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フィリピンの妖怪の編集履歴

2022-05-23 23:54:26 バージョン

フィリピンの妖怪

ふぃりぴんのようかい

フィリピンで伝承される様々な魔物。吸血鬼であるアスワングが特に有名である。

概要

フィリピンで伝承されている様々な魔物で、地域ごとにたくさんの種類がいるといわれているが、55ほどに分類される少数民族による伝承のものも含めると全容は分っていない。


マレー系民族によるフィリピン神話と呼ばれる民間伝承によるものが多く伝わるが、かつてのスペイン統治時代の影響から、現地のものとヨーロッパキリスト教の伝承が混合したものも多く見られるという。


その中でも、吸血鬼であるアスワングとその一族が有名で、他国のものを含めて数多くの創作に登場している。


一覧

民間伝承

  • アスワング/アスワンAswang):コウモリの羽根を持ち空を飛び、長い舌で妊婦の胎内の胎児を殺す吸血鬼と、死体を植物で造った偽物の人間とすり替えて持ち去り食べてしまう食人鬼が伝わる。蝙蝠、犬、豚に変身もできる。
    • アマランヒグ(Amalanhig):墓の中から起き上がって人間に襲いかかる大きな牙のあるゾンビのような怪物。
    • アラナ・アキノ(Alanna Aquino):ビサヤ地方に住むという昼間は人の姿だが、夜になるとコウモリ、豚、黒犬などに変身するという人の性液を吸うことを好む怪物。
    • エケク(Ekek):エックエック、エクエクとも呼ばれ、長い舌で妊婦の中の胎児の血を「エックエックエック」と音を立てて吸って殺してしまう。鳥の要素が大きいといわれ、体は分離せずに嘴を持っている。
    • バンキラン(Bangkilan):名前はクヨノン語で“獰猛な猪”を意味する。大きな黒い猪に変身する能力を持った強力な女性のアスワングであり、接吻しただけで人間をアスワングに変えてしまうという。
    • ブサウ/バルバル(Busaw/bal-bal):畑を耕し家畜を飼っている普通の人間のように見えるが、正体はグールであり、夜になると墓地や事故現場から死体をバナナの樹とすり替えて持って帰って食べてしまうといわれる。
    • ブブー(Bubuu):真夜中に鶏の声で鳴くアスワングで、樹で作られた偽物と人間をすり替えてしまう。
    • マナナンガル(Manananggal):ビサヤ諸島西部に伝わる上半身と下半身が分離して蝙蝠の翼で飛び回り、長い舌で妊婦を狙い胎児を吸い殺してしまう女吸血鬼。
    • マルトクラン(Matruculan):胎児を喰らうために女性を妊娠させることもある怪物で、他人の胎児も狙うので、賢明な夫は出産時の妊婦の腹の上でバリソン(バタフライナイフ)を振り回し追い払うという。
    • マンダランカル(Mandarangkal):名前はタガログ語で“カマキリ”を意味する。美女の姿をしており男性を誘惑して食べてしまう。
    • ワクワク/ティクティク/ソクソク/キリングキリング(wak-wak/tik-tik/sok-sok/kling-kling):翼を持ち飛び回る吸血鬼で、羽音がそれぞれの名前となっている。羽音が大きければ遠くに、小さければ近くに聞こえる幻惑の術を使って、鋭い翼と鈎爪で犠牲者を切り裂き心臓を食べる。

