概要
「生きている化石」とも。英語ではリヴィング・フォシル(living fossil)、学術的には「遺存種」(いぞんしゅ、「レリック」とも)と呼ぶ。地層の中から出土する化石とほぼ同じ姿で現代に棲息している事から、このような呼び名が付いた。
チャールズ・ダーウィンがカモノハシや肺魚を指して言ったのが最初の用例である。シーラカンスやメタセコイアなど、化石として先に見つかり、後から現生が確認された分類群もいくつかある。
分類
数少ない種が祖先的な形態を残したまま細々と生息している「分類的遺存種」(狭義の生きた化石)、今も多くの種が祖先とあまり変わらない姿で繁栄している「形態的遺存種」、かつては広い範囲に分布していたが今では狭い地域に生き残っている「地理的遺存種」(生きた化石に含まないこともある)などに分類される。
しかし、見た目は祖先種そっくりな分類的遺存種や形態的遺存種であっても、遺伝子的には過去に生きた生物そのままではない。サメのように外見は古生代からほとんど変わらなくとも体の内部構造は大きく変化しているものもいる。「現代に生きる始祖鳥」と言われたツメバケイに至ってはただの収斂進化であり、現在は生きた化石として扱われることはほとんどない。
また、太古の昔から姿形が変わっていないと言われる種でも、実際のところ本当に変化がないのか必ずしも定かではない。化石には臓器や皮膚などは残りづらいため、このような部分が古代から大きな変化を遂げていたとしても、現代の我々が知ることは難しいからである。
生きた化石とされる生物
以下のリストは一部であり、外部リンクにも全て掲載されているわけでもない。必要に応じ追加をお願いします。
分類的遺存種
形態的遺存種
以前ここに分類されていたもの
地理的遺存種
外部リンク
俗語として
上記の意味から転じて、時代遅れの人を指す比喩的な表現としても使われる。この場合は嘲笑や批判的な意味合いが含まれていることが多い。