すべては『恐怖』のために
概要
2017年1月26日に発売された、バイオハザードシリーズ本編ストーリーの第7弾。メインシリーズの中では第11作目となる。シリーズ20周年を記念する作品でもある。対応ハードはPS4・XboxOne・PC(Steam/Windows10UWP)となっている。
フルタイトルは『BIOHAZARD7 resident evil』。Resident Evil(レジデント・イービル)は、海外におけるバイオハザードのタイトル名であり、レジデントは「居住者」、イビルは「悪」を意味する。逆に海外版は『RESIDENT EVIL 7 biohazard』となっている。
本作は『通常版』とゴア表現の強い『グロテスクバージョン』があり、グロテスクバージョンはバイオハザード4以来となるZ区分(18才以上のみ対象)となっている。
本作は発売後、全世界で出荷400万本を突破しており、『5』『2』に次ぐ歴代シリーズ第3位の売上を記録している。
更に本作の発売年の12月14日において、それまで配信されたDLCや新エピソードが追加された『バイオハザード7 ゴールドエディション』が発売された。
2018年5月にニンテンドーSWITCHにおいてバイオハザード7のクラウドバージョンが発表された。これはクラウドサーバーに接続して有料でプレイする仕様となっている。注意しなければいけないのが、クラウドバージョンは通常版ではなくグロテスク版である為、『Z区分(18歳以上のみ対象)』になっている。
外伝のDLCについては『NOT A HERO』『END OF ZOE』。続編については『バイオハザードヴィレッジ』を参照にて。
詳細
「新生バイオハザード」と銘打たれた本作では、徹底した「ホラー体験への回帰」がコンセプトに掲げられている。それまでのシリーズでは、作品を追うごとに舞台の規模が大きくなり、アクションゲームの色が強くなっていた。ところが今作の舞台は初代バイオハザードの洋館事件を思わせる、片田舎にある一件の薄暗い不気味な廃屋であり、まさに原点回帰と言える作風となっている。そのためか、タイトルロゴも4以前の形状に近い。
PVや体験版が発表された当初は、前作と打って変わった恐怖心がかき立てられる内容が大変話題となり、ファンからは「俺の知ってるバイオじゃない!(汗)」という声もあがっていた。
更に、本作はシリーズ初のFPS視点のプレイ画面であり、それが廃屋の中の風景と重なって、「そこを歩く」という恐怖が表現されており、バイオハザード4以来の大きなプレイスタイルの変貌を遂げている。
バイオシリーズの大ファンでありゲーマーとして知られるフリーアナウンサーの鈴木史朗氏も、本作をプレイした際のインタビューにおいて「いや、まいった。これに比べたら他の作品はまるでメルヘンの世界みたいですね」と話すほど、その恐怖レベルにお墨付きを与えている。リンク
雰囲気が大きく変わったために設定が一新されたと思ったファンもいたようだが、本作の時系列は『6』の後の物語である。製作スタッフによればこれまでのシリーズと世界観は共有していて、従来のキャラクターにスポットが当てられていないだけとのこと。そのため本作は全員が新キャラクターとなっている。
作風
シナリオは「廃屋で囚われた妻を救出して脱出する」というシンプルで王道な内容ではあるが蓋を開けてみると姪っ子一人残して兄弟家族全滅したうえに実の兄弟を殴り殺したり、悲しい生い立ちを知らない主人公に射殺されるという救われない運命を辿る少女というバイオ史上屈指の鬱シナリオとなっている。
本作は一般家庭に潜む「家族の闇」テーマにしており家庭内暴力や虐待、DVなど一般家庭に起きうる身近な問題を狂気的に描写している。
暴力による恐怖、虫や昆虫による生理的嫌悪感を煽る恐怖、トラップの仕掛けられた密室で起きる極限状態に追い込まれる恐怖等、人間が感じる様々な恐怖をFPSやVRを通して描くことにより強い没入感を味わわせることに成功している。
ストーリー
2017年、主人公イーサン・ウィンターズの元に、3年前から行方不明となっていた妻のミアからメッセージが送られてきた。