アスワン

  • アグタ(Agta):バレテやサントルの大樹の上に棲む巨人で、下記のカプレの親戚である。漁師を嫌って邪魔をし、服を盗み、気に入った女性を攫うといわれる。
  • アグホイ(Aghoy):ビサヤ地方のサマール州に伝わる小人で、20代の裸足の西欧人のような姿をしており、魔法の道具をくれることもあるが、使ってしまうと最終的に大変な目にあうという。
  • アニアニ(Ani-Ani):髭を生やした身長5~6mの巨人。平たい鼻、厚い唇、大きな鉤爪のある指、並みの木と同じくらい太い脚を持ち、山羊のような悪臭を放つ。大きな葉巻を吸っていたり、森の中の小道を塞いでいたりする。水牛、山羊、犬に変身する能力がある。カプレとアスワングの混合種といわれるが、どっちつかずの能力しか持たないともいわれる。
  • アリマオンガ(Arimaonga):月を食べるライオン。
  • アンギータイ(Anggitay):女性のケンタウロスのような姿をした妖怪。上半身は人間の女性で腰から下は馬の胴体になっており、額から一本のツノが生えている場合もある。
  • アングル(Angul):斧の柄で人間を殺害する精霊。
  • アンラッバン(Anlabbang):争いをもたらす精霊。
  • イーボン・アダルナ(Ibong Adarna):捕まえた者の願いを叶える魔法の鳥であるが、黄金の木で催眠効果のある七つの歌を全て聴かなければならない。失敗すると糞をかけられ石にされてしまう
  • インラブラッブート(Inlablabbuut):毛深い大男の姿をした妖怪。ハンサムな男性に変身して人間を誘惑し、そしてゆっくりと元の姿に戻って獲物の人間をむさぼり食う。
  • ガウィガウェン(Gawigawen):六つの頭部を持った巨人。
  • カシリとカユマン(Kasili and Kayumang):巨大鰻カシリに巨大蟹カユマンが噛み付くと、カシリは体をくねらせて地震を引き起こすという。
  • カタウ(Kataw):鰓や鱗を持つ水中に棲む者たちの支配者で、水を自由に操る力を持つ。溺れている人のふりをして、助けようとした者を溺死させることもあるという。
  • カプレKapre):黒くて不潔な巨人で、とても大きな葉巻を吸っている。ガジュマルマンゴーの樹の影に隠れ、通りかかった人間を化かす。

The Kapre

  • クマカトック(Kumakatok):ルソン島とビサヤ諸島に伝わる、タガログ語で「ノックをする」という意味の名の不吉なお告げをする黒づくめの3人組で、真ん中の者は女性で両脇の者は老人であるという。
  • サランガイ(Sarangay):耳に宝石を付けた牡牛の様な屈強な獣人。宝石を奪おうとする者には容赦はない。
  • サリマノック/マガウル(Sarimanok):捕まえたものに幸運を与える聖なる鳥。この鳥のマガウルが突いた竹からマラカスとマガンダ(Malakas&Maganda)というフィリピンの人々の祖が生まれた。

サリマノック

  • サワ(Sawa):月を飲み込む大蛇。
  • サンテルモ(Santelmo):ヨーロッパに伝わるセント・エルモの火のような火の玉

Santelmo

  • シエテ・フローレス:輝く羽根を持つ鳥の群れで、人間に襲い掛かり羽根でくすぐってくる。もし耐え切れずに笑ってしまうと石にされてしまう。群れの長を見つけ、その羽根を地面に挿さないと石化は解けない。
  • シッバラユンガン(Sibbarayungan):とても大きな乳房を持つ女巨人。サッパウという巨人の妻だが、夫に捕らえられた人間をこっそり釈放してあげる心優しい存在である。
  • ショコイ(Siyokoy):男の人魚であるマーマンで、半魚人のような外見だが緑色の触手を持つともいわれる。
  • シレーナSirena):人魚
  • シラガン(Silagan):鋭い爪を持ち、人間の肛門を突き破って肉を引き裂き内臓を食い尽くす妖怪。白い服を着た者を狙うという。
  • スィグビン/シグビン/シグベン/ゼグベン/アママヨン(Sigbin/Sigben/Zegben/Amamayong):地域によって角の無いヤギ、トカゲのようなカラス、カンガルーなどに似るといわれる怪物で、臭い尻尾を持ち後ろ向きに歩く。子供の血を吸って殺し心臓をお守りとして持ち去るという。シグビナン(Sigbinan)と呼ばれる者に使役される使い魔ともいわれる。

The Sigbin

  • タイヤバン(Taiyaban):空飛ぶ怪物。人間や動植物の魂を食べてしまう。
  • ターウィ(Taawi):人食い鬼だが、眼球だけは消化できないので食べない。巨体であるにもかかわらずとても素早く動き、とどろくような大声でマラナオ人の猟師を怖がらせる。
  • ダマ・デ・ノーチェ(Dama de Noche):スペイン語で「夜の貴婦人」という意味の日本では「夜香花」と呼ばれる植物で、浮気な金持ちの男と結婚したダマという少女が永遠の愛を得るために化身したといわれる。
  • タハマリング/タマホリンTahamaling):森の動物の守護者である赤い肌の女性姿の精霊。
    • マホマナイ(Mahomanay):同じく動物の守護者である白い肌の男性姿の精霊。

