概要
1995年にデビュー。
代表作は『夕凪の街 桜の国』『この世界の片隅に』『ぼおるぺん古事記』など。
漫画作品の他、児童書や一般文芸書の挿絵も手がける。
作風
「家族」の日常生活を描いたギャク漫画が多い。
トーンをほとんど使用しない、描線のみで表現された線画であり、そのノスタルジアをかきたてる作風とあいまって、現代にあってはとても古風な印象を受ける。暖かでほのぼのとした印象とは裏腹に、ある種の毒や色気も感じさせる。
第二次世界大戦・太平洋戦争の、特に「広島への原爆投下」を何らかの形で題材にした作品を描くこともあるが、その主な主題は「その時代に生きている人びとの家族と、日常生活を描写すること」である。
座右の銘は、
「私は常に真の栄誉を隠し持つ人間を書きたいと思っている」
(アンドレ・ジッドの言葉。フランスの小説家)
主な作品
初連載作品。
花屋を舞台にした短編連作集。
ぴっぴら帳(ノート)
セキセイインコの「ぴっぴらさん」が主人公の、小鳥飼育4コマ漫画。
拾われニワトリ「こっこさん」と、その飼い主の「やよい」と、家族たちの物語。
理由ありで、「無理やり結婚」をした男女2人の、ちょっと変わった結婚生活物語。
夕凪の街 桜の国
「広島の原爆」を主題とした、
終戦から10年後の広島を舞台とした「夕凪の街」と
その後の、1987年と2004年の物語である「桜の国」で構成されている。
妻を亡くしたばかりの男やもめのお爺さん「参さん」が主人公。
息子一家と同居しながら、亡き妻の遺したノートを参考に、主夫生活に取り組んでいく。
太平洋戦争中の広島を舞台に、主人公・すずが軍都・呉へと嫁ぐ物語。
基本はエッセイ集。
中には「こうの史代風萌えマンガ作品」を代表した、異色系の作品も収録されている。
「古事記」上巻の原文をそのまま絵物語とし、全てボールペンで描いたコミカライズ。
「東日本大震災」を題材とし、
行方のわからない「妻」を探して震災後の東北地方を旅する雄鶏を主人公とした、
被災地の「その後の風景」を描くエッセイ。