なお、ひらがなにしたいそかぜの形で、列車や『亡国のイージス』中の架空艦の名前にも使われている。
図鑑データ
「陽炎型駆逐艦十二番艦、磯風。大丈夫、私が守ってあげる。」
司令…笑ってる内に概要な。
2014年8月8日から開始された夏季イベント『AL作戦/MI作戦』の最深部クリア報酬として先行実装された。
ただし、最深部であるE-6『本土南西諸島近海』は通常海域5-5『第二次サーモン海戦』に匹敵する最難関海域としても有名である。難易度を表す☆の数だけで言えば5-5の☆×11を超えた☆×12で表記されており、歴代最高難易度となっている。第1戦目のマスからボスマスに至るまで全てにおいて隙が無いマップだが、特にボスマスが司令部レベル100を境に難易度が倍化する(戦艦棲姫参照)ため、百戦錬磨のベテラン提督でも音を上げる者が多い程であった。
また、このE-6は報酬などから見ても、実質EXTRAステージに該当するものである。ストーリー設定上は本土急襲をかけられているところなのでクリアしないと大変なことになるのだが、モデルとなった史実のミッドウェー海戦はE-5までに完遂されているし、ゲーム上はクリアしなくても鎮守府が壊滅すると言った事も無い。
クリア報酬である磯風自身も、数々の武勲を立ててきた歴戦の艦でありかなり知名度の高い艦で、それを反映して同型艦よりも少し強めに設定されているとは言え、数多くの駆逐艦の中の一隻にすぎず、性能だけで見れば難易度に見合った報酬とは言えない。なのでE-6クリアは所謂プレイヤーの強さの証明であり、磯風は一種の勲章のような扱いを受けていた。
2015年冬季イベント『迎撃!トラック泊地強襲』でも最深部(E-5)ボスドロップ、かつ難易度甲・乙限定ドロップだったため、入手難易度は艦隊のツチノコを遙かに上回っていた…と言っても過言では無い。
2015年春季イベント『発令!第十一号作戦』でも同様にE-5でのドロップが確認されているが、現時点では通常海域でのドロップや建造での入手は解禁されていない。
また、磯風の特徴の一つとして、改造レベルが非常に高い事が挙げられる。
一般的なコモン駆逐艦は殆どがLv20、一部のレア駆逐艦でも30~35程度で改造可能になっていた駆逐艦だが、磯風だけはLv45と飛びぬけて高い。
これは駆逐艦の中ではもちろんトップの高さで、全艦娘の中でも(改二を除けば)大和のLv60・伊401以外の伊号潜水艦と雲龍のLv50に次いで第7位である。
容姿は大事だ。それ無くしては戦えぬ。
腰まであるロングストレートの黒髪に深紅の瞳が特徴。
髪は後ろ髪の二房が赤紐で毛先をくくられた状態で肩から胸元に流されている。
服装は浜風同様の、紺と白の前止め式セーラー服の長袖版に黄色のスカーフ。
両手には陽炎型共通の白い手袋を着けている。
下は陽炎型共通のグレーのプリーツスカートを履き、左脚に黒のニーソックス、右脚は普通の黒のソックスを履いている。靴は異様につま先の尖ったグレーのパンプスのようなものを着用している。
あまり注目されていないが、駆逐艦娘としては胸のある方。
下着に黒のパンティーを穿いているのを確認できるが、上は確認できない。着けていないのかもしれない。
艤装は「駆逐艦か?」と疑うほどに重武装。
腰にジョイント基部があるのは他の陽炎型と共通だが、ジョイントから腰の両側にマジックアーム状の基部が伸び、左にはフレキシブルに動く4連装魚雷発射管が装備され、その根本には機雷が8つワイヤーで固定されている。右は浦風の艤装に似た2連煙突と電探がひと纏めになったようなユニットを装備し、その底面に4連装魚雷発射管、上面に2連装高角砲が載せられている。
またその両腕にも拳銃型のグリップがついた艤装が握られており、右は2連装高角砲、左は銃のような基部を挟みこむように2連装機銃が裏合わせのような形でついている。
磯風改
改装すると容姿などはあまり変わらないが、一部が変化する。
まず頭には電探の付いたカチューシャのようなものが後頭部に追加され、胸元のスカーフは大和型戦艦が胸元に付けているような金の注連縄状のものに変更。左脚のニーソックスにも白のラインが入るようになった。その他菊水マークが各所に付けられており、同じ海戦で最期を迎えた大和を随所に意識している。
・・・性格は長門に近いが。
艤装は右手と右煙突ユニットにあった10cm高角砲が撤去され、12.7cm高角砲に更新されている。
磯風の性格は伊達ではないぞ。忘れるな。
表情は人を喰ったような「したり顔」であり、小悪魔的な雰囲気を醸し出している。
だが小悪魔的な容姿に反してその性格は駆逐艦とは思えないほどの武人肌の堅物。
リーダー気質が強く、仲間思いで第十七駆逐隊のことを誇りに思っている。
ただし質実剛健なのも考えもので、戦闘以外ではかなり不器用なことが窺い知れる。