  • タマウォ(Tamawo):金の歯と爪、白い肌を持つ精霊でとても美男子である。植民地時代以前の貴族の姿をしていると伝わる。
  • ダラケトノン(Dalaketnon):ダラケトの樹(ベンジャミン)が出入り口になっている異世界に棲む邪悪な精霊で、人間社会では上流階級の人物として潜伏しており、魔法の黒米を使った料理を振る舞い眷属を増やす。
  • タワン・リポッド(Tawong Lipod):シルフのような精霊。
  • タンバノカノ(Tambanokano):月食を引き起こす巨大な蟹。太陽と月の間に生まれた息子だが、母親である月に腹を立てて月を飲み込もうとする。
  • チャナックTiyanak):洗礼前に死んだ赤ん坊の悪霊で森に住む。赤ん坊に化けて、人が近づいてくると悪魔の様な正体を現し人を襲う。

Tiyanak

  • ディーラ(Dila):タガログ語で「舌」という意味の悪霊で、田舎にある高床式のニッパハウスの床から侵入して、犠牲者を舐め殺すと恐れられている。
  • ティクバラン/ティグバラン(Tikbalang/Tigbalang):人間の身体に馬頭で馬の後ろ足を持つ魔物で、自らの子を産ませるために女性を襲う。アイギパーンのように悪戯好きで人を狂わせることもある。なお馬はスペイン人によってこの地にもたらされたものである。

The Tikbalang

  • ディワータ/ディワタ/エンカンターダ(Diwata/engkantada):自然の中の精霊妖精の様な存在。ニュンペーに似る。
    • エンカント(engkanto):男の精霊。
    • マリア・カカオ:セブ州アルガオの洞窟に住むという精霊で、畑でカカオを育てて黄金の船に載せ人の世界に運ぶという。
    • マリア・シヌクアン(Maria Sinukuan):ルソン島のパンパンガ州の火山であるアラヤット山の女神。
    • マリア・マキリン(Maria Makiling):ラグナ州の火山であるマキリン山の頂上に住む女神。
  • ドゥエンデ(Duwende):妖精のような存在で、ヨーロッパの伝承のゴブリンドワーフエルフに似る。
  • トリブロン/ティブロネス(Triburon, Tiburones):翼を持ち空を飛ぶサメもしくはエイの怪物。
  • ナガ/マリナガ/マリンダガ/マギナガ(Naga/Marinaga/Marindaga/Maginaga):下半身が蛇のように長い魚の尾である海の女神。
  • ヌーノ・サ・プンソNuno sa punso):蟻塚に住むと言われる妖精で、足を踏み入れた人間に幸運や不運を与えるといわれるので、現地の者は横を通る際に許可をもらうため声をかけるという。

Nuno sa Punso土精に遭った

  • パー(Pah):家と同じくらいの大きさの猛禽類。翼を広げて地上に暗闇をもたらす。
  • バクナワBakunawa):月食を引き起こす巨大な蛇神。元々は美しいディワータもしくはナガだったと伝わる。

Bakunawa Moon Eater

  • パサトサト(Pasatsat):第二次世界大戦で死んだ者の幽霊といわれ、棺桶が間に合わなかったため葦の敷物に包まれて埋葬されたことから、その姿で現れ通行の邪魔をする。何かで刺して広げると死臭を漂わせながら消える。
  • バタングオン(Batanguon):みすぼらしい身なりをした不恰好な妖精だという事以外はあまり知られていないという。目撃者によれば、ぼさぼさの髪に煤まみれの肌をした10代前半の少女の姿で、靴もサンダルも履いておらず襤褸を纏っていたという。
  • バティバト/バティバット/バンゥーンォッ(Batibat/Bangungot):樹木に住む大きな老女姿の精霊。木を伐採した者の寝ているところに訪れて胸に乗り悪夢を見せる。
  • ピンテン(Pin-teng'):ルソン島のイゴロ人に伝わる霊魂アニトの一種。首狩りで首を斬られた者の霊魂。
  • フアン・タマッド(Juan Tamad):世界一といわれるほどの怠け者すぎて、猿たちに死んでいると勘違いされて生きたまま埋葬されてしまった男。
  • ブギスギス/ブンギスギス/ブドボド(Bungisngis/Budbod):陽気な一つ目の巨人。バタアン州の森に住んでいる。ビサヤ地方では同じような巨人をブドボドと呼ぶ。

