概要
武者七人衆編から始まったSD戦国伝シリーズの完結編でもある。今回のエピソードでは、風林火山編のラストで武者荒烈駆主が「八紘の陣」に突入した際、突如見知らぬ土地へ飛ばされてきたのが全ての始まりとなる。
今作では、後に武者七人衆編で登場する武者の父親、後に登場する武者の過去の姿に該当する武者が多く登場するのが特徴だが、それ以上に武者荒烈駆主が過去の歴史を改変するというのが、ある重要な要素として関係している。
そしてこの作品でSD戦国伝は一端の完結を迎え新しいシリーズへ移行する事となる。
あらすじ
闇皇帝との最終決戦の際、八紘の陣に突入した際に見知らぬ土地に迷い込んだ武者荒烈駆主。
そこで鳳凰頑駄無と雷頑駄無の兄弟と出会い、その際二人の持っていた「地の鎧」に選ばれそれを継承、新荒烈駆主へと変身する。そして彼らと共に、世界支配を企む暗黒軍団と戦うことになるのだった。
その戦いの最中で、荒烈駆主は自分が飛ばされた場所が「風林火山の戦い」から45年前の世界である事を知っていく。
そして歴史を変える時空を超えた戦いと発展していった。
頑駄無軍団
暗黒軍団から世界を守る為に鳳凰と雷の兄弟を中心に戦う武者軍団。
後の時代の頑駄無軍団とは異なり、殺駆一族や異国の武者である武神頑駄無などが参加している同盟軍的な編成である。また、この軍団の構成員の多くは後の戦いに参加した武者たちの父親の若き姿であり、本来の歴史では暗黒軍団に蹂躙され倒れていった。
頑駄無三武将
「天」「雷」「地」の天空三武将の鎧を受け継いだ武将。頑駄無軍団のメインとなる武者たち。
新荒烈駆主<ネオアレックス>
過去の世界に飛ばされた武者荒烈駆主が地の鎧を纏った姿。漫画では記憶を失っていたが黒魔神出現に際して記憶を完全に取り戻した。
荒烈駆主が出世した姿。
天の鎧の継承者である武者。頑駄無軍団の中心人物。
モチーフはガンダム5号機
鳳凰頑駄無が出世した姿。
鳳凰の弟で雷の鎧の継承者。兄と共に地の鎧の継承者を探していた際に荒烈駆主と出会い共に戦う。
兄の片腕として軍団を支えていた。愛馬は雷丸。
雷帝の神器は電気エネルギーをパワーにする事ができる。
実は、彼は後の将頑駄無であり、本来の歴史に於いて暗黒軍団との戦いで兄を失った後、一時期は農民へと身をおき、二人の息子(後の武者頑駄無と農丸頑駄無)と兄の遺児である雷凰頑駄無(後の二代目頑駄無大将軍)、武者百士貴と共に暮らしていた。そして息子や仲間達と共に頑駄無軍団の再建を行う事となる。
モチーフはガンダム4号機
幹部
武神頑駄無<ブジンガンダム>
異国からやって来た戦士。戦いに居合わせた事がきっかけで頑駄無軍団に加勢する。
独特の武術で暗黒軍団と戦う。その名前は武芸を神業のごとく華麗に扱うから。
弓の達人で、家宝の「邪滅の矢」を雷に託して初代大将軍誕生に貢献した。
後に武士の家の娘と結婚した。そして彼こそが武者精太頑駄無の父なのである。
百ノ進<ヒャクノシン>
頑駄無軍団の参謀であり優れた技術者。予言書の「光の巻」を解読し、武者璽威武装の開発を行ったりと勝利の道しるべを作った。
後に貴族となり名前を字音太君<ジオンダイクン>と改名。武者百士貴と百鬼丸の父親であるが後に闇皇帝に殺害される。
殺駆<ザク>
