概要
2016年5月26日から5月27日に日本の三重県志摩市の志摩観光ホテルで開催されたG7サミット。
正式名称は第42回先進国首脳会議である。
開催までの経緯
長野県軽井沢町や広島県広島市など8都市がサミット開催候補地に立候補していたが、当時の安倍晋三首相は2015年6月5日、三重県志摩市の賢島を開催地に選定した。
選定の理由としては当時ISILが猛威を奮っており、賢島が四方を水に囲まれた狭隘な島であり人の出入制限が容易なこと、陸伝いの侵入攻撃を避けられること、三重県警が伊勢神宮を参拝する要人警護の経験が豊富なことなどが挙げられており、警備面を重視した選定となった。
なお、サミット期間中の賢島は最寄り路線の近鉄志摩線が運休となり、住民と警備関係者以外の立ち入りが制限されていた。
参加首脳
イギリス(デーヴィッド・キャメロン首相)
カナダ(ジャスティン・トルドー首相)
フランス(フランソワ・オランド大統領)
欧州連合(ジャン=クロード・ユンケル委員長/ドナルド・トゥスク議長)
アウトリーチ会合招待者
ラオス(トーンルン・シースリット首相)
ベトナム(グエン・スアン・フック首相)
スリランカ(マイトリーパーラ・シリセーナ大統領)
国際通貨基金(クリスティーヌ・ラガルド専務理事)
本会の特徴
G7首脳による伊勢神宮への訪問
公式日程の初めの行事として各国首脳とファーストレディらにより、神道の聖地である伊勢神宮の御垣内参拝と伊勢神宮内での記念植樹が行われた。
なお、安倍首相は前日に下見を兼ねて参拝しており当日は2度目の参拝となった。
各国の首脳らは「素晴らしい教訓と経験を与えてくれた」、「聖なる場所に行くことができて感動した」とコメントしている。
余談だが、政府の公式行事で参拝を行うことは政教分離に反すると判断された為、首脳たちが伊勢神宮を訪れたのは参拝ではなく、訪問として扱われた。
実際、首脳たちは御垣内に入ったが二拝二拍手一拝は行わなかった。
バラク・オバマの広島訪問
オバマ大統領はサミット終了後、安倍首相と共に広島市の平和記念公園を訪問し、広島平和記念資料館の視察と慰霊碑への献花を行った後に「核兵器のない世界」に向けた所感を述べた。
現職のアメリカ大統領が広島を訪問したのは史上初の出来事であり、この訪問は岸田文雄外務大臣がキャロライン・ケネディ駐日アメリカ大使との面談の中でオバマらが広島を訪問した場合でも日本は謝罪を求めない考えや、現職のアメリカ合衆国大統領が被爆地を訪問することは核廃絶を世界に強くアピールすることに繋がるであろうという見解を伝えた事を機に実現した。
これを機に岸田氏はポスト安倍として頭角を現すようになり2021年に内閣総理大臣に就任、2023年に議長国として広島で第49回先進国首脳会議を開催した。
関連タグ
- 賢島駅:サミットの会場となった志摩観光ホテルへの最寄り駅。翌年には駅構内に本サミットの記念館が開設した。