ブンギスギスといっしょ

  • プゴット(Pugot):イロコス地方に伝わる首の無い黒い巨人。蛇や虫を切り口から食べることで早く走ることができるが、女性の下着を盗むという悪癖がある。

センシティブな作品

  • ブソ:ミンダナオ島に伝わる一つ目で牙のある怪物で、人の腐肉を喰うため罠をはっているが頭は良くないため騙されやすい。

ブソ

  • ペドロ・マタバト(Pedro Matabat):妖精の王。
  • ベルベロカ(Berberoka):池の水を吸い込んで魚を集め、獲ろうと近寄ってきた人間を溺れさせる精霊。ニュンペーに似る
  • ベルナルド・カルピオ(Bernardo Carpio):勇敢な巨人でリサール州モンタルバンの洞窟にスペイン人の奸計により閉じ込められているという。地震は彼が脱出しようともがいているために起こるといわれている。
  • ホワイトレディ/レッドレディ/ブラウンレディ/ブラックレディ(white lady/red lady/brown lady/black lady):女の幽霊。死因や有りようによって色が違う。
  • マギンダラ(Magindara):月の神によって創造された、人を溺れさせる色とりどりの魚の尾を持つ人魚
  • マヤリ(Mayari):月、戦、革命、平等の女神で、兄の太陽神アポラキと争うことになって片目を失い、夜の地上を見渡しきれなくなったため、姉妹の星の女神タラと朝の女神ハナンと共に夜を照らすようになった。
  • マルクポ(Markupo):鋭利な牙、棘のような毛が生えた長い舌、二股に分かれた尻尾、赤いトサカ、恐ろしい猛毒を持った大蛇。
  • マンククーラム/マンガガワイ/マンババラン(Mangkukulam/Manggagaway/Mambabarang):黒魔術を使う魔女で悪霊を使役し、呪いで痛みと病気をもたらす恐ろしい存在である。マンガガワイは男の魔術師、マンババランは虫使いであるという。
  • マンサラウアン(Mansalauan):赤い宝石のような目、トカゲのような頭部、長い毛に覆われた尻尾、大きな翼、鋭利な舌、人間のような足、サルのような手を持った大きな鳥。
  • マンタブンガル/マンタフンガル(Mantabungal, Mantahungal):パラワン島に伝わる悪魔。牛のような姿だがツノは生えておらず、大きな前歯が上顎と下顎に2対ずつ生えており、地面に付くほど長い体毛に覆われた毛むくじゃらの姿をしている。
  • マナウル(Manaul):鳥になったという伝説の王。空と海を戦わせフィリピンの島々を創ったという。
  • ミノカワ(Minokawa):月を食べる巨鳥。
  • ムルト(Multo):幽霊のこと。スペイン語で死をあらわすムエルト(muerto)が語源であると考えられている。
  • ランスール(Langsuir):マレーシアに伝わるランスグイルのこと。
  • リファ(Li'-fa):ルソン島のイゴロ人に伝わる鬼火。死んだ霊魂が現れたものだと考えられており、山上の樹木の間に青い火が燃えていればそれは霊魂がさまよっているのだという。
  • ワロ(Walo):八つの頭部と千個の目玉を持つ毛むくじゃらの巨人。

その他

  • アモモンゴ:ネグロス島に棲むという白い体毛の類人猿。
  • かみおとこ:マニラ警察署の事件報告書「特殊事件簿No.108号」にあるという人に噛みつく目に見えない怪異。
  • さまよう戦艦武蔵:シブヤン海で沈没したとされる戦艦武蔵が、海底に沈まずに彷徨っていたという都市伝説。
  • スコブ(Sukob):近親者が亡くなったとき、もしくは兄弟姉妹と同じ年に結婚すると不幸になるというジンクス。
  • テニエンテ・ジモ/ジモ中尉(Teniente Gimo):西ビサヤのイロイロの町の都市伝説で語られるアスワングの一族の筆頭。

  • バーゴン:パラワン島奥地の洞穴に棲むという原始猿人。
  • ピナツボ・モンスター:ルソン島のティキ川に棲む蛇、もしくはずんぐりとした体型の水棲UMA。
  • マリア・ラボ(Maria Labo):都市伝説に登場する女性。出稼ぎ先の主人によって食人鬼にされ、子供を料理して夫に出したために山刀で顔に大きな斬り傷をつけられ、本物のアスワングになった。

  • ルボップ:ミンダナオ島に棲むという類人猿。

関連タグ

フィリピン スペイン語

外国の妖怪 妖怪 妖精 精霊 幻獣 吸血鬼

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