概要
三重県の志摩半島を走る路線で、沿線には志摩スペイン村などの観光地を抱えている。
名古屋・四日市・津などから鳥羽まではJR東海の関西本線、紀勢本線、参宮線などを経由して来ることもできるが、鳥羽から先は近鉄の独壇場である。
海沿いの路線だが、海が見えるのはごく僅かで大半は山間を走る。更にもともとがローカル私鉄として開業したために急勾配や急カーブがあり、特急であっても高速走行の可能な区間は非常に限られている。
かつて志摩電気鉄道が昭和4年に開業した路線であり、貨車輸送のため当初は参宮線と連絡していた。のちに三重交通・三重電気鉄道を経て近畿日本鉄道傘下となり、昭和45年に改軌昇圧により近鉄鳥羽線と連絡するようになった。
伊勢志摩サミット関連
2016年5月に開催された伊勢志摩サミットに伴い、セキュリティ強化のため、同年5月21日の始発から28日午前7時頃まですべての列車が鵜方駅止まりとなった。ただし鵜方駅では折り返しが出来ないため、乗客を下ろした後回送列車となって、終点の賢島駅まで行きそこで折り返しを行う形態とした。運休区間は臨時シャトルバスによる代行輸送で対応。
路線データ
営業キロ | 鳥羽駅~賢島駅間、24.5km |
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所有・運営 | 近畿日本鉄道 |
接続路線 | 近鉄鳥羽線・JR参宮線(鳥羽駅) |
複線区間 | 鳥羽-中之郷、船津-上之郷、志摩磯部-賢島 |
電化方式 | 直流1500V・架空電車線方式 |
保安装置 | 近鉄式ATS |
最高速度 | 130km/h |
運行形態
特急列車と普通列車、観光列車「つどい」のみの運行。志摩線各駅のソラリーには「急行」も用意されているが、シリーズ21を除く車両の方向幕に「急行|賢島」の表示はない。そのため臨時列車であっても急行の種別は使用しない。一方でシリーズ21による「急行|賢島」表示は可能だがまだ実現していない。
臨時列車で3両以上の車両が入線する場合は、ホーム有効長の関係から特急停車駅のみに停車する。
普通列車は通勤通学時間帯毎時2本・それ以外は毎時1本、特急列車はピーク時最大4本が運行される。
特急(近鉄特急)
大阪難波・京都・近鉄名古屋方面から賢島駅まで直通している。日中は大阪・名古屋発着が1時間あたり1本ずつの合計2本が運行され、朝と夕方には停車駅の少ない甲特急が加わって、最大片道あたり4本が運行される。
最大8両編成まで入線可能で、編成の向きを名阪特急基準としたために、編成の向きが大阪・京都発着便と名古屋発着便で逆になっている。
普通列車
運賃を車内で収受する田舎型ワンマン運転を実施。鳥羽線、山田線、名古屋線に直通し伊勢中川駅や名古屋線白塚駅発着で運転される。
2021年7月に減便され、ほぼ志摩スペイン村開業以前の本数に戻っている。
観光列車つどい
山田線伊勢市駅発着で運行されている観光列車。土休日の日中2往復のみの設定で、志摩線内の停車駅は鳥羽・鵜方・賢島のみ。
駅一覧
|:単線 ∥:複線区間 ∧:ここより上は単線 ∨:ここより下は単線 '∥:複線待避可能駅 ○:交換可能駅
駅番号 | 駅名 | 読み | 路線状況 | 乗り換え路線 |
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↑鳥羽線に直通 | ||||
M78 | 鳥羽 | とば | '∥ | JR東海参宮線 |
M79 | 中之郷 | なかのごう | ∨ | |
M80 | 志摩赤崎 | しまあかさき | ○ | |
M81 | 船津 | ふなつ | ∧ | |
M82 | 加茂 | かも | ∥ | |
M83 | 松尾 | まつお | ∥ | |
M84 | 白木 | しらき | '∥ | |
M85 | 五知 | ごち | ∥ | |
M86 | 沓掛 | くつかけ | ∥ | |
M87 | 上之郷 | かみのごう | ∨ | |
M88 | 志摩磯部 | しまいそべ | ∧ | |
M89 | 穴川 | あながわ | ∥ | |
M90 | 志摩横山 | しまよこやま | ∥ | |
M91 | 鵜方 | うがた | ∥ | |
M92 | 志摩神明 | しましんめい | ∥ | |
M93 | 賢島 | かしこじま | '∥ |
複線区間は鳥羽~中之郷・船津~上之郷・志摩磯部~賢島間となっている。