概要
旧皇族11宮家の一つ、竹田宮家出身。保守論客としての知名度が高く、「法学者」を自称している。母方の実家から相続した「医療法人十字会」の実質的オーナーとしての顔も持つ。
第2代・竹田宮恒徳王の孫であり、恒徳王の第三男子である『日本オリンピック委員会(JOC)』会長竹田恒和の長男。祖父の恒徳王は竹田宮恒久王と明治天皇の第六皇女である常宮昌子内親王の間に生まれていることから、彼は明治天皇の女系の玄孫にあたる。元電通社員でプロゲーマー、ポーカープレイヤー竹田恒昭は従弟にあたる。
専門は憲法学、環境学で、本人は「私の専門は憲法の第一条です。この問題に取り組みたくて憲法学者になりました」と言っている。
2013年度まで母校である慶応義塾大学非常勤講師だったが、2014年に契約を終了。
恩師である小林節に「慶応義塾大学非常勤講師である事を売名に利用している」と非難されて契約更新されなかった(実質的解雇)。
現在は皇学館大学の非常勤講師。
2006年に著書『語られなかった皇族たちの真実』で山本七平賞を受賞し、皇位継承問題における「女系天皇容認論」に反対を表明したことで注目を集めた。その後も、皇室や日本史関連の書籍を相次いで執筆しており、新聞・テレビ、雑誌等にたびたび登場している。
2008年12月に、論文「天皇は本当に主権者から象徴に転落したのか?」でアパグループ主宰の第2回「真の近現代史観」懸賞論文“最優秀藤誠志賞”を受賞した。
「皇族」「憲法学者」について
生家である竹田宮家は、台湾総督を務めた北白川宮能久親王から始まる、北白川宮家から枝分かれした宮家であり、第3代伏見宮貞成親王(御花園天皇の父)の男系17世孫にあたる。「竹田」の由来は京都・伏見にある地名から。
前述の“旧皇族”とある通り、竹田家は戦後皇籍を離脱しており、彼自身は皇籍に入っていたことはない。また、彼の父親は、旧・竹田宮家の三男であり(つまり、竹田恒泰氏自身は、旧・竹田宮家の"本家筋"ではない)、仮に旧宮家が戦後皇籍を離脱する事が無かったとしても、父親の代に、臣籍降下していた可能性が高い。
また、慶應義塾大学大学院法学研究科の非常勤講師として、「憲法特殊講義」という授業を担当していたことから「憲法を専門とする法学者」と称されるが、学術誌などに論文を発表したことはない。
それゆえ、自称皇族、自称憲法学者などと言われることがある(なお、本人は「明治天皇の玄孫」「旧皇族宮家・竹田宮家出身」と称して、「皇族」を自称することを慎重に避けている)
逸話
中国を旅したときの体験
19歳の頃、大学生だった竹田氏は、休みという休みを利用してはバックパックを背負って世界中を旅して回っており、平成7年(1995年)2月から3月にかけて中国を旅していたとき、雲南省の昆明からチベットに程近い大理行きの寝台バスに乗って眠っていたときに、乗っていたバスが乗用車と正面衝突し、横転したバスは車体が滑り、ガードレールの無い参道から外れ崖っぷち45度の角度で止まり、あと数センチで谷底に落ちていたという。
事故から無事に生還し救出された後日に、気を紛らわせようとハイキングに出掛けたが、まだ薄暗い明け方であったため、誤って人民解放軍の演習場に迷い込み、砲弾が飛び交う中をほふく前進して移動し、軍用犬に襲われた後に軍にスパイ容疑をかけられ捕まって連行され、長時間の取り調べを受けたあと、ただの観光の大学生だったことが解り、ようやく釈放されたという。
イラク戦争での体験
友人が当時のサダム・フセイン大統領や、彼が率いるバース党幹部と深い交流を持っていたことから、アメリカがイラクを標的にして、大量破壊兵器の所有を世界に向けて宣伝していた頃に、状況を竹田氏と共に憂いでいたその友人の計らいで平成15年2月にバグダッドに渡りイラク訪問が実現した。
