概要
スーパーカブに乗る少女たちの日常を描くライトノベル。作者はトネ・コーケン。イラストは博。
元々はKADOKAWAが運営する小説投稿サイトであるカクヨムにて2016年3月から発表されているネット小説である。2017年から角川スニーカー文庫より書籍版が刊行。公式サイトや販促ポスターでは「ホンダ・スーパーカブ総生産1億台記念作」と銘打っている。
2021年5月時点で既刊8巻(ナンバリング7巻+番外編1巻)。時系列があり、1巻と2巻は高校2年生、3巻から6巻と番外編は高校3年生、7巻以降は大学生である。また舞台は高校時代は山梨県北杜市が中心、大学時代は東京都多摩地区である。
2021年12月のカクヨム投稿では「さよなら」という表題でこれまでの登場人物が出てきたほか「小熊の人生が、これから始まる。」で締めくられ、2022年3月発売予定の角川スニーカー文庫の第8巻表記でも「完結」となっていることから、小説版のナンバリングは第8巻で終了となった。なお、漫画版は連載が続いている。
登場人物
主要人物
両親がおらず、クラスでも浮いている一人ぼっちの少女。
高校2年の6月にシノさんのバイク店へ寄り、カブを購入。
カブに乗ってからは色々な出会いと交流をするようになる。
ある目標のため、北杜市内の別荘で一人暮らしをしている。
成績優秀スポーツ堪能であるが、本人はカブ以外に興味を示さない。
小熊がカブに乗ってきたことを知ると接近する。
身長140cmの小柄の少女で、イタリアのバリスタの勉強をしている。
文化祭で小熊と礼子に助けられてから行動を共にする。
最初は高級自転車に乗っていたが、次第にカブに惹かれるようになる。
恵庭家
恵庭椎の家族。元々は東京に住んでいたが、妹の慧海以外は北杜市に移住し、慧海も椎が高校3年生の時に北杜市へ戻っている。
椎の妹で、身長170cmと背が高い。
これから起こるであろう戦火や災害に備え、常日頃から鍛錬と準備に時間を費やしている。
父親(CV:宮本崇弘)
東京で会社員をしていたが脱サラし、別荘客向けの店を営業している。体はかなり大柄。
ドイツ系に目がなく、ドイツ風ベーカリーを設置している。
母親(CV:筒井真理子)
背が低く、1960年代のアメリカ風の風貌をしている。
アメリカに目がなく、アメリカ風カフェを設置している。
高校関係者
担任教師(CV:原えりこ)
小熊のクラスの担任。小熊の進路などであれこで支援を行なう。
小説およびアニメでは女性であるが、漫画では後述の教頭先生も兼ねているため2年次のみ男性である(3年時は小説・アニメ同様女性)。
手芸部顧問(CV:白須慶子)
家庭科担当。
椎の父親から貰ったウールのセーターのサイズ調整をしてくれた。
数学教師(CV:下鶴直幸)
修学旅行の時、スーパーカブで来た小熊を説教する。
担任教師になだめられて、勝手な行動はしないよう注意する。
甲府の高校の教師。風貌から体育教師と思われているが、担当部活は文芸部である。
小熊と礼子のスーパーカブに興味を抱くようになる。
教頭先生(CV:星祐樹)
小熊の学校の教頭先生。
小熊が高校2年の時、クーリエのアルバイトを紹介する。
その他(アニメ登場)
小熊がバイクを買ってきた時に応対した初老の男性。
小熊の状況を察し、いわくつきとされるスーパーカブを1万円で売る。
商売っ気はないが、整備だけでなく修理の腕も一流。
信用金庫課長(CV:宮澤正)
礼子の知り合いの信用金庫の課長。
スーパーカブを買ったばかりの小熊にパーツを色々と融通してくれる。
山小屋オーナー(CV:石井康嗣)
礼子がアルバイトをしていた山小屋の主人で、元々は登山家。
カブで富士登山を目指す礼子を受け入れ、なかなかうまくいかない礼子にアドバイスを送る。