殺駆頭の若かりし頃の姿で頑駄無軍団に協力する殺駆一族の頭領。この頃はまだ正義の武人であった。
雷頑駄無とは幼馴染であり国を越えた友人。黒魔神との戦いで雷頑駄無をかばって傷を負い、眼帯を付けるようになった。またこれがきっかけで雷と強い友情が芽生えたとか。
後に時穏の国の元首となるがかつての敵である黒魔神こと闇皇帝に操られる羽目になってしまう。
モチーフはザク
構成員
この頃の頑駄無軍団は突忍隊と火忍隊と下忍隊の各部隊が存在しており、それが後の戦いの各忍軍の前身となった。また殺駆一族の武者も存在している。
玄人斗 吏・我髄<プロトリ・ガズィ>
突忍部隊の隊員。槍の達人であり、俊敏な動きと鋭い攻撃で敵を圧倒する。その実力は頑駄無達に匹敵する。
後の時代に活躍する吏・我髄の父親。
モチーフはリ・ガズィ・カスタム
玄人斗里空出伊鮮姿<プロトリックディアス>
火忍部隊の隊員。頑駄無達にも匹敵するほどの怪力を誇るパワーファイター。
里空出伊鮮姿の父親。
頑巨砲<ガンキャノン>
火忍隊の隊員。両肩の大砲を駆使しての後方射撃を得意とする武者。後の大戦でも引き続き頑駄無軍団に属しており頑戦車<ガンタンク>とコンビを組む。
モチーフはガンキャノン
玄人斗璽武<プロトジム>
火忍部隊の足軽たち。玄人斗暴留との連携で敵を翻弄する。
後の璽武と璽武通の先代で父親だとも言う。
玄人斗暴留<プロトボール>
下忍軍団の下級兵士。後の暴留の先代で同じように集団戦法を得意とする。
しかし流石に敵を倒す事は難しく混乱させるのが精一杯の縁の下の力持ち。
初代殺駆三兄弟
殺駆に仕える三兄弟。技連<ギレン>、怒鋭<ドズル>、駆舞<ガルマ>の3人。
尚、この3人の内、誰が古殺駆達の父親なのかは不明。
モチーフはザビ家の3人。
武者璽威武装<ムシャジーアーマー>
光の巻に示された設計図を基に百ノ進が開発した支援メカ。時空を超える事が出来るタイムマシンであり、荒烈駆主を元の時代に送り返した。そして歴代大将軍を連れてきて天下統一に大きく貢献したある意味陰の功労者である。
モチーフはGアーマー
影荒烈駆主<カゲアレックス>
現代で生き残っていた頑駄無軍団の武者。荒烈駆主の影武者で以前の武者影頑駄無みたいな武者。八紘の陣以降の天地城を守っていた。
現代に戻って来た荒烈駆主に現代で起こった最悪の事態を伝え、三代目大将軍の遺言を託す。
アスの影である月<ルナ>の星を宿すと言う。剣技も負けず劣らずの腕である。
頑駄無四獣王
天空四天王の力を受け継ぎ、更に獣の心と一体化する事で、獣の力を己の者とした4人の武者たち。
後の風林火山四天王のメンバーたちの父親である。
獅子頑駄無<シシガンダム>
千尋の谷に住む獅子の化身と言われる武人。守護獣は白獅子。
初代大将軍と雷の正義の心を認めて「瞬発の銃」を授け、龍鳴寺へ向かうよう告げた。
武者駄舞留精太頑駄無の父親。
龍頑駄無<リュウガンダム>
龍の化身と言われる武者で龍鳴寺の住職。紅龍が守護獣。
訪れた初代大将軍に「神秘の槍」を授け、犀の河原へ向かうよう告げた。
後の武者仁宇頑駄無の父親だが何故か亡くなった模様(闇皇帝の仕業!?)。
犀頑駄無<サイガンダム>
犀の河原に住む犀の化身たる武者。「豪力の楯」と呼び子笛を授け、舞鳥峠で笛が木霊するところを探せと告げた。守護獣は紫犀。
