馬神弾
ばしんだん
概要
TCGバトルスピリッツのアニメ作品「バトルスピリッツ 少年激覇ダン」「バトルスピリッツ ブレイヴ」の主人公の少年(青年)。
熱い心を秘め、何事にも真っ直ぐ。誰かのためならば自分の身の危険も辞さない強い心の持ち主。
激動の時代を自分の信念のもと、駆け抜けた。
「いくぜ、アタックステップ!」
バトルスピリッツのチャンピオンを夢見る中学一年生12才の少年。
赤のデッキを使うハイランカー(実力者)。
ある日、謎の少女により異界グラン・ロロに飛ばされる。グラン・ロロの太陽というべきマザーコアの守護者の一人、コアの光主「赤の戦士」であると異界魔女マギサに明かされ、異界グラン・ロロを異界王から救うため冒険していく。
切り札である『雷皇龍ジークヴルム』などが持つ効果【激突】を主体にして戦うことから、「激突王」と呼ばれている。【激突】にはかなりのこだわりを持つ。
また、次回作の成長した弾と比較する為かファンの間では「ダンくん」と呼ばれている。
人物
何事にもまっすぐな性格で、困っている人を見ると放っておけず、たとえ自分が損をするようなことがあっても邁進する。
時に、分からないこと・理解できないことがあれば、素直に口に出して疑問をぶつけていく。
そのまっすぐさは、時にヴィオレ魔ゐ等から「暑苦しいヤツ」と言われることもあるが、敵味方問わずに他人の心に影響を与え、周囲を惹きつけていく。
いいバトルをした後には、自分の敗北後でも対戦相手に「ありがとうございました。いいバトルでした」といって握手を交わす。後にこの作法を灼熱のパンテーラにも教えている。
異界王とのバトルに敗れ、復活し再び戦いに身を投じた際には、敵のモーニングスターを足で押さえつけ全く動きを取らせないまま不敵な笑みを浮かべて「バトルでもなんでもいいから暴れたい気分なんだ」と言うなど、好戦的な面を見せることもあるが、優しさも健在である。
好物は母親の作るカレー。
後にズングリーにも作り方を教え、ズングリーの作るカレーは異界グラン・ロロで食べる定番メニューとなった。
来歴
バトスピの大会に出ていたある日、謎の少女百瀬華実に誘われ、バトルスピリッツの勝敗が全てを決定する異界グラン・ロロにやってくる。
そこで異界魔女マギサや異界の少年ズングリーと出会ったダンは、異界の人々を支配し苦しめる異界王からグラン・ロロを解放するため冒険をすることを決意する。
ズングリーと友情を育みながらマギサらと共に旅を続ける中、他のコアの光主達やライバルと出会い、彼のまっすぐな生き方は灼熱のパンテーラをはじめとする周りの人物に大きな影響を与えていく。
そしてついに異界王と対面したダン。異界王は「自分がいるからこそ異界グラン・ロロは成り立っている。自分がいなくなれば滅びの道を辿る」と言い放つ。
その言葉を戯言と受け止めるダンだったが、そんな彼に対して異界王は飽食と貧困・平等と差別・平和と紛争、グラン・ロロだけではない現存する「世界の矛盾」を突きつけ、自分はグラン・ロロと地球を救える唯一の存在であると語る(事実、グラン・ロロに来ていた未来人によれば、地球の未来は環境破壊で壊滅的な状況になっていた)。
それでも異界王を倒す決意は揺るがないダンだったが、異界王の圧倒的な戦略の前に完敗し、一度は完全に心が砕かれてしまった。
異界王への恐怖から彼に再び挑むことを放棄するダンだったが、兵堂剣蔵達がダンのために奮起する姿を見て情熱を取り戻す。
新たにネクサス『太陽石の神殿』とマジック『メテオストーム』をキーカードに加え、コアの光主全員で結集し、再び異界王に挑んでいく。
光主達は異界王が異界グラン・ロロの太陽マザーコアを制御するための装置『ホライゾンラダー』の中核をなすグランドコア全ての破壊のため行動。それを阻むロボット『クグッツ』達とバトルをし、ダンは灼熱のパンテーラと再び対峙する。
