アラジン(アラジン)
でぃずにーのあらじん
キャスト
概要
ディズニー映画『アラジン』の主人公。アグラバーのスラム街に住むトルコ帽を被った青年。家の窓から見える宮殿にいつか住むことを夢見て、相棒の猿アブーとたくましく生きている。生きるために盗みを働いて生活しているため、衛兵や上層階級からは「ドブネズミ」と呼ばれて厄介者扱いされている。身のこなしが軽い上に悪知恵も回る策士で、追っ手の衛兵を軽々とかわす。
盗んだパンを空腹の子供に分け与えたり、ジャスミンの花婿候補の王子にムチで打たれかけた子供を庇い王子に「金持ちならもっと人に親切にしてみろ!」と正面から言い切る高潔な心を持ち、魔法のランプを唯一手にできる「ダイヤの原石」とされる。
市場で偶然助けたジャスミンと惹かれ合うも、相手が王女と知って叶わぬ恋に落胆する。さらに、彼女を誘拐したと衛兵に決めつけられて牢屋送りにされてしまう。しかし、牢で出会った謎の老人に「魔法の洞窟には莫大な財宝がある」「王女は王子としか結婚できない決まりだが、金があれば法も変えられる」と言われ、ランプを取ってくる代わりに財宝を手に入れる約束で魔法の洞窟に向かった。
だが老人に変装していたジャファーに騙され、洞窟で出会った魔法の絨毯と共に崩れ落ちる洞窟に閉じ込められるが、アブーの機転でランプは手元に残る。埃をかぶったランプを磨くと現れた青い煙の魔神ジーニーを言葉巧みに言いくるめ、三つの願いを一つも使わず脱出に成功。
そして、ジャスミンとの恋を叶えるべく1つ目の願いでアリ王子に変身し、ジーニーが魔法で用意したパレード軍団を率いて王宮に凱旋した。だが、ジーニーが自由に憧れていると知り、ジャスミンと結ばれたら彼の自由を願うと約束する。
就学の機会がなかったので文字の読み書きは苦手だが、機転を利かせて要領よく立ち回るのが得意。ただ見栄っ張りでカッコつけなところもあり、つい反射的に嘘をついたり相手を傷つけまいと事実をはぐらかしたりするせいで、後々トラブルを招いてしまうことも多い。
ジャスミンと婚約した後のOVAとテレビシリーズでもこの癖は治っておらず、彼女を怒らせたりケンカの火種になってしまう。テレビシリーズでは砂漠の魔女や海の魔女に惚れられたり、さらわれたりしてジャスミンが助けに行くこともあった。
一方で、いざという時の勇気と大胆さは目を見張るものがあり、どんなに強大な敵が相手でも大切なものを守るためなら命をかける。この時は普段以上に知恵も冴え、敵の弱点を直感すると得意の挑発で相手の注意を引き付け、隙を突いて反撃に出る。
全作品を通してジーニーとは親友で、衛兵隊長のラズールには一方的に敵視されている。
長らく出生が謎に包まれていたが、OVA『アラジン完結編 盗賊王の伝説』で幼い頃に一家の生活のために秘宝探しに出かけた父親が失踪して母親も亡くし、両親がいる他所の家庭を眺めながら孤独な日々を過ごしたという生い立ちが明らかになる。
ジャスミンとの結婚式を間近に控えた頃、生き別れていた父親のカシーム(CV:池田勝)が成り行きで盗賊団(全員が完全な悪人というわけではない)の頭領となっていた事が発覚。
カシームからはその跡継ぎにと望まれたことでジャスミンとの仲も危うくなるが、カシームの凶悪な側近の謀反によって起こされた事件を乗り越えて和解する。
そして双方の父親に見守られ、ジャスミンと無事結婚を果たしたのであった(ちなみにブーケはラズールが受け取った)。
余談
デザインモチーフはトム・クルーズとマイケル・J・フォックスとM.C.ハマー。
1作目の劇場公開版とVHS版では、当時人気俳優だった羽賀研二氏のキャスティングが話題となった。
当初は石井一孝氏が演技も含めて担当する予定だったが、当時台詞のみの演技の経験がなかった石井氏が不安を表明したため、声質との相性で羽賀氏が抜擢、石井氏は歌のみを担当することになった。
尚、1994年に東京ディズニーランドで開催されたイベント「アラジンの大冒険」では石井氏が演技パートも含めて担当している。音源も販売されているが、それを知った石井氏は大変驚いた様子。
2007年に羽賀氏が不祥事で逮捕され、DVD版以降の新装版や続編OVA、TV再放送は、テレビシリーズでアラジンを演じた三木眞一郎氏に変更されている。
同じような例では、『アナと雪の女王』のオラフを演じたピエール瀧氏が不祥事を起こして武内駿輔氏に交代している。
また羽賀氏と三木氏のどちらと競合したかは不明であるが、高木渉と三ツ矢雄二もこの役のオーディションを受けて落ちている。また高木氏はアラジンの声優を務めた俳優のスコット・ウェインガー本人の吹替を『フルハウス』で務めた経験があるほか、三ツ矢氏はアラジンのモデルの一人であるマイケル・J・フォックスの吹替を持ち役としており、後に挿入歌「ホール・ニュー・ワールド(新しい世界)」を日高のり子と共にカバーした。
アリ王子がジャスミンを絨毯のデートに誘う言葉で、ジャスミンが彼の正体を確信する決定打になった「僕を信じろ」は、本作を代表する名台詞として知られている。