積もった雪をどかすこと。
雪国の除雪
雪国では冬になると、雪の重みで建物が潰れないようにするためや、交通の確保のために必ず行われる。
除雪にかかる費用は市町村がもつことが多く、豪雪地帯では除雪費用が財政支出の大きな割合を占めている自治体も珍しくなく、大雪が続いたことで除雪費用がかさみ、財政が逼迫する要因となったケースもある。
除雪の対象となる場所には、建物の屋根、道路や線路、また駐車場、ときにはグラウンドや空港の滑走路などがあげられる。
除雪した雪は決まった空き地に集めておくので、雪国では冬になるとそこここに巨大な雪山ができる(そして近所のガキ共の格好の遊び場になるのがお約束)。
青森市など海沿いの豪雪地帯では海に捨てることもあるが、環境保護や海に転落する危険性などの理由で海への雪捨てを禁止、または制限している自治体も多い。
このほか、川や用水路などに捨てる方法もあるが、溜まった雪が水をせき止めて水路から水が溢れ出すこともあるため、あまりお勧めできない。
そのため、こうした地域では「流雪溝」という雪を流すための水路を用意している場合もあるが、これも一度に大量に雪を投入すると水路内で詰まってしまって溢れ出す危険があるため、人口の多い都市部などでは雪の投入が極端に集中しないよう、町内や地域ごとに流雪溝を利用可能な時間を区切っていることが多い。
公共の道路などは自治体による除雪が行われるものの、自宅などの私有地の除雪は基本的にその土地の所有者に委ねられるため、大雪が降った日の除雪作業は一家総出で行われることも多い。
当然、ある程度の年齢に達した子供も(よほどの温室育ちでない限りは)労働力として駆り出されるため、雪国育ちには「物心ついた頃には既に除雪用スコップやスノーダンプ(※大型スコップと橇を足して2で割ったような除雪用具。豪雪地帯には大抵どこの家にもある必需品)を自在に操っていた」という者も少なくない。