概要
てんとう虫コミックス29巻及び、藤子・F・不二雄大全集11巻に収録。
この生地を身につけて「飛ぶ」「あがる」「うかぶ」などと言うと空を飛び回ることができる。
ストーリー
しずかから自作の人形の服を見せてもらったのび太は、彼女のミシンの腕を絶賛し、自分の服だって作れるねと提案する。しかし作りたくてしょうがないが、それには生地がたくさんいると言われてしまう。そこでのび太はドラえもんに相談しようとするが、部屋にドラえもんはおらず、生地が1疋あるだけだった。さっそくのび太はこれをしずかにプレゼントし、その後ママにも分けてあげ、彼女はこれで座布団カバーを作ることにした。
当ののび太もこれを使ってスカーフを作りカウボーイになった気分になり、昼寝で見た夢ではヒーローになった夢を見ていた。だがその時スカーフが舞い上がりのび太も部屋中をぐるぐる飛び回ることになってしまった。何とか駆け付けたドラえもんに助けられるも、この生地がひみつ道具であることなどを教えられ、その頃ママと来客の女性はこれで作られた座布団カバーのせいで飛翔し天井や壁に頭をぶつける事態になっていた。
そしてドラえもんとのび太はしずかが危ないと慌てて彼女の元に向かい、すぐにドレスを脱ぐように言うが、しずかは怒って帰ってしまった。それからもスネ夫が一緒に川へヨットを浮かべようと誘いに来たり、出木杉が飛行機の本を持って来たり、先生が成績が上がっていることを話して来たりしたので、かったぱしから追い払った。
そしてしずかはとうとう家に帰り『ドラえもんのうた』を歌いながら入浴する準備を始め、ドラえもんはまずいと焦るが、「空を自由に飛びたいな」のところでドレスを脱いだため、ドレスのみが空へと飛んでいき、ドラえもんとのび太は一安心するのだった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版
- 1983年9月9日放送
- サブタイトルが「空とぶドレス」に変更。
- 冒頭にはジャイアン、スネ夫、ジャイ子がビデオカメラでのドラマ作りのために、のび太を誘う下りが追加されている。この時ドラえもんも行きたがったが、スネ夫に怪獣映画じゃないからと断られてしまった。そして撮影が開始されるも、のび太がヒーロー役というのはデマで、本当はジャイ子を襲う悪役だったため、ヒーロー役のジャイアンに殴られてしまい、逃げ出して隠れた家がしずかの家だったため、かくまってもらい、破れたズボンも縫ってもらった。
- のび太が帰宅してきた時、ドラえもんは空飛ぶうす手じゅうたんを未来デパートに送り返そうと電話をしていた。
- のび太がママにも空飛ぶうす手じゅうたんを分けてあげる下りや、これを纏った自分をカウボーイみたいと言ったりする下りはカットされ、ママと来客の女性がこれで作った座布団カバーで部屋のあちこちに衝突してしまう下りは描かれていない。
- のび太はこれを纏った後すぐに外出し、撮影ができないとジャイアン達に追われるも、空飛ぶうす手じゅうたんで空中へと逃げ、あちこち飛ばされていたところをドラえもんに発見され、助けられた。
- ドラえもんとのび太はしずかにドレスを脱ぐように言うが、青春ドラマを撮影中だとジャイアンに阻まれ、物陰から見守ることにした。また原作で船を川に浮かべにいかないかと誘う描写は、このドラマの中のジャイアンのセリフとなっている。
- そしてそこに先生もやって来て原作にあった下りが描かれている。このことでしずかは気が削がれてしまい、帰宅した。そして出木杉は登場していない。
- ラストはドラえもんとのび太を追いかけて来たジャイアンの「俺の青春を返せー!」というセリフで締めくくられている。
水田版
- 2016年4月29日放送。
- サブタイトルが「空飛ぶうす手のじゅうたん」に変更。
- 冒頭にはしずかがのび太の前で実際に人形の服を制作する描写が追加されている。
- 今回ものび太がこれを纏った自分をカウボーイみたいと言う描写や昼寝をする描写はカットされている。
- のび太が見つけた時、空飛ぶうす手じゅうたんには返品の紙が貼られていたが、のび太は気付かなかった。
- のび太を助ける前直前までドラえもんはミーちゃんと一緒だった。
- 座布団カバーになった空飛ぶうす手じゅうたんが飛び始めたのは、来客の女性が「面白い話があると聞いて飛んでいた」とママに言ったから。
- ドラえもんとのび太がやって来た時、しずかは出来上がったドレスを女子友達2人に見せていた。
- 出木杉が持っていた本はライト兄弟について書かれた本で、「世界で初めて空を...」と言いかけドラえもんとのび太に止められた。
- 先生はドラえもんとのび太に話を遮られた後、再び成績のことを話しだしたため、2回もこの2人に話を遮られている。
- ドラえもんとのび太がしずかを付け回す下りはこの後に描かれ、もうすぐ雨が降り出すからとしずかに家に帰るよう促した。そしてしずかが帰っていくと、2人も帰ろうとしたが、鳥辺一郎(とべいちろう)という演歌歌手の宣伝カーが現れたため、慌てて引き返してしずかを別ルートで家に送り届けることにした。それからもパンの宣伝カーや揚げ物の油を宣伝する男性、水泳教室を宣伝する女性、トビウオを勧める魚屋の店主、チャラい風貌の芸能人の男性などの言葉から逃げ続けた。
- そしてようやく逃げ切ったと思ったが、今度は先ほどの宣伝カー2台がに挟み撃ちにされてしまい、絶体絶命となるが、2人で何とか別ルートへと誘導できた。だがしずかは既に飛ばされてしまっていたが、上手く家へと帰られていた。
- 入浴前にしずかが歌っていた歌は『夢をかなえてドラえもん』に変更され、「時を越えて」の部分でドレスが飛んで行った。またこの時慌ててやって来たドラえもんとのび太は下着姿のしずかを見てしまい、彼女からおしおきを食らっていたようで、頭にたんこぶが出来ていた。