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天照大神の編集履歴

2016-02-27 19:34:52 バージョン

天照大神

あまてらすおおみかみ

日本神話に登場する太陽神で、日本総氏神とされる。

曖昧さ回避→アマテラス天照


解説

太陽を神格化した女神である。

月の神・ツクヨミスサノオに当たる、三貴子の一柱。


つまり「天照大神」とは、アマテラスという偉大な神様、という意味のお名前ではなく、天を照らすオオミカミ様、という意味。

別称はオオヒルメノムチ(大日孁貴)。


そして天照大御神は日本神道に措ける神々の世界・高天原(たかまがはら)の主宰神でもある。広く崇拝されているのみならず、『古事記』『日本書紀』などで重要な役割を担う存在。

本地垂迹説では十一面観音大日如来が本地とされる。両部神道では胎蔵界大日如来であると同時に梵天、さらに日天子とされる。


天照大神に関する最も有名な話が「天岩戸伝説」である。太陽の神となった姉に嫉妬した弟スサノオが暴れまくったショックで天岩戸に閉じこもってしまうというのが伝説の主旨。いかなる説得も頑なに拒む。ちなみに最後は岩戸の前で宴会を開いて気を引き、気になって岩戸を少し開いたところを無理やり引きずり出している。


男神説

一部では男神説も存在し、上記の大日如来説とも関連して男性神として描かれることがしばしばあった。また、オオミカミを両性具有神として描写する書物も存在する。その多くが男性優位社会の強かった中世に考えられた。


性別に関しては、「日本書紀」では女性と明記されてるが、

「古事記」では性別に関しての記述はないため、これが論争の的となっている

日本書紀で女神とされているのは、当時の天皇であった

持統天皇が女性であり、彼女に仮託されている、という説もある。


もっとも、男神イメージで書いてみるのも自由でもある。弟のツクヨミも女神説があるので入れ替えてみたりするのも、一つの趣向……かもしれない。


ちなみに『古事記』には、男装して剣を振り上げ弟のスサノオに立ち向かうシーンが登場する。


日向に下生した際、十六歳の少年の姿をとったという、この化身のことを「雨宝童子」という。両部神道由来の神だが、その他の仏教寺院でも祀る所がある。

記紀で違う描かれ方

古事記では、尊い三柱の神の筆頭として描かれているが、


  • スサノオに猜疑心を抱いて迎撃し、結果として思いあがったスサノオが悪事をして天岩戸をやらかす引き金になる。迷惑にも程がある姉弟なのだが、姉のオオミカミの方は何の責任も問われていない。
  • そのスサノオの子孫で娘婿にあたる大国主命の支配する出雲の国が欲しくなれば「我が子の治めるべき国だからよこせ!」と、理不尽にも武力で脅し、ついに出雲を明け渡させるが平和解決扱いされている。

...などなど、少々"困ったちゃん"、"横暴な女王様"のように描かれている。


だが、日本書紀ではびっくりするくらいに偉大で素晴らしい神様である。謀反したスサノオや大国主命を他の神様が倒そうとしても穏便に事を進めたり、絹や米の作り方を民に伝授する、史実でも神武天皇に道案内のヤタガラスを遣わすなど、日本を代表するグレートマザーになっている。


同じ事は、ギリシャ神話の悪役アレスローマで人気のマルスになり、北欧では目立たないがドイツのゲルマン神話で大人気なフレイにも似ているが、天照大神もまた、とても同じ神様とは思えない優遇ぶりである。

どうしてこうなった

仏教における天照大神

日本の法華信仰では『法華経』の守護神とされた。月の一日ごとに法華経を守護する神々チーム「三十番神」の一員であり、彼女は各月の10日を担当する。

三十番神の概念は天台宗にはじまり、日蓮宗にも取り入れられた。天照大神の名前は日蓮題目曼荼羅にも記されている。

漫画における天照大神

記紀神話ないしは、それをモチーフにした漫画に多く登場する。高天原の主宰神らしく、美しく神々しく描かれることが多い...のかというと、意外とそうでもなかったりする。


  • 石ノ森章太郎氏の『マンガ日本の古典』シリーズ。前半のヒロインだが、使えない息子や部下に振り回される。
  • 小林よしのり氏の『ゴーマニズム宣言』、『天皇論』シリーズなど多数作品に登場。人間味を帯びたタッチで描かれる。
  • 安彦良和氏の『ナムジ』。敵勢力の指導者・ヒミコは天照大神をイメージしたキャラとして登場。幾度となく主人公の前に立ちふさがるライバルで陰のヒロイン。
  • よしだもろへ氏の『いなり、こんこん、恋いろは』。眼鏡をかけた小太りなおばちゃん。色んな意味で物議をかもした存在。
  • こうの史代『ぼおるぺん古事記』。ストーリーは原作に忠実(というか原文をそのまま絵解きしている)なのだが、アマテラスの風体は巨大な真ん丸い顔で目が細く三頭身に描かれている。最初は奇怪に見えるが、しだいにマスコットキャラのように可愛らしく見えてくるので不思議。
  • 水木しげる氏の『水木しげるの古代出雲』。須佐之男大国主命(いずれも可愛らしいか美男子)が善玉なため、悪役として妖怪じみた風貌に描かれている。
  • 久松文雄氏の『まんがで読む古事記』。可能なだけ漫画的なアレンジを削いで、原文に忠実な描写を心懸けて描かれているためか、基本的には凛々しい女性として描かれている。
  • 原秀三郎氏の『マンガ古事記 神話篇』(作画は阿部高明氏)。涼やかな瞳がチャームポイントの美形。猜疑心を持ったために須佐之男に報復されてひどい目に逢うが、彼を庇う優しい人格者で描かれる。イケメンの息子二人と可愛い孫に恵まれている、人間味ある雰囲気の女性。

その他にも…

  • 登場人物の名前を一文字ずつ取って「天照大神」とする物もある。

例えば「咲-Saki-」の登場キャラクター「江衣」「宮永」「星淡」「代小蒔」の4人で成立する。登場人物の多い作品では、割りと成立しやすいかも…?



関連タグ

日本神話 アマテラス 女神 三貴子 神道 伊勢神宮 太陽神 天城雪子

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