データ
身長: | 47メートル |
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体重: | 3万6千トン |
ジャンプ力: | 800メートル |
走行速度: | マッハ8 |
飛行速度: | マッハ9.99 |
水中速度: | マッハ5 |
地中速度: | マッハ4 |
腕力: | 90000トン |
握力: | 80000トン |
年齢: | 7900歳(8700歳?) |
出身地 | M78星雲・光の国 |
CV: | 龍谷修武(『ウルトラマンマックス』本編) |
岩崎諒太(『UGF・大いなる陰謀』) |
※この内、腕力と握力は後述のUGFに合わせて、海外向け公式Twitterで公開された。
概要
初登場作品は『ウルトラマンマックス』。物語中盤から登場…というより、本編第13話と最終話の2話しか登場していない。
ゾフィーやウルトラの父、アストラ、ウルトラマンキングなどと同じく、看板作品を持たず、人間体も存在しないキャラクター。
出番こそあまり多くはないが、隠れた人気を持つキャラクターである。
戦闘力は少なくともパワーではマックスを上回っているようで、マックスのパンチやキックさえ全く通じなかったゼットン相手に格闘戦で怯ませたり、攻撃を受けて一度は倒れても次の攻撃は見切って回避するなど、かなりいい勝負をしている。公式にはマックスと同等の戦闘力とされており、一部児童書ではマックス以上とも表現されていたりもする。
人物
出番が極端に少ないため、彼が具体的にどんな立場で、どんな性格なのかは、実はよくわかっていない。僅かながらマックスと会話するシーンがあり、その様子から少なくとも本編の時点でマックスとは知り合いであった模様。
マックスと同じ文明監視員であったと公式に設定されており(『ウルトラマン列伝』の公式HPのキャラ紹介等)、リブットは後輩に当たる。
意図は不明だが、マックスの規則違反(本来ならマックスは、地球の文明には干渉しないはずだった)を特に咎めておらず、そのまま地球を託している。このことから、そこまで頭の固い人物ではないらしく、それなりに融通が効くことも推察できる。列伝のキャラ紹介ではゼットンに苦戦するマックスのためにわざわざ地球に訪れたような書き方をされていた他、前述の列伝の公式HPではマックスと深い友情があったと記されている。
また、劇中では、ずいぶん野太い声でしゃべっていたゼノンだが、実は7900歳。
7800歳(人間換算で20後半から30前半)のマックスとほぼ同年代で、しかも8000歳の80よりも年下である。結構若いのだ。
ちなみに書籍『語れ!ウルトラマン』やウルトラマンの海外Twitterでは8700歳と設定されてるが、どちらにしても光の国のウルトラマンとしてはそこそこ若い方である。
活躍
第13話「ゼットンの娘」
地球侵略をたくらむゼットン星人が、その手先であるゼットンを召還。チームDASHが応戦するが、強固なバリヤーゼットンシャッターの前に攻めあぐねる。駆け付けたマックスもそのパワーに圧倒され、死力を尽くして放ったマクシウムカノンもシャッターにヒビを入れるにとどまり、エネルギーを切らしてしまう。
絶体絶命のその時、赤い光をまとってウルトラマンゼノンが現れた!その華麗な身のこなしでゼットンと互角の格闘戦を展開。
しかし、トドメと言わんばかりに放ったゼノニウムカノンはシャッターに傷一つ付けられずに終わってしまった(もっとも、ゼノンの場合は発射時間が短かったため、防御されたのですぐに作戦を変更した可能性が高い)。対抗手段としてマックスギャラクシーを召喚するもゼットンに妨害され、そのままギャラクシーはマックスが装着、新技ギャラクシーカノンでゼットンを撃破。
その後ゼノンは、地球に正体不明の宇宙戦闘機が迫っていると知らせてどこかへ去っていた。
ゼノン自身がマックスギャラクシーを使うことはなかったが、使用者として相応しいと考えたのか、そのままマックスに譲っている。
なお、この一連のシーンだが、マックスにギャラクシーが装着された際にゼノンがまるでその事に驚いた様に振り向くという流れは良くも悪くも語り草となっており、エイプリルフールなどで大いにネタにされた。
資料においては基本的にマックスに託したとされているが、描写としてはどう見ても偶然装着された様にしか見えなかった事も拍車をかけたと思われる。
そういった事もあってか、『列伝』では編集で直接託すように見えるようフォローされた事も。
最終話「つかみとれ!未来」
ついに地下にまで影響を及ぼし始めた環境破壊の原因たる人類に攻撃すべく、地底文明デロスはバーサークシステムを起動する。それを止めるためにエネルギーが限界の中立ち向かったマックスは、ギガバーサークに敗れ、捕えられてしまう。しかし、カイト隊員たちがあきらめずに実行した作戦によって、マックスは見事復活。その秘めた力を存分に発揮し、ギガバーサークを撃破した。
その後、マックスはカイト隊員と分離して地球を去る。ゼノンはその迎えに来ており、二人で光の国に帰還した。
以上が、彼が『マックス』内で見せた活躍のすべてである。
その後の活躍
『ウルトラ銀河伝説』ではマックス共々出演しているが、ベリアル相手にネオス、セブン21とトリオで挑むも蹴散らされたり、その後もほとんど映らなかったりと、あまり良い扱いを受けているとは言えなかった(これはマックス含める他戦士も同様だが)。
ちなみにやられる際にはド派手に吹っ飛んで大開脚を晒すなど妙な目立ち方をしていた。
『ベリアル銀河帝国』にもほんの僅かだが登場しているため、登場すらしなかったネオスやセブン21たちよりは扱いが良かったとも言えるか。
『新ウルトラマン列伝』最終回のオールウルトラマン集合の中にもれなく彼も登場した。またマックス最終回もピックアップ放送されている。
その後は全くと言っていいほど映像作品で登場せず、彼の少なくないファンが再登場を待ち望んでいたのだが……
以下、ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀のネタバレ注意!