その他(アニメ末登場)
小熊が高校3年生の時にアルバイトをしていたバイク便の女社長。
容姿や言動が幼いが、小熊とは何かと気が合う。
伊藤史
慧海の同級生。白い肌に髪と服が真っ黒と幽霊と見間違られることも。
慧海からは「最小限の力で生きている」と評され、興味を示している。
藍地
勝沼にある小熊の行きつけの解体業者の男性。「棒人間」とも呼ばれている。
元々は優秀な考古学生であったが、課外研究中にアイヌ少女を助けたことを契機に大学を去り、山梨へ移住。その後追いかけてきたマルーンの女と暮らすようになる。
マルーンの女
マルーン色のレクサスSUVに乗り、スーツもマルーン色で固めているためこの名前が付けられている。本名不明。なおカクヨム版では「レクサスの女」と呼ばれている。
大学教授の娘で、藍地を山梨から連れ戻そうとするが、結局藍地と一緒に勝沼に住むことになる。なお不要となった町田の古家は大学での住居用として小熊に貸している。
中村良未
小熊が事故で入院した時の同じ部屋の女性。入院歴が長く部屋の主となっている。
元々は映像制作会社に勤めていたが辞め、退院後は家業を手伝いながら趣味に勤しむ生活を送ろうとする。
入院時の同じ部屋の女性。かなり騒々しいシスター。
小熊同様バイク事故で入院し、一足先に退院したがその日のうちに事故を起こし戻ってきた。小熊いわく「馬鹿」。
後藤治李
入院時の同じ部屋の女性。外見は幸薄な感じであるが、他人の不幸を見て喜ぶ性癖の持ち主。
両親がおらず、親しい人もいないとカブを手に入れる前の小熊と境遇が同じである。
春目
大学編から登場。小熊と同じ人文学部の同級生。容姿は緑色のセミロングに緑色のワンピースと緑づくめ。
両親を震災で失い、仕事もなくなり飢えていたところを竹千代に拾われ大学に進学している。
竹千代
大学編から登場。経済学部の3年生で、節約研究会(通称「セッケン」)の部長。
小熊を気に入り、節約研究会に勧誘する。なんでもタダで手に入れたり、春目の面倒を見て大学に通わせるなど謎が多い。
漫画
Webコミックサイト「コミックNewtype」にて蟹丹(pixivユーザーページ)の作画による漫画版が2017年12月より連載中で、こちらも角川コミックス・エースよりコミック版が刊行されている。2021年9月末時点で既刊6巻。
漫画では小説に沿った話で進む一方、単行本では「x.5話」という原作にない閑話やトネ・コーケンによる特別寄稿小説が掲載されている。
博イラストと比較して礼子の髪型が異なる、椎の左目下の泣きぼくろがない、国語教師に名前があるなど様々なアレンジが付け加えられている(但し、椎の泣きぼくろについては単行本5巻より付け加えられている)。
2022年4月29日より外伝漫画として礼子が主人公の「スーパーカブRei」の連載が開始される。作画はさいとー栄(pixivユーザーページ)。
アニメ
2021年春にアニメ化。アニメーション制作はスタジオKAI。TOKYO MXほかで放送された。詳細はスーパーカブ(アニメ)も参照。
注意点
pixiv投稿時について
アニメ放送開始後、本作品のイラスト投稿が増えているが、スーパーカブのみタグを貼りスーパーカブ(小説)のタグを使用しない投稿者が散見されている。スーパーカブは本来バイクイラスト用のタグであり、イラストにバイクとしてのスーパーカブが描かれているのであれば問題ないが、バイクとしてのスーパーカブが描かれていないキャラクターのみのイラストにスーパーカブのタグを使用するのは本来であればルール違反になる。但し作品としてのタグという解釈もできるので、トラブル防止のため率先してタグを剥がしたりルール違反を指摘するのは避けたほうがよい(剥がしていいのは投稿者の判断、またはタグが上限に達して他の関連タグを貼りたい時に「スーパーカブ」のタグが削除可の場合など)。
