概要
整備新幹線としては博多駅~鹿児島中央駅間の鹿児島ルートと新鳥栖駅~長崎駅間の長崎ルート(西九州ルート)の二つがある。
鹿児島ルート
2004年3月13日に新八代駅から鹿児島中央駅まで先行開業。2011年3月12日には残る博多駅~新八代駅間が開業し全通した。先行開業期間は大宮先行開業時代の東北・上越新幹線のように、新八代駅で接続する「リレーつばめ」が博多駅までの連絡を受け持っていた。
列車愛称は「みずほ」(朝夕を中心に運転される最速達列車)、「さくら」(途中通過駅のある列車)、「つばめ」(九州新幹線内の各駅停車列車)。
先行開業時点では800系を使用する「つばめ」のみの運転であったが、全通後は博多駅でつながる山陽新幹線と直通運転を開始し、N700系7000番台・8000番台による「みずほ」・「さくら」が新大阪駅~鹿児島中央駅間を約4時間(最短3時間46分)で結んでいる。なお、800系による「さくら」(九州区間のみ)運用がある。博多駅~鹿児島中央駅間は最短1時間19分。
東海道新幹線にはJR東海の方針に反する為(全列車16両編成・座席数1323席・座席配置・ドア位置完全統一であることが義務付けられているため)、乗り入れ出来ないが、その代わりに、新大阪駅や博多駅で東京駅発着「のぞみ」と接続させる事で対応している。特に博多駅では、「のぞみ」が到着したホームの向かい側で接続する列車を設定している。
全線を通すと、東北新幹線や山陽新幹線に及ばないが、熊本駅~鹿児島中央駅の利用者は盛岡駅以北の東北新幹線より多い。
これは東北新幹線の需要の多くは関東部分であり多くは東京駅~仙台駅間の需要を多く占める為、それ以北だと九州新幹線全線と同じくらいの需要になるからである。
逆に九州新幹線の場合は途中駅で乗り降りが激しい為、末端でもそれなりいる。
因みにあちらにもせんだいはあるが、こちらにも川内駅(せんだいえき)があることは覚えておこう。
最も、あっちのせんだい駅は博多駅や小倉駅と同等に近い規模ですが。
鹿児島ルート停車駅
▲:一部列車が停車 ●:全列車が停車 レ:通過 「つばめ」は各駅停車のため省略
長崎ルート(西九州ルート)
2011年12月に諫早駅から長崎駅までの工事認可申請許可の方針が示され、同区間についても着工の見込みとなった。
開業後は博多駅~新鳥栖駅~武雄温泉駅~長崎駅間でフリーゲージトレインが運行される予定となっているものの、他新幹線と比べ時間短縮効果が少なく採算性や並行在来線の分離問題等で賛否両論がある。
と言うか、簡単に言ってしまうと佐賀県にとっては時短効果がほとんどなく、どこかの「のぞみ」通過駅扱いされるのも明白で、その上並行在来線の第3セクター移行による負担増とデメリットばかりでメリットが無いも当然なので嫌がるのは当たり前なのである。
又、長崎本線自体も肥前山口駅~諫早駅間が単線状態である事、佐世保線に至っては全線単線且つ最高速度が95km/h、肥前山口駅の平面交差など設備面でも問題ある。
2018年になってフリーゲージトレイン導入が断念されたと報道されたが、新鳥栖~武雄温泉をフル規格で建設するには佐賀県の認可が必須であり、まだハードルは高い。当面は鹿児島ルート初期開業時のように乗り換え方式で凌ぐと見られる。
他にも、この区間は交流20kV電化区間であるため、在来線を改軌する方法(いわゆるミニ新幹線方式)の検討もなされている。
一方でフル規格での着工は、
- 並行在来線をJR九州が責任持って継続するか、長崎県か国がほぼ全額を負担して維持する。
- 佐賀県の地元負担の軽減、はっきり言うとほぼゼロでない限り首を縦には振らないと思われる。
- 速達列車の佐賀駅停車。
- 鹿児島ルートとの兼ね合いで新大阪・博多発着が出来るのか?
- 長崎ルート開業により本数が減少すると噂される熊本・鹿児島方面の本数問題。
と、これらのハードルを乗り越えることが求められる。
因みに新大阪への需要は長崎方面より熊本・鹿児島方面の方が言うまでもなく大きい。