また、艦隊戦では戦術など考えずに単縦陣ガチ推しなど、天然ボケ+脳筋疑惑もある。
料理の経験はほとんどない上、センスもない。
磯風を秘書艦にした際の時報では、朝食時に彼女の手料理が出されるのだが、それを食べた提督は腹を壊してしまう。比叡カレーですら提督が逃げてコメントを拒否した「だけ」でハッキリとマズいとは言われなかったのに対し、彼女の場合は何気に『艦これ』初となる明確なメシマズ。(自覚があるだけ幾分かマシなのだが・・・)
そのために私生活では仲間の谷風や浦風によく助けられているようだ。皮肉にもこの磯風のヘルプにより、初期第十七駆逐隊の仲間(浜風・浦風・谷風)はいずれも何かしら料理ができる事が分かる。
公式4コマでもそのことには触れられており、曰く料理下手だが料理をすること自体は好きらしい。下手の横好きというものだろうか。お陰で部屋割りでは「彼女との相部屋は嫌だ」と第十七駆逐隊のメンバーを戦々恐々とさせた。
そんな武人気質で不器用な彼女だが、午後3時の時報では「余計なバルジが出来てしまうから」という女の子らしい理由でおやつを断るなど可愛らしい一面もある。
提督との関係は対等でビジネスライクな関係が強いが、嫌ってはいない。
しかも得意ではない料理を提督のために一生懸命作ろうとするなど、好意的で子供らしい姿も見ることができる。
ちなみに無改造状態ではお触りに対して手厳しいが、改にすると少し態度が軟化する。
言動・性格が長門に似ていることから「マイクロ長門」と呼ばれていたりもする。
他にも中の人と性格の近さからこんなネタも。
同じく中の人繋がりのネタでは、同型機を駆る相手に「邪道」呼ばわりされるほど小型機に過剰なまでの重武装を施したトリガーハッピーなこの子も一応。
そうだな…性能は必要だ、頼む。
改造前は対空と索敵と運の値が一回り高いのが特徴。それ以外では平均的な陽炎型駆逐艦である。
改造後の初期値は低く、全体的に陽炎型では低めとなってしまうが、最大ステータスは陽炎型改の最大値と大差なく、十分に近代化改修を施せば気にならない程度。
対空値が駆逐艦最高クラスの64であることと、運の値が陽炎型で雪風に次ぐ18であることが特徴。
雪風と並ぶほど数々の激戦を潜り抜けてきた艦なのに運18と言うのはむしろ低くも思えるが、雪風ほどの変態的幸運エピソードに恵まれてはいない事、最後は戦没してしまっており生き残っていない事から、20を超えないように設定されたようだ。
初期装備こそ期待できないが、改になると浦風改と時津風改同様に12.7cm連装高角砲(後期型)を持って来てくれる。これは駆逐艦装備としては最高クラスのものであるため、素直に嬉しい。
また、駆逐艦に搭載可能な電探の中では最高の性能を持つ13号対空電探改を持ってきてくれるのも嬉しいところ。
総じて対空値以外は特筆するところがないため、島風や雪風や天津風に比べると、砲雷撃戦では平均的な性能の駆逐艦という評価になる。
史実
初代(磯風型)と二代目(陽炎型駆逐艦)が存在している。
陽炎型駆逐艦「磯風」
陽炎型駆逐艦の12番艦。1940年11月30日に佐世保海軍工廠で竣工。呉鎮守府籍となる。
本艦は陽炎型「浦風」「谷風」と共に1940年12月15日に編成された第17駆逐隊に所属。
1941年6月30日に陽炎型13番艦「浜風」が竣工・編入される、第17駆逐隊は「浦風」「磯風」「浜風」「谷風」の4隻で太平洋戦争に臨んだ。
特に戦運に恵まれ、太平洋戦争当初から末期まで戦い抜いた。
真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦、南太平洋海戦、ガダルカナル島撤退作戦、マリアナ沖海戦、レイテ沖海戦を経て、武蔵、信濃、金剛、愛宕、大鳳、蒼龍といった連合艦隊主要艦艇の沈没に遭遇。
戦艦大和の最期となった坊ノ岬沖海戦で被弾し航行不能となり、戦闘終了後に第17駆逐隊僚艦「雪風」により自沈処分され、大和と同じ海に沈んでいった。
その活躍ぶりから戦史研究家「志摩達雄」氏からは「太平洋戦争における日本海軍の最高武勲艦」と評される。事実、海軍内の功績査定評価では雪風が264点で全駆逐艦一位なのに対し、磯風は2位の234点。
また、『我が青春の追憶』という個人サイトでは一水兵として実際に磯風に乗っていた柴田芳三氏の話が同氏の遺族によって公開されており、昭和十七年から沈むまでの磯風の動向や磯風での艦内生活を知ることができる。また、同氏は敷波にも乗艦しており、その時のことも記されているので磯風、敷波が好きな方はぜひ一読してほしい。
その他にも同サイトでは海兵団(鎮守府に設置されていた陸上部隊のことで、徴兵された兵士は5カ月、志願兵は6カ月の教練を海兵団で受けることになっていた)での出来事や、砲術学校での出来事にも触れている。