居場所は機密情報であったため、フセイン大統領と直接会うことはできなかったが、イラクの大臣や政府高官を通じて大統領とやり取りをし、その行動は連日イラクの国務放送がトップニュースで伝えていた。
当時、先進国の中で日本だけが唯一イラクと外交関係を保っており、アメリカだけでなくアラブ諸国やイスラエルとも友好関係を築いていた稀有な国であったことから、フセイン大統領は事態を打開するため日本に期待しており、日本の仲立ちでアメリカとイラクの衝突が回避できれば、国際社会に多大な貢献ができると竹田は考え、説得を試みた。
竹田氏の「イラクは本当に大量破壊兵器を持っているのか?」という和平を左右する重要なポイントの質問に対し、フセイン大統領はバグダッドの司令官を通じ「アラーに誓って、ない」と答えたという。この返答はイスラム教徒にとって最も重いものである。その後の平成16年10月、イラク戦争の大義名分だったはずの大量破壊兵器は存在せず、具体的な開発計画もなかったことが明らかとなった。
しかし水面下の和平工作では、当時の小泉純一郎首相が「アメリカの攻撃を支持する」と表明したことで水泡に帰してしまう。
帰国の朝に、竹田氏はイラクの旅で知り合ったイラク人の友人たちと抱き合って別れの挨拶を交わし、「たとえ俺が死んでも、俺たちの戦いぶりを後世に伝えてくれ」「お前だけは絶対に死ぬな!」「必ず生きて再会しよう」といった会話を交わして彼らと別れ帰国した。彼らとはこれが今生の別れとなった。
同年の3月19日、アメリカ・イギリス軍が空襲を開始し、竹田氏は自宅のテレビで「避けられたかもしれない戦争」の様子を見ており、自身の友人だけでも50人が亡くなったという。
その後
これら、3日間の間に2度死にかけた経験と、直接ではないが間接的に戦争に関わった『戦争経験』は、後にそれまで上手くいっていた仕事や生活をすべて捨て去って作家を志したことや、その後の自分の人生の生き方において大きな影響があったという。
メディア出演
オピニオン番組などで保守派のタレントとして出演している事が多く、また父がJOC会長である為、スポーツ関係のコメンテーターとしてしばしば出演する。
議論では全体的にストレートな批判が持ち味であり、誹謗中傷ととられるような不用意な発言も目立つ。『たかじんのそこまで言って委員会』では在日韓国・朝鮮人の通名制度に関して極端な解釈をもとに言及したことから放送局であるよみうりテレビへ抗議申し入れがなされ、放送倫理・番組向上機構へ審理申し立てがなされたことがあった。
2014年には、ソチ五輪においてのツイートが問題視され、『委員会』メンバーからも顰蹙を買った。
また、竹田氏の経営する「十字会」は前の経営者であった祖母が行った不動産投資の失敗から経営が傾いており、十字会の「お家騒動」は週刊誌にしばしば書き立てられている。また、従弟でプロゲーマー、ポーカープレイヤーである竹田恒昭の大麻所持で逮捕される等、スキャンダルにも事欠かない。
2013年には、以前から交際を噂されていた華原朋美に求婚したが失恋したと放送されたり、2014年には元AKB48の畑山亜梨紗との交際を認めるような反応をしたりなど、週刊誌に「アイドル好き」などと評されてスキャンダルを巻き起こし、「皇族芸人」などと揶揄されていたが、後にそこまで言って委員会NPにて、一般人女性と結婚し明治神宮で挙式を挙げたことを発表した。
チャンネル凍結事件
組織的な集団通報
2018年、悪ノリしたネット掲示板『なんJ』の利用者たち(なんJ民)による、『ネトウヨ春のBAN祭り』と称した政治系YouTuberに対し組織的な集団通報を行うという悪質な嫌がらせにより、竹田恒泰チャンネルのYouTubeでアカウントが規約違反としてBANされるという事態が起こった。
彼に批判的な者たちは、それらの理由と皇族の血を引く出自からからヘイトエンペラーと皮肉り、それを醜態として生前崩御などと揶揄する者もいた。
