴。
百田尚樹含む右翼の歴史認識をある程度知ることができるという観点において左派・右派問わず有用性はあると思われる。
主に14章に分かれる
第一章 | 古代~大和政権誕生 |
第二章 | 飛鳥時代~平城京 |
第三章 | 平安時代 |
第四章 | 鎌倉幕府~応仁の乱 |
第五章 | 戦国時代 |
第六章 | 江戸時代 |
第七章 | 幕末~明治維新 |
第八章 | 明治の夜明け |
第九章 | 世界に打って出る日本 |
第十章 | 大正から昭和へ |
第十一章 | 大東亜戦争 |
第十二章 | 敗戦と占領 |
第十三章 | 日本の復興 |
終章 | 平成 |
本書の史観
南京大虐殺の否定、従軍慰安婦の否定、侵略の否定など歴史修正主義的な史観が特徴とされる。
第十一章では第二次世界大戦の最中におけるアメリカや新聞社を戦争に引きずんだ主な原因であると弾劾し、第十二章ではウォーギルトインフォメーションプログラムを洗脳と言論弾圧として批判した。第十三章では近現代史に触れつつ時事問題について持論を述べている。
ただし、一方で日本軍・日本政府の有り体についての批判もしている(零戦製作における無駄、情報の軽視、いいことだけをいう風潮、日独伊三国同盟締結の愚かさ、日華事変の計画性のなさ)。
その他
- 邪馬台国は大和朝廷になったのではないかと考えている。
- 継体天皇王朝交代説を唱えている。
- 九州上陸の困難さや日本の地の利、一月分切った兵糧などを根拠に神風がなくても蒙古軍は日本に勝てなかったのではないかと考えている。
- 足利義満については皇位簒奪説や暗殺説を唱えている。
- 楽市楽座は現代風にいえば「規制緩和」と「減税」と捉えている。
- 本能寺の変の真相は単純に個人的な恨みだろう。
- 田沼意次が失脚せずに経済政策をさらに推し進めていれば世界に先駆けて資本主義時代に入っていただろう
問題
歴史考証の甘さや、Wikipedia・Yahoo!知恵袋の転用などが指摘され、批判されている。
関連タグ
百田尚樹 有本香 日本史 ベストセラー 右翼 ナショナリズム 史観
日本外史・・・歴史考証の甘さが当時から指摘されていたにもかかわらずベストセラーになった歴史本
日本書記・・・、似て非なるもの
大東亜戦争・・・第二次世界大戦における日本が行った戦争はこの名称になっている