スウォルツ「誰があの力を奪うか、競ってみるか?」
ウール「何で、僕が……!?」
演/CV:板垣李光人(ウール憑依時)
データ
- 身長:210.5cm
- 体重:1.8t
- 特色/力:有機物への寄生/ミサイル発射/キカイのような能力の操作
概要
『仮面ライダージオウ』EP23「キカイだー!2121」から登場するアナザーライダーの1人。
仮面ライダーシノビ、仮面ライダークイズと同じく「別の時間軸の未来に存在する仮面ライダー」である仮面ライダーキカイがベースになっている。
今までと異なり、アナザーウォッチはおろか、変身する契約者も存在しない特殊なアナザーライダー。それ故なのか、タイムジャッカーのメンバーすらもその誕生の経緯を把握していなかった。(というよりも、オリジナルのキカイの存在自体ソウゴ以外は誰も知らない)
容姿
木の枝を組み合わせて赤い糸で縛り付けたようなキカイの機械要素とは対照的な外見をしており、もはや「機械」ではなく、まさに「奇怪」な「木怪」と言ったところ。
高い鼻はキカイの元ネタと思われるキカイダーの漫画版ストーリーの基になっているピノキオを彷彿とさせ、腰のドライバーに当たる部分もキカイドライバーのように重なり合った木の枝となっている。
キカイダー自身を守護の木人=エント(トレント)と解釈すれば、むしろ相応しいこの外見ともいえる(詳細は真紀那レントを参照)。
また、胸部には電子パネルを展開できる装置が組み込まれており、後述するパスワードを入力する事で行動を停止する。
アナザーライダー共通のライダー名と年号は胸部にKIKAI、左肩に2121と彫刻刀で彫ったような金釘文字で刻まれている。
能力
格闘戦を得意としており、キカイの使う必殺技「キカイデハカイダー」「フルメタル・ジ・エンド」に似た技を使う事が可能。両手から触手を伸ばし鞭のように攻撃する事もできる。
また、ミサイルを発射したり、倒されても自身の本体が破壊されない限り有機物に寄生する事によって復活することが可能。
本体
本体は頭部の口と鼻に当たる部分であり、身体が撃破されても本体が虫のように動き回り、他の有機物に寄生する事で何度でも復活する。
なお、寄生対象は有機物なら何でもよいらしく、劇中では樹木に寄生して復活している。
また、歴代ライダーが戦った敵の特性がアナザーライダーの特徴に反映されているという考察があるが、同じキカイの能力を持つフューチャーリングキカイの能力が人間にナノマシンを埋め込んでセミヒューマノイズ化する事と併せると、生物にナノマシンを埋め込んでヒューマノイズ化してしまう能力がヒューマノイズまたはオリジナルのキカイにあるという事なのかもしれない。アナザーキカイの場合はそうした特性が反映されているのだろう。つまり、キカイの物語における真の黒幕は…
元ネタはコンピューターの「バグ」と思われる。
本体は見ようによっては上を指した二本の時計の針にも見える形状をしており、取り憑いたものをアナザーキカイにしてしまう性質も踏まえるといわば「文字盤タイプのアナザーウォッチ」とも言えるものになっている。
タイムジャッカーの3人が絡んでいないとすると、一体誰が生み出したのだろうか…
活躍
- EP23「キカイだー!2121」
追試の勉強中に居眠りしたソウゴが仮面ライダーキカイの夢から覚めた直後、現実世界に突如出現。
ゲイツを追い詰め、駆けつけたソウゴが変身したジオウⅡに向けてフルメタル・ジ・エンドに似たキックを繰り出すも、「ライダー斬り」で返り討ちにされて爆散した。
しかしアナザーウォッチも契約者も現れなかったため2人が立ち去った隙に本体は逃走、樹木に寄生し復活する。
その後もゲイツや仮面ライダーウォズと戦い苦戦させるが、ジオウⅡの「キングギリギリスラッシュ」で再度撃破される。
その瞬間、ソウゴは「ウールがアナザーキカイに変貌してしまう」ビジョンを予知。
そしてウールと共に現れたスウォルツが逃げ出したアナザーキカイの本体を捕まえる。
ソウゴは止めようとするも、スウォルツはウールにアナザーキカイの本体を押し当て、アナザーキカイに変貌してしまう。
「アナザーライダーの力も安定し、ウォッチを作る事も可能となるはず」と語るスウォルツ。キカイの力の争奪戦が始まるのだった……。
- EP24「ベスト・フレンド2121」
アナザーキカイにされてしまったウールを助ける為、オーラは白ウォズやソウゴ達と手を結ぶ。ソウゴはキカイの夢の中で知った『WILL BE THE BFF』というおまじないがアナザーキカイを止める為のパスワードではないかと考え、白ウォズの端末の力で誘導されたアナザーキカイはジオウ・ゲイツ・ウォズの3人と交戦。
