概要
キン肉マンビッグボディとは、ゆでたまごの漫画『キン肉マン』に登場する超人。
CV:平野正人
運命の5王子のひとり。
開拓者ストロングマンに強力の神が乗り移り誕生した超人。「強力巨人」の異名を持ち、5王子一の巨体と怪力を誇る。その巨体は他の王子たちより頭一つほど高く、ギヤマスターからは「デカブツめ! 手繰り寄せるのに一苦労だ」と嘯かれていた。
アメフト風のプロテクターと、モトクロス用ヘルメット風のマスクが特徴。
劇中の活躍
キン肉星王位争奪編
強力チームを率いて王位争奪サバイバルマッチに参加した。
1回戦、会津若松城でキン肉マンスーパーフェニックス率いる知性チームと対戦。
しかしチームメイトはマンモスマンひとりに敗れ、自身はスーパーフェニックスのマッスルリベンジャーを食らい自慢のパワーを見せる暇もなく(アニメ版では少しだけ戦う姿が描写された)あっさりと敗れた(なお、石頭だったので死にはしなかった模様)。
やられる前に「オ・・・オレにもよくわからないんだ。強力の神にそそのかされてムリヤリ出場させられたんだ」などと弱音を吐くというヘタレっぷりをさらけ出していた。
もっとも、神に憑依される前から病床の母の慰めを真に受けて自分こそ真の王子と思い込んでいたり、親友とまで言える愛馬を殺してしまう程成り上がる事に執着していたり、不幸の連続から金持ちへの恨みに取り憑かれていたり、神の力無しではそのまま死ぬしかなかったりしたわけでもなく、野心など持たず開拓者として地道に仕事をしていた最中に、背後からいきなり強力の神が乗り移って王位継承者と告げて争奪戦に参加するよう洗脳したわけだから、大王になる事は別に本人の望みだったわけじゃなく、確かに強引にそそのかされたのも事実ではあり、その不幸を同情できる面は多いのが…。
ちなみにスーパーフェニックスはフェニックスマンの頃からテコの原理を応用することで自分より力の強い相手も倒す知性派ファイトスタイルで、強力による強硬ファイトが売りのビックボディにとっては天敵と言っていい存在であり、組み合わせの点でも不幸だったと言える。
作者によると始めからやられ役、要するにかませ犬として作られたキャラクター。デザインも安直のやっつけ仕事で、さらには技すらも考えてなかったとの事。
『闘将!!拉麺男』に登場する魔颶拏謀(マグナム)とそっくりなことからもやっつけ仕事具合がうかがえる。名前も作者の読み切り作品「勇者ビッグボディ」からの転用と思われる。
しかし、意外とファンが多かったらしい。
確かに、あまりにもスムーズかつスピーディーなやられ役ぶりや、争奪戦が何なのかよくわかっていないのに参加したという図抜けた呑気さ(?)はある種の突き抜けた個性を発揮していると言えなくもない。
なお、登場当初はその名の通り他の候補者よりも頭ひとつ抜けた巨躯を誇っていたが、フェニックス戦あたりになるとなぜかかなり縮んでいた。
オメガ・ケンタウリの六鎗客編
キン肉マンソルジャーを除く他の運命の5王子と共に東京にある国立超人博物館に展示されていた自らのマスクを強奪し、復活を遂げる。そして他の3人と共にサグラダ・ファミリアに向かい、オメガ・ケンタウリの六鎗客と対峙するキン肉マン達の前に姿を現した。
他の3人と共に六鎗客に宣戦布告すると、オメガの民たちに縁のある地へつながる黒雲へ飛び込み、中国紫禁城に設けられたリングでギヤマスターと対戦する。
このストーリーでは、かつてのへたれっぷりとは打って変わって、惨敗の苦い味を知ったことで、一皮剥けた豪胆なキャラとなっている。
序盤からジェノサイドギヤに放り込まれそうになるが、なんと回転するギヤに真正面から手をかけ、掌を出血させながらも強引に停止させ力づくで脱出する。
その後、ギヤマスターに王位戦の無残な敗戦を指摘され「ニセモノ」呼ばわりされてしまう(偽の王子という意味ではなく、他の候補と比べて実力不足というニュアンスだと思われる)。
その発言に静かに激昂し、「オレは王子としてはニセモノかもしれんが、この強力だけはホンモノだぁーーっ!!」と自身の怪力を誇示し、反撃を開始。
強力の名に恥じぬ重い攻撃で数度に渡り確実なダメージを与えるも、バランスを崩した隙をつかれ右足をギヤに食い込まされ、ダウンを喫する。
そして、ビッグボディのトラウマに付け込まんとするギヤマスターに、連続ヘッドバッドで空中に突き上げられてしまう。
かつての惨敗の記憶が蘇り、「オレの時間はあの技を喰らった瞬間から止まったままだ」と心情を吐露し、先の勢いを失ってしまう。
そのまま下で待ち受けるジェノサイドギヤに巻き込まれてしまう…かと思いきや、極めて有効と思われたギヤマスターのこの戦術は、結果的にはまったくの逆効果であった。
今お前にここで言いたい 「ありがとう」とな!