「まだいけるな?マックス」
「ああ、勿論だ!ゼノン!!」
第3話にてまさかの再登場。
ゴーデス細胞を吸収して強化されたマガオロチが孵化し、しかもマックスはエネルギーのほとんどを吸収されて満足に闘えないという絶体絶命の状況(パワード曰く「最悪の組み合わせ」)に置かれていた中、突如マックスギャラクシーが飛来。装着されるとマックスのエネルギーを回復させる。
「まさか…!」とマックスが驚いている所に颯爽と駆け付け、上記のやり取りを交わした後、共闘する。
戦闘ではマックスと息の合ったコンビネーションを見せ、ゼノニウムカノンでマガオロチにダメージを与えて怯ませ、マックスとリブットに必殺技を放つための隙を作る等活躍した。
『マックス』本編ではそれぞれ別々に戦闘していたため、何気に2人がコンビを組んで戦う様子が描写されたのは今回が初めてだったりする。
最終的にトドメこそマックスとリブットに譲ったものの、マガオロチの孵化とマックスのエネルギーが僅かという最悪の状況で、マックスを回復させて全員がまともに戦える状態を作り、ピンチを一気に逆転させるきっかけを作ったことから今回の彼の貢献度は高く、初白星と言えるだろう。
本作ではリブットがかつて文明監視員であったことや、その縁でマックスと共演する事が発表されており、これによりゼノンの活躍も予想されていたが、前情報ではゼノンに関する情報は一切なかった(登場した第3話のOPにもゼノンの名前は全くクレジットされておらず、完全にシークレット扱いとなっていた)。事前情報がなかったことから、登場前は「親友の危機に何をしているんだ」などと言った厳しい意見も寄せられ、リブットやゾフィー達がマックス救出を最優先に行動していたことから、そのような意見は徐々に増えていったが、本作では告知なしのサプライズ登場をするキャラクターも多かったため、サプライズでの彼の登場を期待する声も少なからず存在した。そして、満を持しての登場にファンが大いに盛り上がったことは言うまでもない。
一方で察しの良い視聴者からは、今回の『大いなる陰謀』で観られた『登場ウルトラマンの紹介カット』が、第1話で既に登場していたマックスには第3話まで無かった事から『ゼノンと同じタイミングで流れるのでは?』という意見もあり、伏線らしいものはあった。
配信当日は同じく同エピソードの隠し玉であったウルトラマンレジェンドと並び(こちらはコスモス役の杉浦太陽氏のコメントからある程度登場を予想されていた)、“ウルトラマンゼノン”や“ゼノンさん”というワードがTwitterのトレンドトップに躍り出るという快挙も達成した。また、かつて『マックス』で主人公トウマ・カイトを演じた青山草太氏もTwitterアカウント上で反応を見せている。
ちなみに、一部視聴者からは、宇宙警備隊の作戦とは別に、親友を助けたいという個人的な動機で行動していたのではないかという考察がされている(あくまで一考察であり、公式で明言された訳では無いので注意)。
実際にマックス救出作戦の会議の場や、一連の事件が解決した後の状況報告の場面にもゼノンの姿は見られない。
今回の彼の行動を見る限り、リブット達ならマックスを助けられるという前提と、「マックスは助かった後に絶対にそのまま戦おうとする」ことを予見して、マックスギャラクシーにエネルギーを入れておいたのではないか、とする考察も挙げられている。
いずれにせよ、ゼノンのマックスやリブット達に対する信頼は絶大であると言えるだろう。
また、今回の描写を見る限り、マックスギャラクシーは一度ゼノンに返却されていたものと思われる(もっとも、マックスギャラクシーは召喚するアイテムなので、マックスが捕らわれている間にゼノンが呼び出していたともとれる)。
加えて言うなら、現時点で「ギャラクシーはゼノンの装備」という明確な設定はないので。