また前述の出自を皮肉るかの如く竹田平民とも揶揄されたが、それに対し本人は自身を「臣民」と称した(そして竹田臣民である)。
しかし、BANされた後も再開設して何事もなく活動を再開。ちなみにチャンネル凍結されたのはYouTubeのみで、ニコニコ動画ではYouTubeで削除された動画も現在でも公開されている。
また、後にこうした相次いでの保守派政治系YouTuberのチャンネルが閉鎖に追い込まれている現状は、遂に新聞沙汰になるまでに問題視されるようになり、そこにコメントした竹田氏は、以下のように語り、特定の主張を狙い撃ちにした外部ユーザーらによる『攻撃』の疑いがあり、これによって感情任せな誤った言論規制につながる危険性があるとしている。
「不当な表現活動はしていないが、アカウントが突然停止し、動画を投稿できなくなった。同様の事例が多発し、外部による組織的な妨害工作の可能性がある。『言論弾圧』『言論人の暗殺』ではないか」
(2018年7月5日『夕刊フジexit』において)
竹田氏がコメントした夕刊フジによれば、問題視された動画や閉鎖されたチャンネルには、『朝鮮』や『中韓』など、韓国外交やいわゆる慰安婦問題などをテーマにした動画が対象にされていたという。
このことから「ヘイトスピーチ反対」などと訴える左派系のネットユーザーたちにより、保守派の政治系YouTuberが警戒・監視の対象にされた可能性があるとして、これに対して朝鮮日報は「ネットユーザーたちは(中略)『ネット右翼のユーチューブ・アカウント停止祭り』を行った」「韓国を中傷する嫌韓動画は20万-30万本が削除されたと推定」などと、称賛するように伝えられている。
閉鎖の理由について
YouTubeの投稿ルールには、
- 「人種や民族的出自などに基づき、暴力や差別を扇動する」
とされる動画の投稿を禁じており、主に閉鎖されたチャンネルはこれに反したと主張されている。
しかしこれには落とし穴があり、実はYouTubeから投稿者に対し、具体的に動画のどの部分が投稿ルールに反しているのかは一切通知されないため、その動画が本当にルールに反しているのかが漠然としていてハッキリ解らないのである。
竹田氏が出版社WACのオピニオン誌である月刊『WiLL』において対談した、同じくチャンネル停止の被害に遭った『KAZUYA CHANNEL』の運営者であるKAZUYA氏によれば、YouTubeの違反警告は深夜から未明にかけて連続で届き、「注意してください」と警告文に書かれていたにも関わらず、注意する余地も無い寝ている間にチャンネルが凍結されたというのである。
このことから、YouTubeの検問が人によって行われていない可能性が指摘されている。
具体的な説明も無く本当に投稿ルールに反しているのかがハッキリしていないにも関わらず、チャンネル閉鎖されてしまうという状況に竹田氏は怒り心頭で、同じくYouTubeで流されている動画番組に出演している自民党の参院議員である和田政宗議員も、YouTube側の投稿ルールに反するかどうかの根拠不十分さや、チャンネル管理のいい加減さを指摘し、誤った言論の規制は自由な言論を侵害して、言論者たちの活動を萎縮させてしまうとして、それによって言うべきことが弾圧されて言えない状況になりかねないと警鐘を鳴らし、竹田氏と共に以下のように語っている。
竹田氏「気に入らない動画は、見なければいい。特定の動画を削除させることを狙っているなら、ユーチューブの警告制度の悪用であり、姑息(こそく)だ。言論で対抗しろ、と言いたい」
和田議員「明確な人権侵害があれば、閉鎖は仕方ないが、根拠がはっきりしない。言論活動の委縮(いしゅく)につながりかねず、ユーチューブは、閉鎖の明確な根拠を示すべきだ」