トラウマとなっていたことは事実であるが、ビッグボディはそれを過去の闇に葬らずに向き合っていたようで、ずっと克服の機会を狙っていたのだ。
意気を取り戻し、空中でギヤマスターを捕らえて「強力アトミックボム」を炸裂させ、窮地を脱するとともにトラウマをも乗り越えてしまったのだった。
(かつて試合をしたフェニックスにとってもこれは喜ばしいことだったらしく、モニター越しに笑みを見せていた)
そして序盤以上の勢いを発揮し(曰く「絶好調」)、再び両手でジェノサイドギヤを強引に止めに入る。
だが、ギヤマスターはそれに対抗するために「ギヤチェンジ」を敢行。
自身のギヤの内部に小型ギヤを複数発生させ(いわゆる遊星歯車状態)、さらに平面だった肩部分にも凹凸を出現させる「ハイパージェノサイドモード」に変形し、ビッグボディを返り討ちにする。
ギヤマスターの必殺技にあわや敗北かと思われたが何と凄まじい石頭でこれを逃れ逆に叩きつけた(つまり、フェニックスとの試合の後も気絶しただけで死んではいなかったと思われる)。
強力エクスプロイダーに耐え抜いたギヤマスターだったがリング状に舞う何かを見たビッグボディは「最後の賭け」に出る。
「強力ジェットトルネード」で紫禁城に降り注いだ黄砂を集めて砂の球を作り、それをギヤマスターのジェノサイドギヤに投げ入れるというものだった。
投げ込まれた砂により、ギヤマスターのギヤは完全に回転が止まってしまう。ビッグボディの賭けは成功したのであった。
そしてビッグボディは、強力チームの仲間たちの思いとともに、遂にあの技を繰り出した。
「メイプルリーフクラッチ」を!!
キャンバスに叩きつけられたギヤマスターはギヤが完全に破壊され失神。
ビッグボディは勝利を収め、かつてスーパーフェニックスから受けた屈辱から名誉回復を果たした。
その後、ギヤマスターは軒轅星に押しつぶされて絶命するのを目の当たりにし、ビッグボディは空を見上げてこう言う。
本当に不公平だ 神ってヤツはな
調和の神編
超人の駆逐を目論み下天した12人の「超神」と最初に対面。「地上における超人の役目は終わった」と告げる調和の神に「役目が終わってんのはお前ら神様のほうじゃねぇのか」と応酬する。
そして「地上の超人達と超人の神々のどちらが不要な存在なのか」を確かめる戦いこそ彼らの本意であることを聞かされ、超神の一番手・ランペイジマンと対峙する。
人物
概要にある通り、王位争奪戦時はやられ役に過ぎなかったために人物像がほぼ不明のままであった。
敢えて言うなら、強力の神に憑依される前のストロングマンの時に働き者で子供たちからも頼れるお兄さん的な一面くらいしか人物面の描写はなかった。
そのため、オメガ・ケンタウリの六鎗客編で30数年越しに本格的にキャラクターとして成立したと言っても過言ではなく、ある意味新シリーズからの新キャラとさえ言える。
豪快なファイトスタイルに違わず陰のないさっぱりとした性格。
根が正直なのか相手の煽りには反応してしまうものの、それで激昂したり取り乱すようなことはなく、王位編の情けないイメージとは裏腹に豪胆な人物であった。
また、ただ豪胆なだけでなくギヤマスターからの自身への罵倒を不安の裏返しと看破したりなど、意外な洞察力の高さも見せていた。
ただし、ギヤマスターの回転するギヤ(当然凶器である)をまったく警戒することなくガンガン組み付いていく様子などは勇敢を通り越して無謀の域に達していたりと、豪快すぎて危なっかしい部分も多い。
ギヤマスターが軒轅星に押しつぶされた時には敵である彼の身を案じるなど、正義超人然とした人の良さが垣間見える。また、今回の参戦には自身のみではなく、自身の活躍で強力チームの評価を好転させたいと言う再燃の意思がこもっており、むしろ自身より誰かのために戦うときに本領を発揮するタイプなのだろう。
そうした意味では王子たちの中ではスグルに最も近い性質であるのかもしれない。
実際、後にランペイジマンとの会話で神についての話になると「オレみたいなバカには正直もう区別がつかねぇぜ」と首を振っており、頭はあまり良くないようである。
