「実はあたし……二次元にしか恋したこと、ないんだよね……」
『あ』『り』『が』『と』『う』
※彼女に関するネタバレが含まれています。ご注意ください。
概要
第9巻よりその存在が仄めかされて来た狂三が探し求めていた世界で二番目に確認された精霊その人で、始原の精霊のことを唯一知り得る存在でもある為、始源の精霊を探している狂三が情報源として探していた。
識別名は<シスター>。ショートカットの灰色の髪にトルコ石のような瞳をした少女で、外見は18、9歳のようであるが、その正体は琴理や美九と同じく何だかの経緯を得て精霊の力を得た元人間である。
<神威霊装・二番(ヨッド)>は各所に十字架があしらわれた暗灰色の修道服状の形状をしており、顔つきこそは似てないが、修道服のような形状の霊装は彼女を元にして作られたかと思われる或守鞠奈のものと酷似したものとなっており、繋がりを伺わせる(平たく言えば鞠奈や鞠亜の姉に該当する)。腰にはトルコ石を通されている紐が巻かれているが、そちらは戦闘時に天使を顕現させた鞠奈の体に巻き付いてるコードの巻き方が共通している。
また、頭部に付いた髪飾りはペンとして用いることが可能である。
物語が始まる10年前に“本条蒼二”というペンネームで『SILVER・BREAD』という作品を描く萬画家デビューを果たすも、それから5年後、エレンによって不意打ちを受け囚われてしまい、DEMでの人体実験などが行われている極秘研究所が設営されていた地図に無い島“ネリル島”の地下施設に最重要機密『資材A』として幽閉され、自分たちの手で“反転体”を生み出すそうと考えたウェストコットの指示の元、様々な人体実験や拷問を受け続け精神崩壊寸前にされるものの反転体へと吐いたらなかった為、とある目的の為に脳内に超小型の顕現装置を埋め込まれて拷問や人体実験の記憶を一時的に消され休眠状態にさせられていた。
なお、囚われていた期間受けて来たし打ちの記憶が名言はないものの何だかの理由で士道達と共鳴し、士道の霊力の暴走や十香の原因不明の反転体化にも係っているとも推測される。
その後12巻にて日本のDEM関連施設に運ばれる途中であったが、何らかの事情で暴走状態寸前の士道の霊力に共鳴を起こして目覚めて士道に助けを求め、彼の放った霊力の波動の直撃を受けて輸送機が撃墜された隙に捕えられていたコンテナを破壊し、無事(ではなく、偶然とはいえ意図的にそうなるように仕向けられていたことが後に発覚した)に脱出を果たし何処かへと姿を消していた。
そして脱走の数週間後、自身の力を封印してもらうために後述する自身の天使の能力により事前に情報を得ていた五河士道の前に現れ接触を果たす事となる。
さばさばした性格で時折年下をからかう小悪魔的な一面を持ち、後述するとある理由のために極度のオタク気質の持ち主で作品に込められた作者の情熱を何よりも大切にするためにその守備範囲はかなり広い。
また、精霊としての力を得たのは物語が始まる27、8年前になる為、外見と違って士道のことを少年と呼ぶなど年上のお姉さんのような振る舞いや言動が目立つ(ちなみに個人のプライバシーに関しては一番の良識人だったりする)。
が、自身の天使の能力の為に自身の正体やどんな人間でも持っている汚い部分を知ってしまった結果、人間という存在そのものに愛想を尽かして現実の人間を信じられなくなり、二次元へと傾倒し、どんなに彼女と親しくしようと近づいてくる人間もその人物の汚い部分を知りたくないが故に心を閉ざして避け続けて来た(皮肉にもそれがDEM社に囚われていた際に受けた様々な拷問を受け続けたにもかかわらず“反転体”へとなる事を防ぎ、最終的には殺されるという運命から護られて来た結果となっていた)。
その為に士道とデートをしても好感度が上がらないばかりか、なんとかして心を開かせようとあの手この手と試みるも玉砕が続く結果となってしまう。
そこで士道をモデルにした同人誌(厳密には士道のドキュメンタリー)の主人公に恋させてみてはどうかという話になるが、その同人誌自体が彼女が読むに値するかどうかを掛け、コミコ(コミックコロシアムの略)で彼女が描く同人誌と何方が人々の心をつかみ売れるかで勝負する事となった。