隼頑駄無<ハヤブサガンダム>
隼の化身。舞鳥峠に住んでおり、やって来た初代大将軍に「飛翔の剣」と頑駄無結晶の力を完全なものとする方法のヒントを授けた。
守護獣は青隼。
彼こそが武者頑駄無摩亜屈の父親である。
若武者隊
武者頑駄無ら武者七人衆の若かりし頃の姿で初代大将軍が死亡した後に暗黒軍団討伐で活躍した。通称七人の頑駄無。武者頑駄無以外は、皆、後の姿に比べ軽装な感じの鎧である。
暗黒軍団壊滅後は各地へ修行に赴いた。
武者頑駄無
彼だけはこの頃から現在知られている姿である。
農丸頑駄無の若武者時代の姿。まだ鎧も軽装であった。
この頃から二刀流である。
若武者時代の武者頑駄無摩亜屈。名前は今と違って若隼頑駄無と言う。
父親隼頑駄無と共に隠れ里に住んでいた。一時期若武者隊に属していたが後に狩人になった。
武者精太頑駄無の若い頃の姿。まだこの時は緒羅四恩と出会っていなかった。
武者駄舞留精太頑駄無の若き頃の姿で名前は父の名前を受け継いで若獅頑駄無であった。
彼もまた若武者隊の隊員だった。
武者仁宇頑駄無の若武者時代。死んだ父の名を受け継いで若龍頑駄無と言う名前で山寺に預けられていた。
山賊になる以前、若武者だった頃の武者斎胡頑駄無。暗黒軍団壊滅後に何故山賊となってしまったのかは不明。しかし後に若龍頑駄無こと武者仁宇の手で改心した。尚、この頃の弟の武者砕虎摩亜屈に付いての情報は不明。
暗黒軍団
黒魔神に率いられる悪の武者軍団。
黒魔神の側近である龍将と飛将を中心に電撃部隊、機動爆撃部隊、飛忍、下忍などから構成される。実はこの暗黒軍団こそ黒魔神の未来の姿である闇皇帝率いる後の闇軍団の前身となった組織であり、生き残った一部のメンバーが闇軍団に加わっていた。
黒魔神<クロマジン>
暗黒軍団の支配者。実は闇皇帝のかつての姿である。
黒魔神闇皇帝
黒魔神が未来の自分である闇皇帝と合体した姿。
龍将<リュウショウ>
黒魔神の側近で暗黒軍団の左大臣。空中戦を得意としている。
モチーフはバウ
飛将<ヒショウ>
龍将と同じく黒魔神の側近。地上の高機動戦を得意とする暗黒軍団の右大臣。
モチーフはズサ
龍将飛将
頑駄無三武将に倒された龍将飛将が黒魔神闇皇帝の力で復活し、そして龍飛変幻で合体した形態。
前よりもパワーアップしており、頑駄無軍団を苦戦させた。
飛駆塞虫<ビグザム>
暗黒軍団の切り札とも言うべき巨大移動要塞メカ。龍将と飛将が操る。
中央部のビーム砲と無数の大砲を装備しておりそれらで各地を破壊していった。
しかし足が弱点である。
ビグ・ザムがモチーフ
怒宇勉狼<ドーベンウルフ>
雷撃部隊隊長。卑怯な振る舞いを嫌う暗黒軍団でも一番の武人と言われる。
この時代では多数の同族がいたが戦いの果てに一人を残して全滅、その後、闇軍団に参加したがどの指揮系統にも頼らない1匹狼となる。
モチーフはドーベン・ウルフ
刃威悪乱<バイアラン>
雷撃部隊副隊長。武人の鑑ともいえる生真面目な性格で、上下関係を重んじる。
鳳凰頑駄無達を襲撃するも失敗、龍将の操る飛駆塞虫の攻撃で処刑されてしまった。
モチーフはバイアラン
虐風乱<ギャプラン>
飛忍。優れた飛行能力を持ち、両腕の楯の先端部から針状の散弾を発射する。
勝利のためには手段を選ばない冷酷な卑劣漢。