キャラのみのイラストで関連付けしたい場合は「スーパーカブ(小説)」または派生の「スーパーカブ(アニメ)」を使用することが推奨される。また、イラストにスーパーカブが描かれている場合でも本作品絡みであれば「スーパーカブ(小説)」「スーパーカブ(アニメ)」をタグに含めたほうがよい。
聖地巡礼について
アニメ公式サイトで作品舞台探訪についてのお願いが掲載されているため、ここで具体的に記述する。
モデル地は山梨県北杜市の武川地区を中心に実在している所が多いが、小熊が住んでいるとされる団地は現在も人が住んでおり、また高校のモデルである中学校は生徒が通っているところである。団地についてはプライバシーの観点から写真撮影や構内立入りは厳禁で、中学校も学校休校日に敷地外からの撮影程度にすることが望まれている。その他にもモデル地は住宅地のところが多く、作中登場するスーパーも同じ山梨のこの作品に登場するこのスーパーと違い周辺住民に特化したこぢんまりとしたところのため、無断駐車や集団でたむろして騒ぐことは避けてほしい(スーパーの店内ではカブやポスターの展示品が設置されているので、少人数のうえで見学するのもよい)。
アニメが放送されている段階では新型コロナウイルスがまだ蔓延している状況のため、緊急事態宣言が発令されている地域からの巡礼は自粛し、それ以外の地域も徹底した予防対策を行なったうえで巡礼することが望まれる。
物語の中心である武川地区へ行くには、カブであれば国道20号(甲州街道)をひたすら進めば目印となる牧原交差点にたどり着く。車であれば中央自動車道須玉インターチェンジで降り、国道141号を少し北上し薬師堂橋東詰交差点より山梨県道611号を西へ進む。公共交通機関であれば中央本線日野春駅で下車(特急通過駅なので甲府駅または小淵沢駅で普通列車に乗り換え)し、市営バスまたは徒歩で向かうことになる。
元々周辺は色々なコンテンツが揃っている地域である。最寄り駅である日野春駅はWikipediaで秀逸な記事に認定されている「信玄公旗掛松事件」の石碑があり、駅の北側にはオオムラサキセンターというオオムラサキの一大生息地がある。また武川地区には山高神代ザクラという樹齢2000年の桜があり、その子孫は宇宙へ行っている。土産物としては南アルプスの天然水で育てた武川米があり、北側へ足を伸ばせば金精軒の信玄餅の販売所、さらには(コロナの影響で見学が休止中であるが)サントリーの天然水工場やシャトレーゼの工場もある。聖地巡礼がてら行っているのもいいだろう。
関連項目
users入りタグ
スーパーカブ(小説)100users入り スーパーカブ(小説)500users入り
スーパーカブ(小説)1000users入り スーパーカブ(小説)5000users入り
(100users入りは記事作成者が間違えて100Usersとしてしまったためうまくリンクされていない。閲覧する時は「スーパーカブ(小説)100users入り」で再検索してほしい。)
ペアタグ・ネタタグ
その他
※スーパーカブおよび製造元に関係している作品のみ記載する。カクヨム関係はカクヨムを参照。
- わんおふ:本田技研工業(ホンダ)が特別協賛しているアニメ作品。
- 最臭兵器:舞台が山梨県で、主人公が途中スーパーカブに乗るなど色々と共通点がある。
- ばくおん!!:第79話「スーパーフリー」は本作品第1巻をオマージュしたもの。小熊を模した「小鳥」と礼子を模した「銭子」が登場する。
- ゆるキャン△:舞台が同じ山梨県。主人公・志摩リンが乗っているヤマハ・ビーノで志摩リンのは初代と二代目のハイブリッドであるが、三代目はホンダのOEMである。