戦闘中、オーラがアナザーキカイの時間を停止させ、その隙にジオウは上述のパスワードをアナザーキカイに打ち込むが、パスワードが間違っていたため失敗(そのパスワードは再起動用のパスワードだった)。そこに駆けつけたツクヨミは、ソウゴが子供の頃に遊んでいた玩具のロボットに書かれた落書き『WILL BE THE KING』こそがパスワードだと判断しゲイツに伝える。
しかしゲイツは自分がキカイのウォッチを手に入れるべきなのか躊躇してしまい、その隙にオーラが全員の時間を停止。
オーラが言っていた「ウールを助けたい」という願いは真っ赤な嘘であり、彼女の本当の目的はキカイのアナザーウォッチを手に入れ、ウールを傀儡の王にする事だった。先にパスワードを打ち込んだオーラはキカイのアナザーウォッチを生成、自分の手で再びウールをアナザーキカイに変貌させた後、アナザーキカイが発射したミサイルの爆発にツクヨミが巻き込まれてしまった。
……が、その出来事はジオウⅡが時間を巻き戻した事でなかった事にされ、「ゲイツが躊躇すれば今見えた未来に辿り着いてしまう」と告げられたゲイツはオーラより先にパスワードを打ち込み(その間ジオウⅡはオーラに時間停止をさせないように妨害していた)、それにより白ウォズはキカイミライドウォッチの生成に成功。それにより白ウォズが変身した仮面ライダーウォズ・フューチャーリングキカイに圧倒され、彼に操られた工事現場の作業員達に動きを封じられる中、最後はフューチャーリングキカイの必殺技・フルメタルブレークで引き寄せられたところにジカンデスピアヤリモードの必殺技・爆裂DEランスを喰らい爆散した。
敗北後、ウールは無事に戻る事ができたものの、そもそも彼がアナザーキカイにされたのはスウォルツとオーラによるお膳立てだった事が判明。ウールはオーラを睨みながらも、彼女に付いて行く事しかできなかった。
一方、幼いソウゴが玩具のロボットに書いた落書きに過ぎない『WILL BE THE KING』がアナザーキカイのパスワードと化していたことから、ツクヨミはソウゴの手にした力が以前のような予知夢などではなく、自分が思った未来を創り出してしまう力ではないかという結論に至る。アナザーキカイが現代に発生したのも、ソウゴが見た仮面ライダーキカイの夢がそのまま現実の未来となり、それと同時に(おそらくソウゴの深層心理から)アナザーキカイをも生み出してしまったからだった(だからこそライドウォッチが存在せず、タイムジャッカーもキカイを2121年のライダーと認識できないためシノビの時のようなウォッチの製造ができなかったものと思われる)。
ソウゴの人智を超える力にツクヨミは恐怖する事しかできず、白ウォズは近付いてきている「オーマの日」に備え、これまで手に入れた3つのミライドウォッチからゲイツリバイブライドウォッチを生成。ゲイツに譲渡するのだった。
余談
- 見た目は有機的だが、行動は機械的な辺り、仮面ライダーキカイと対象的であると言えよう。
- スパナ状な顔パーツとボディの文字・年代以外はオリジナルと似ても似つかぬ外見をしているが、必殺技の動作やエフェクトなどはよく似ていたため、これをきっかけにソウゴが正体に気づくような描写があった。
- しかし東映公式サイトではソウゴがアナザーキカイの正体を看破できたのはアーマータイムで独特な解釈をするソウゴの感性ゆえだと説明されており、必殺技の動作については特に触れられていない。
- キカイダーの有名な一節に『ピノキオは人間になれて幸せだったのでしょうか?』という読者に投げかけられた問いがあるが、機械的なキカイから有機的なデザインのアナザーキカイになった事で皮肉にも間違いなく不幸を振りまく存在となっている。
- しかも人間をピノキオ(アナザーキカイ)にしてしまうのだからタチの悪い事この上ない。
- キカイの時代では機械が人間を絶滅寸前に追い込んでいるように、アナザーキカイのデザインは人間に環境破壊される物の代表として木がモチーフになっているという見方もある。
- キカイダーに登場しているダークロボットの当初の設定は絶滅危惧種がモチーフというものであった。
- いずれにせよ、原典と併せてブラックな要素の塊である事は間違いない。
- 30分後の世界でも似たような存在が現れていたが、彼と交戦したある男は、相手が仲間と同じ技を繰り出しても同じ存在とは断定しなかった。
- 技を見ただけですぐに確信に至ったソウゴの感性は、やはりかなり独特なものであるのかもしれない。
- 小型の本体や憑りついて動くなどを考えるとモチーフはハカイダーだけでなくプロフェッサー・ギル及びギルハカイダーの脳も入っていると思われる。
関連項目
ウッドマン/エンシェントトロイアモン/ピノッキモン:木製ロボットのキャラクター。
ドラゴンエナジーアームズ:同じくギルハカイダーがモチーフ
コダマ(魔化魍):平成ライダーシリーズに登場した植物(樹木)モチーフの怪人つながり。こちらも本体を見つけ出さない限り倒せないのも共通点。