また、ランペイジマンがビッグボディの預かったカピラリア欠片について問いただすと下手な芝居でシラを切るも、ランペイジマンが「カピラリアの欠片」を取り出してかまをかけると、大袈裟に反応してあっさり隠していたことがバレてしまっている。おまけにその時思わず漏れた台詞に至っては「しまった、慌ててつい……」もはや萌えキャラである。
また、メイプルリーフクラッチ初披露の際に強力チームの名を呼び「見ているか!」と発言したことからすると、チームメンバー間の仲は良好だったようである。その後命懸けでキャノン・ボーラーらチームメンバーがビッグボディを救いに来た辺り、固い絆で結ばれていることが描かれており、彼等もある意味友情パワーで結ばれた仲と言えるだろう。
強力の神の事については、かつて自分を唆して王位争奪戦に無理矢理参戦させた挙句に知性チームの咬ませ犬として使い捨てにした事に対して恨みを持っているのか、『クソヤロー』と呼び捨てにしている。だが調和の神たちと対峙した際には超人殲滅計画を阻止するために情報を伝えてくれた事と、どんなに邪悪でも調和の神のように「超人を皆殺しにしようなんて言ったりしない」と、良い部分を認める発言もしており、一定の信頼は置いているようである。
戦闘スタイル
オメガ・ケンタウリの六鎗客編で満を持して本格的な試合描写が展開された。
傷付く事も辞さずに自慢の強力で相手の攻撃を受け止め、時に跳ね返し、パンチや体格を活かした体当たり系の単発の打撃中心に攻めていき、攻守ともにシンプルに強力で突破するスタイルで洗練された技術を駆使する他の5王子とは対照的。
敢えて技を止めずに肉体で跳ね返すスタイルは登場した超人の中ではガンマンに近く、真っ向からパワーで打開する一方で、迂闊に飛び込んで反撃に遭う事もあり悪く言えば雑な印象を受ける。
元々格闘技とは無縁の単なる開拓者であるため、レスリング技術に疎いのだろうか?
反面その「強力」の異名は伊達ではなく、本人の言う通り「本物」である。自身と同格の巨漢であるギヤマスターをリフトアップしたまま上下させる、パンチで鉄柱を飴のようにひしゃげさせる(防御力が自慢のギヤマスターが回避を選択した程)など、規格外の怪力を誇っている。
ゲーム
ゲーム「キン肉マンマッスルグランプリ2」においてキャラクターの一人として登場。原作ではほとんど戦うことなく倒されてしまったが、本作では多くの捏造要素を引っさげて参戦する。
原作では名前のみの登場だった「メイプルリーフクラッチ」が公式としてお披露目されたのは、実は本作が初。この時の技の組み方が原作でも採用されている。
加えてまさに強力の申し子と言うべき凄まじい力押しの新技「マッスルインパクト」も披露した。これは勿論三大奥義ではなく、キン肉万太郎のように単なる技の名前といったところ。
また、それ以外の多くの技には「強力」と名が付くものが多く(強力スイング、強力ドラゴンスリーパーなど)、このネーミングも新シリーズにおける必殺技の数々に逆輸入される形となった。
なお、攻撃力は高い(ゲーム中最強クラス)が技の隙は比較的少なく、意外にもパワーキャラとしてはスタンダードに扱いやすい設定となっている。その代わり原作初期と同じく体が大きめにモデリングされている。
これだけ見ると強そうに見えるが、原作であっさりやられたためか体力がとても低くベンキマン以下である。的がデカイためむしろそちらよりも防御力は低いとすら言える。
また、このゲームには瀕死になると選択したステータスが一つ上昇する「火事場のクソ力システム」があるが、相手が攻撃強化を選んでいた場合、攻撃補正によって基本技ですら致命傷になる。
相手を追い詰めていたビッグボディが、強化補正付きの超必殺技を受けて瀕死からの追撃で大逆転負けという流れは、このゲームではお決まりである。
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強力チーム ペンチマン レオパルドン ゴーレムマン キャノンボーラー