その他の憎めない悪役
ゼウスの兄にあたる冥府の王なのだが、ペルセフォネをさらった以外、目立った悪事もない温厚篤実な神様。むしろ、凶暴性はゼウスや他の天界神の方が強く見えてしまうくらいなのだが、冥界の神と言う立ち位置から悪役になることが多い。
一部ストーリーではノリがよいギャグ担当であり、ディズニー版ヘラクレスのハデスはディズニーヴィランズの中で人気トップクラス。
新・光神話パルテナの鏡(冥府神ハデス)でも人気も高い。
スサノオ(日本神話に取材した一部の作品、ないしは同名の神をモデルにしたキャラクター)
ハデスと同じく冥界の王だが、性格は真逆で乱暴者でいたずら好き。記紀ともに、どちらかといえば悪役寄りだが娘を溺愛したり、「お母さんの所へ行きたい」と泣くなどマザコンじみた描かれ方から人間臭く感情移入しやすい神様なので人気は高い。
天界・地上問わず人を殺したり、施設や町を破壊するなど疫病神か死神の如き所業を為しているため、憎まれても当然の描写も一部には存在する。地上に追放された後、八岐大蛇退治と出雲建国を成し遂げて、遂には皇室の守護神としても扱われる強さと魅力は、ある意味で日本が生んだ元祖「憎めない悪役」と言える。
詳しくは須佐之男の記事を参照されたし。
主人公である太公望(姜子牙)の弟弟子で、元始天尊から授かった封神計画を妨害する道士。原作では白額虎を操りつつ宝剣と開天珠のコンボで太公望を圧倒するなど無能ではないのだが幹部級の仙人には勝てず、叱責されるなどドジを踏みまくる。幾度も南極仙翁や懼留孫ら兄弟子のお仕置きを受けつつも様々な人物をけしかけて邪魔をするなど、憎まれて当然の描写も皆無では無い。
最後は師匠の天尊に捕まってしまい、誓い通り北海の穴に幽閉されるがそれでも死ぬことは無く、最終話で分水将軍に封ぜられる。悪人なのだが、そのめげない性格やしぶとさは、ばいきんまんやクッパを思わせる。安能務氏の小説やそれに準拠した藤崎竜氏の漫画では雷公鞭を使いこなして黒天虎にまたがった裏の主人公。また、光栄封神演義では強力な宝貝と術を使いこなす強敵で主人公のライバルも務めるアンチヒーロー。
西遊記の魔王達(同名作品、ないしはそれに取材した創作)
多数いるため、まとめて紹介。主役級のキャラクター孫悟空や、その相棒の猪八戒は三蔵法師に仕える前までは、悪事を働くが豪快さや愛嬌を兼ね備えた憎めない悪役的な存在だった。
- 牛魔王:魔王時代の孫悟空の義兄ないしは幹部級の子分だった、西遊記きっての大妖怪。巨大な白い牛を始めとした怪物に変身する魔力と、首をはねられても死なない不死身の肉体を持ち、鉄の棍棒や二刀流を使いこなす武芸達者な実力派だが、子煩悩で恐妻家であり鉄扇公主によく叱られている。
映画スマイルプリキュア!絵本の中はみんなチグハグ!やドラゴンボール、Koei西遊記などに登場する彼をモデルにしたキャラクターは、いずれも敵に回すと手強いものの、味方になると非常にフレンドリーな点は、ジャイアンやクッパに似通う点がある。
拉致した皇后を自分の妻にしたにもかかわらず、彼女の貞操を重んじて優しく扱い(皇后には神仙の守護があったのもある)、服や装飾品についた虫を皇后に取って貰う時は照れ臭そうにするなど、紳士的かつシャイな一面もある。最後は悟空に懲らしめられ、菩薩に引き渡されて天に帰った。
- 黄袍怪:宝象国の姫をさらって妻にした魔王で、人肉を食べたり三蔵法師を虎に変えるなど憎まれてもおかしくない悪事を働く。一方で姫との間の子供を可愛がったり、舅である王様に会う際には美少年に化けるなど優美で聡明な部分もある。黄袍怪がさらった姫は前世が天女であり、彼自身も前世が神将であったことから起きた誘拐事件であった。
猪八戒が破門された悟空を呼び戻したため、姫は奪い返されて子供も殺され、自分も天界軍によって御用となってしまう哀しき悪役でもある。
半グレ組織「愛天雄(メテオ)」のトップの2人組で、裏社会では小規模の組織でありながら名高い評価を受ける存在。シリーズ内の半グレ(やそのほかの悪役)は基本的に許されざる存在としてよく取り扱われるが、彼らは珍しく己の力に過信することなく向上心があり真面目に仕事をこなしたりや相手が最強であることを理解した上で喧嘩を申し出る等多くの視聴者に好感を持たれ、今後の活躍に期待がかかってたりとかなり優遇されている存在である。