(2018年7月4日産経系列『ZAKZAK』より)
※参考『ニコニコ大百科』
交友関係
師匠
今上天皇の従弟君。竹田氏が作家デビューする際に強い支えとなった人物で、彼とは親分子分のような関係だったという。故人。
友人・同志
仙台の福聚山慈眼寺で住職を務める金峯山修験本宗の僧。大阿闍梨。作家としても有名で、竹田氏とは神道と仏教の立場を超えた忌憚のない関係。
真言宗の僧で、日本のフォークデュオ『ゆず』のリーダー北川悠仁の兄。竹田氏の主催する竹田研究会の講演に来ていたときに親しくなり、サハリン慰霊の旅にも同行した。
衆議院議員。よく会って話しをする非常に親しい間柄で、山本七平賞の受賞記念パーティではスピーチを担当した。
「ヤンキー先生」で有名な衆議院議員。共通の友人がいて親しくなり、竹田研究会の講演にも時々訪れているという。
落語家。竹田氏の新作書籍が発売されるのを毎回楽しみにしていて、出演番組もよく見ておりあれこれ気にかけてもらっているという。
ジャーナリスト・評論家。原発やTPPについては意見が異なっているが、同じ国家観を抱いていて、皇室の良き理解者であり、何度も対談し意見交換をしている。
俳優。番組で共演するだけでなく実はメル友で、彼が主宰する勉強会に竹田氏が講師として招かれたこともある。
漫才コンビ『ロンドンブーツ1号2号』のボケ担当。テレビ番組で知り合い呑み友達となり、彼が日本酒に造詣が深かったため、会うと酒の話しで盛り上がるという。
お笑い芸人で映画監督。竹田氏が彼の番組を企画したことがあり、その際に意気投合し雑誌で何度も対談している。頻繁には会っていないが、竹田氏は彼を尊敬している。
ミュージシャン。ラジオ企画で伊勢神宮を案内して以降に仲良くなり、皇居で開かれた雅楽に招待するなど現在も親交は続いているという。
歌手。テレビ出演がきっかけで知り合い、ラーメン屋「一蘭」の話題で盛り上がったニューカマーの友人。週刊誌でやたらと交際を噂されたが、結局そういう事実は無かった。
漫画家・コラムニスト。皇室ウォッチャーとして知られ、皇室を愛する点で親交が生まれた。竹田氏とはよく対談しており、その詳細をまとめた共著も出版している。
評論家・大学教授。かつては仇敵であったが、現在は仲が良く、竹田氏との対談をまとめ上げた対談集である共著を出版しており、共闘する同志である。
書籍
「日本がわかる」シリーズ
- 日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか(PHP新書)
- 日本人はなぜ日本のことを知らないのか(PHP新書)
- 日本人はいつ日本が好きになったのか(PHP新書)
古事記関連
- 現代語古事記(学研)
- 古事記完全講義(学研)
- 現代語古事記・神々の物語(学研M文庫)
- 現代語古事記・天皇の物語(学研M文庫)
- 現代語古事記・ポケット版(学研)
その他著作
- 語られなかった皇族たちの真実(小学館)
- 旧皇族が語る天皇の日本史(PHP新書)
- 日本人の原点がわかる「国体」の授業(PHP研究所)
- 面白いけど笑えない中国の話(ビジネス社)
- 笑えるほどたちが悪い韓国の話(ビジネス社)
- 日本人が一生使える勉強法(PHP新書)
- アメリカの戦争責任・戦後最大のタブーに挑む(PHP新書)
- 日本の礼儀作法・宮家のおしえ(マガジンハウス)
共著
- 皇室へのソボクなギモン(辛酸なめ子、扶桑社文庫)
- 日本人て、なんですか?(呉善花、ビジネス社)
- 「女性宮家創設」ここが問題の本質だ!(櫻井よしこ、百地章、明成社)
- 日本人の宝]](塩沼亮潤、PHP研究所)
- 日本がもっと好きになる神道と仏教の話]](塩沼亮潤、PHP文庫、『日本人の宝』の改題文庫版)
- 女系天皇問題と脱原発(西尾幹二、飛鳥新社)