今後の登場作品で「元からマックスの装備で、マックス本編前にゼノンに預けていた」「文明監視官全員の共有装備」等の設定が出ても矛盾しない。
必殺技・能力
- ゼノニウムカノン
両腕を逆L字に組んで放つ必殺光線。マックスのマクシウムカノンと同等の威力がある。
ゼットンとの戦闘時に放ったが、ゼットンシャッターで防がれてしまった。
『UGF』客演時にはマガオロチに放ってダメージを与えて怯ませ(本編では防がれたために15年越し2度目の使用でようやく相手に命中したことになる)、マックスとリブットが必殺技を発動させるための繋ぎ技として使われた。
- マックスギャラクシーを召還する光線
そのまんまである。名称は不明だが攻撃技ではない模様。
余談
見た目はウルトラマンメビウスに似ていないこともないが、特にデザイン案を流用したなどと言った話はなく、類似性についてもデザインを担当した丸山浩氏自身が完全に否定している。しかし、パネル上のディテールはメビウスに取り入れられている。
実際のモチーフ・原案はウルトラマンメロスで、版権の関係でメロスを出せなかったために新キャラクターであるゼノンとなった。
名前の由来は『ウルトラマンマックス』の初期タイトル案『ウルトラゼノン』から。また、仮名称は「ゾファー」で、便宜上ではゾフィーのように登場させる予定で、初稿では、タロウタイプや初代ウルトラマンタイプ、トリプルファイターのようなデザインも描かれていた。
カラータイマーはウルトラマンダイナのものを改造して取り付けている。
『マックス』でスーツアクターを担当したのはフランス出身の外国人スーツアクターのケフィ・アブリック氏。
演じた回数は少ないながらも氏にとっては思い出深い存在らしくゼノンのポスターを飾っていた。
声を演じた龍谷はウルトラマンジャスティスやメトロン星人(RB)の声を演じている。
低くとも爽やかで透き通った声をしているジャスティスとは対称的に、ゼノンは野太い声をしているのが特徴。
『UGF』で声を担当した岩崎諒太は「皆のお兄さんのようなイメージで演じた」とのこと。なお、岩崎氏はこれ以前にもアニメ『かいじゅうステップワンダバダ』でクレロンちゃんを演じたことがある。
ちなみに映像作品でのゼノンセリフは上述した『大いなる陰謀』Chapter 1までに「正体不明の宇宙戦闘機が、地球に来ている」 「敵は4機だ。地球を頼む」 「まだいけるな? マックス」の三つしかない(これも彼の人となりを知る手段が少ない理由にもつながっているが)。一応、「【ウルトラマン基金】マックス&ゼノン&ネクサスからのメッセージ」等も含めるともう少しセリフは存在する。
『マックス』放送当時はファンから「平成のゾフィー」と呼ばれたこともあったが、あくまでマックスとは同僚同士という間柄であり、隊長キャラというわけではないため、現在ではあまり使われていない。
むしろ、活躍の場が少なく、だいぶマイナーなキャラであったため「平成のセブン上司」などとネタにされることもあった。彼が一体何をしたというのか。
マックスで2回しか出番がなかった原因はメインライター曰く「誰か使うだろうと思ってたら誰も使わなかったから」とのこと。
これはマックスの作風が毎話毎話パラレル展開のオムニバス形式であり、ライターの自由な発想で世界観を築いていくという事も影響していると思われる。
こういった作風によりマックスは自由度の高いシナリオで高い評価を得ている回も多いのだが、ゼノンにだけはこれが逆作用してしまったとも言えるかもしれない。
マックスギャラクシー等、うまく使えば本作独自の魅力になったと思うと勿体ない話である。
ただ。一方で「第13話ではマックスのピンチに駆けつけたが。以降はどんなピンチにも現れなかった。何があっても、マックスと地球人を信じて宇宙から見守っていた」
そんな処に彼の魅力を見たゼノンファンというのも少なくない。
関連項目
ウルトラマンリブット:文明監視員の後輩。