彼女を探すため、イーサンはメッセージの導きを頼りに、同じく3年前に行方不明となった、ルイジアナ州の片田舎に住んでいた農場主のベイカー一家の放棄された邸宅へ向かった。
屋敷の中を調べるイーサンだったが、そこで彼は不死身の狂人と化したベイカー家の住人に襲撃される。
辛くも窮地を脱したイーサンは、自分宛にかけられてくる謎の女性からの助言を聞きながら、妻ミアを救出し屋敷から脱出するべく邸内を探索していく。
登場キャラクター
主人公
ベイカー家
その他
登場武器
基本的にベイカー家が所有するものを拝借(強奪)しており、弾薬も一部を除いてベイカー家が所有していたと思われる物か、謎の技術で自作した物を使っている。
イーサンは、銃や各種危ない日曜大工の工具についての知識が豊富なのか、やたら慣れた手つきでそれらを扱う。
- ナイフ系
保安官補佐に頼み込んで入手するポケットナイフと、BOW追撃中に拾えるサバイバルナイフの2種類がある。
威力が低く戦闘は厳しいが、箱の破壊と旧館の虫に対して有効。
- 手斧
廃屋の隠し部屋(?)で拾える、古びた薪割り用の斧。
嫁の二度目のDVに反撃する為の武器で、撃退後に拾い直す事ができるが捨て置いても話は進む。このあたりは縛りプレイの有無やお好みで。
- 丸鋸
クリア特典でもらえる強力な電動工具。ナイフ以外だと常用できる近接武器がこれのみ。
威力はすさまじいが、動作が遅いのが難点。
現実においては、例によってホームセンターやプロ用は代理店で買える。
刃の方はある程度使ったら研磨に出すのが無難なため、人によっては刃を複数もっている。
ちなみに変な角度で切ると、刃どころか本体が壊れる場合があるので、使用する際は刃をまっすぐにしよう。
- ハンドガン系
共通弾薬としてハンドガンの弾と強装弾がある。
グロッグ17、M1911系、マカロフの3種類があり、性能もそれぞれ異なる。
グロッグ17は保安官補佐が携行していた物を、彼の死後拾い当面の間の抵抗に用いるが、連射性と装填数に優れるも威力面に不安がある。
M1911は、廃屋でも装填済みの物をイーサンが偶然発見し、狂暴化した嫁のチェーンソーによるDVから逃れるため使用するが、ジャック・ベイカーに捕まり没収され本館から脱出後再度発見するも故障しており、リペアキットを使用してイーサンの手により運用可能になる。装填数こそ少ないが高い威力を持つ。
マカロフはベイカー邸でなく廃船と化したタンカーで正気に戻ったイーサンの嫁によって発見される。バランスの取れた性能を持つ。
- ショットガン系
イサカM37と上下二連式M21の2種類がベイカー邸にて入手可能。
散弾を使う都合標的が遠いと有効打になりにくい。
イサカM37は、スラムファイヤ機構がオミットされているため連射が出来ないモデルで、4発装填可能だが手に入れるためにはジャックが徘徊する娯楽室へ向かう必要がある。
上下二連式M21は、M1911と同じく故障しており、最初はギミック解除に用いるが、リペアキットを入手すれば運用可能になる。
比較的型式の古いダブルバレルショットガンのため装填数は2発だが、イサカM37より威力は高めかつ射程も長めで、ポンプ式でないため2発だけだが連射が可能。
リロードは撃ったシェルを取り除き、新しいシェルを入れるだけのため早い。
- マグナム
早ければ本館脱出直後に手に入る強力なオートマグナムで、44オートマグと呼ばれる70年代の品。
弾は元々普及しなかったのもあり入手できる物は少ないので、強敵相手に使用する事が多い。
なお、この銃は主に動作関係による数々の欠点によって一部から『オートジャム(動作不良)』という蔑称を付けられている一方で、稀少性からコレクターが高値で売り買いしており、脱出後のイーサンにとっては良いお土産となっただろう。
- マシンガンP19
ロシア製の法執行機関向けSMGのPP-19 BIZONである。
見た目は本格的な軍用アサルトライフルに、銃身に平行してグレネードランチャーを付けたような感じに仕上がり威圧感がある。このグレネードランチャー状のパーツはスパイラルマガジンと呼ばれる特殊な弾倉であり、発砲時と携行時の妨げになりにくい上に、大容量の装弾数を確保出来るのが売り。