そして遂に訪れた決戦において勝負は引き分けという結果に終る。
約束通りにその同人誌を読むことになり、さらにその内容が一切の脚色がないことを知り、士道を認め心を開くが、この機会を待ち望んでいたウェストコットの指示の元、顕現装置で消されていたDEM社で受けた仕打ちの数々の記憶を呼び起こされ反転化
更にそれを窺って潜伏していたエレンとアルテミシアの襲撃で反霊結晶と化した霊結晶を奪い取られ瀕死の重傷を負うが、襲撃を受ける前に士道が天使<破軍歌姫>の力を用いて彼女の心に直接訴えかけ意識を僅かに呼び起こしていた為に、完全な反転体と化していなかった事が吉となり僅かに霊力が残されていた為、その霊力を士道が封印する事で辛うじて一命を取り留めた。
そして、それと同時に彼女は精霊に対するある重大な秘密を皆に伝える事に…。
ちなみに<フラクシナスEX>の管理AI MARIAは彼女に対して妙に当たりが強い。
呼び出す天使は<囁告篇帙(ラジエル)>。聖典の十字架があしらわれた本=聖書を思わせる形をしており、第2のセフィラ、コクマー『知恵』を司る精霊だけあり、その能力は全知。
簡単にいうなれば(二亜曰く) 超々高性能検索エンジンで、未来のこと以外であれば現在起こっている出来事から誰が何をしているかなど自身が知りたいと思う情報であれば何でも知る事ができる。
更に天使に書かれている内容は全て“事実”であり、記載される事全てが“事実”として現実世界に認識されるために霊装に付属しているペンで<囁告篇帙>に内容を記述すれば未来における記述対象者の行動を操る事ができる『未来記載能力』、簡単にいうとドラえもんの秘密道具『いつでも日記』と『未来日記』を足し合わせたような使いようによっては能力を持つ。
しかし、本人が文章を考えて描くことが苦手なため故に記述する際はもっぱら萬画として記載されるが…。
「生命の樹(セフィロトの樹)」において対応する事象は以下の通り。
数字 | 2 | 名前 | 二亜 |
---|---|---|---|
神名 | ヨッド | 霊装 | 〈神威霊装・二番(ヨッド)〉 |
守護天使 | ラツィエル | 天使 | 〈囁告篇帙(ラジエル)〉 |
また、髪の毛の色が灰色なのは対応するコクマーから来ているものと推測される。
関連タグ
或守鞠亜/或守鞠奈:短編「二亜ギャルゲー」にて、ゲームを通じて彼女たちのプロトタイプと思われる人工知能と接触した。
二番目の精霊:素性が明らかになる前の呼び名。
反転体
「―<神……蝕、篇……帙>―」
士道を認め彼に心を開いた直後、ウェストコットの策略により自身が受けた様々な人体実験や拷問の記憶を思い出したことで現在の状況と過去に自身が受けたギャップの差故に深い絶望に囚われた事で“霊結晶”の反転が起こり変質した魔王形体。
霊装は体から汚泥のようなどす黒い霊力の塊のようなものへと変貌し、体には聖痕を思わせるような夥しい数の傷が現れ血を流し続けており、更に自らの血で赤く染まったその顔は血の涙を流し続ける聖母を思わるどこか終末の到来を予言する不吉さをにじみ出した容姿へと変貌している。
また、聖書を思わせる形をした天使<囁告篇帙>は黒魔術が記載されている巨大な黒い本の様な形をした魔王<神蝕篇帙(ベルゼバブ)>へと変貌しており、能力としては自動的に内容が記述されるようになった上に記述速度が以前よりも数段跳ね上がり、更に魔王本体よりページを飛び散らせることで反転する前よりも手数と速度が増えた上に本に記述された存在を具象化することが可能。
また自身の知った事をイメージとして他人へと伝える事が可能となっている。
なお、魔王として変貌した結果なのかは不明だが、歴史の改変が起きた事すらも知ることが可能なようで、不完全とはいえ目的達成の為の手段の一環として念願の反霊結晶を取り込み<神蝕篇帙>を自身の力としたウェストコットは士道と狂三が協力して歴史を改変したことを掴んでいた。