ギャプランがモチーフ
滅殺荒<メッサーラ>
虐風乱と仲のいい飛忍。彼とのコンビネーションと両肩の大砲で頑駄無軍団を苦しめた強敵。
モチーフはメッサーラ
我憎霧<ガゾウム>
機動爆撃部隊の隊員。強力な機動力と重武装が特徴。
ガ・ゾウムがモチーフ
我坐士伊<ガザシイ>
機動爆撃部隊の隊員。砲座に変形し、背中の大砲で後方支援攻撃を行う。
この大戦を生き延びた者たちは後の闇軍団では悪沈一族の下忍となった。
モチーフはガザC
狩刃電威有破<ガルバルディアルファ>
下忍部隊隊長。下忍の中では格上で我流速侍影らを束ねる。複数いる。
後の闇軍団にはいなかったことから全滅したらしいがとあるリストでは闇軍団下忍軍団に所属している模様。
ガルバルディαがモチーフ
我流速侍影<ガルスジェイ>
暗黒軍団の下忍たち。沢山いて戦闘員として活動する。後に闇軍団に編入され、雑魚が入隊するまでは一番格下の武者であった。
ガルスJがモチーフ。
天下泰平編
映画『機動戦士SDガンダムまつり』の一編として1993年3月13日に公開された劇場版アニメ。
四代目頑駄無大将軍を主人公とした天下統一編の後日談に当たる物語である。ただし少しパラレルな所もある。
ストーリー
黒魔神闇皇帝が滅びた事で戦国時代は終わり、泰平の世が来た。4人の歴代頑駄無大将軍と殺駆頭はそれぞれ5つの国を平和に治めていた。ある日、四代目頑駄無大将軍は武者風雷主らかつての同僚達や養父農丸頑駄無からお見合いをしろとうるさく言われた事に嫌気がさして城から逃げてしまう。
そして飛び出した後に「平和な世にもう武者は必要無いのか」と悩む四代目は不思議な鳥から於雄得山に住む鬼たちが人々を苦しめていると言う話を聞いて鬼退治に向かう事を決意するが、どうあってもお見合い相手を決めさせようとする各大将軍と殺駆頭、その家臣ら達までもが同行する羽目に・・・
登場キャラクター
ガベ子
花見から逃げ出した四代目頑駄無大将軍が出会った娘。戦いは戦いを呼ぶと言って彼を諭す。
鬼将軍に人質にされるも殺駆頭に救出された。後に四代目頑駄無大将軍と結婚したようだ。
モチーフはガーベラ・テトラと思われる。
鬼たち
於雄得山に救う鬼たち。村人に化けてやって来た大将軍達を歓迎するが花火で酔いつぶれて寝入る武者たちを一掃しようとする。
しかし歴戦の勇士である彼らは酔っても強かったため成敗されてしまった。
鬼将軍
武者たちを抹殺して武者の時代を終わらせようとする鬼達のリーダー。酔いが回って動けなくなった歴代大将軍達を倒そうとし、加勢に来た四代目頑駄無大将軍に対してガベ子を人質に取った。だが戦えばせっかくの泰平が台無しになると悩んだ四代目に「やる気あるんかい!!」と怒って雨を降らせた為に3人の大将軍が復活し、四代目は3人の激昂を受けて奮起し、人質も殺駆頭に救出され、形勢逆転し、4人の頑駄無大将軍の合体技で敗れ去った。
実はこれらは全部、宇宙の善のエネルギーの結晶であり頑駄無一族の守り神でもある結晶鳳凰が旅立つ際に頑駄無軍団に行った最後の試練であった。
結晶鳳凰は「平和は守ってこそ続くもので怠惰な暮らしは悪を育む」と頑駄無軍団に教えた後、どこかへ去って行った。
モチーフはジオング
余談
本作はゲームボーイ版のゲームがリリースされている。