単発の威力は低く発射中は主に上方向に照準が大きくブレる欠点があるが、フルオートで射撃が可能かつマガジン容量も64発と多い。
- バーナー
ルーカスが製造したと思われるハンドメイドの火炎放射器。
見た目は古くなった自転車のハンドルとブレーキをベースに、先端には燃料であるカセットボンベを取り付けるキャップ、そこにブレーキと連動したボンベのノズルを押し込む機構と燃料の噴射口が一体化、それに(恐らくトイレタンクの部品の一つである)プラスチック製の小型タンクを使った着火ノズルをテープで固定した、廃材利用で作ったような物。ゲーム中ではこの武器の設計図が落ちている以外に、着火ノズルと本体が別々に配置されており、これら二つを合成する事で初めて使用可能。
ちなみに、燃料用のカセットボンベは外装が錆びていたり剥げ落ちているが、調べてみると商品名として「瞬火GAS」、製造会社名と思われる「MIZUSHIMA」の文字が確認可能で、どうやら日本製の模様。
なお、現在はサーモバリック弾が普及しており、軍用としては姿を消している。
ルーカスが作ったのは時代を逆行するような兵器としての火炎放射器である。
余談であるが、このような燃料(ガス)缶と火炎の噴射口が近接している構造の火炎放射器は、放射時の加熱から缶の内圧上昇による爆発の可能性を伴うため、実際には非常に危険なものである。
- グレネードランチャー
バーナーと同じくルーカスが製造したと思われるハンドメイドのグレネードランチャーで、見た目は廃材利用で無理矢理作ったような代物。特に砲身は金属をテープで巻き付けて補強がしてあり、かなり大雑把な作りをしている。
装填機構は中折れ式かつ装填数は1発で、発射後は発射済みのカートリッジを抜き取り新しい弾を装填するタイプで、過去の『2』などで登場したM79と似たような操作で使用する。装填(開閉)時の砲身を固定する金具は軽く引っ掛けるだけの簡素なものなので、よく見るとしっかり固定されていないためなのか平時は砲身が僅かに下方に垂れている(?)。
なお、こちらもある場所に設計図がある。
弾薬の方も弾頭が数本の糸で固定されていたり、サーディンやアリゲーターの絵柄といった缶詰か何かの外装のようなものが確認出来る事から、おそらく弾薬カートリッジもルーカスが製造したと思われ、ベイカー邸で何発か入手できるが希少な品。
弾種は焼夷弾と神経弾という、持続ダメージを与えつつ対象の動きを一時的に阻害する2種類。
PV
現在、youtubeのバイオハザード公式チャンネルにてPVが順次公開されている。
本編
DLC
関連タグ
死霊のはらわた……カプコン統括プロデューサーの竹内潤が、プロダクトビジョンとしてモチーフにしたと語った名作ホラー映画。
悪魔のいけにえ……本作がリスペクトしているとされる名作ホラー映画。イーサンが招かれた狂気の食卓は、まさに映画のままである。
時系列
年 | 日付 | 出来事 |
---|---|---|
1998年 | 7月22日 | 黄道鉄道事件 |
7月23日 | 洋館事件 | |
9月 | Gウイルス争奪事件、追跡者(ネメシス)投入、アウトブレイクによるラクーンシティ崩壊。 | |
11月 | シーナ島事件 | |
12月 | アンブレラ南極基地崩壊 | |
2002年 | オペレーション・ハヴィエ、スペンサーレイン号ジャック | |
2003年 | アンブレラ終焉 | |
2004年 | 米大統領令嬢誘拐事件、テラグリジア・パニック | |
2005年 | ハーバードヴィル空港バイオテロ、テロ組織ヴェルトロ復活? | |
2006年 | スペンサー邸突入作戦 | |
2009年 | キジュジュ自治区バイオテロ | |
2011年 | 東スラブ独立運動、テラセイブメンバー拉致事件 | |
2012年 | マルハワデザイア、ヘヴンリーアイランド、イドニア紛争 | |
2013年 | 世界規模のバイオテロ | |
2014年 | 血塗られた復讐の物語 | |
2017年 | “ルイジアナ州における謎の失踪事件” | |
2021年 | クリス・レッドフィールドがウィンターズ家を襲撃 |