お互いの手の内を知り尽くした二人のバトルは熾烈を極めたが、ダンは勝利する。ホライゾンラダーを破壊しようとするダンだったが、全ては異界王の計略の中。
グランドコアはクグッツやパンテーラの中に内蔵され、彼らと光主達とのバトルを通じてグランドコアにエネルギーを十分に蓄積されていた。
グランドコアの蓄積されていたエネルギーの解放と共に崩壊していくパンテーラ。彼はダンとの白熱したバトルの中で、自分の中で誕生した新たなカード『超神星龍ジークヴルム・ノヴァ』をダンに託し、バトルに満足しながら散っていった。
そして異界王の目論見通り、解放されたエネルギーによって変化したマザーコアの力により異界グラン・ロロと地球は融合してしまう。
異界王はコアがもたらす新たなテクノロジーを交渉材料に、地球の各国代表、更には世界経済を牛耳るフィクサーとの同盟・結託に成功。コアの光主達は世界から孤立しかけていくが、ダンは持ち前のまっすぐな【激突】でついには米国大統領の協力を得て、異界王打倒のために動く。
マザーコアの力を完全に手にした異界王は、天変地異を起こして愚かな人類を選別、進化を促そうとし、ダンはそれを止めるために再びバトルを挑む。
世界の理不尽さ・過去の経験ゆえに憎しみと破壊の権化となった異界王を、光主達の力、そして『超神星龍ジークヴルム・ノヴァ』と共に乗り越え、バトルに勝利するダン。
そんな彼に異界王は「俺はグラン・ロロを変え、地球を変えた。俺が消えても俺が変えた事実は残る」「お前達が生きる時代は俺が創った時代だ。忘れるな……」と言い残し、息絶えるのだった。
そして異界グラン・ロロは、新たにマザーコアの光主となったマギサにより再び地球と分離し、二つの世界は分かたれることとなるが…。
使用デッキ
キースピリットは『雷皇龍ジークヴルム』、『龍皇ジークフリード』、『龍星皇メテオヴルム』、『超神星龍ジークヴルム・ノヴァ』。
「激突王」というあだ名の通り、当初はただスピリットでアタック(【激突】)していくスタイルだったが、百瀬勇貴をはじめとする強敵とのバトルを経ていく中でより洗練され、戦略的になっていく。
ただ、戦略が洗練されていく中でも本人は【激突】に対して強い愛着を持っており、【激突】をもって異界王に勝たねば意味がないとも考えている。
ちなみに【激突】とは、相手のスピリットのブロックを強要する能力である。
ちなみにOP映像では魔龍帝ジークフリード、一時期加入という形で激神皇カタストロフドラゴンを使用していたが、前者は劇中で最後まで未使用、後者は使用後にミミ族の村に返還した。
「胸に響くスピリットの声… フィールドを吹く乾いた風…」
「砕け散るコアの輝き… 体中が沸騰する、この感覚!」
「俺は… バトルフィールドに帰ってきたんだ…!」
元赤のコアの光主。数多くの大会で優勝を収め、ついには殿堂入り。名実ともに最強となり、多くのカードバトラー達の憧れとなっている。
しかし、グラン・ロロでの命を懸けた激しいバトルが忘れられず、心のどこかで強敵と熱い戦いを求めており、「自分の力を必要とする場所がある」というまゐの誘いを受けて西暦2650年の未来、異界魔族との戦いに身を投じる。
バトルスピリッツによる代理戦争・決闘が行われる未来では、人類軍のカードバトラーとして敵対する魔族と戦う他、地球リセットを止めるために奮闘する。
人物
前作の冒険から2年が経過し、命を懸けたバトルフィールドでの本気のバトルを求める渇いた性格へと変わってしまっている。その様子は、月光のバローネに自分と同じく本当の強者との戦いを求める「強さの深み」へと至っていると評される。
口数も少なくなり、時に誤解を受けてもそれを解こうとせず、深く立ち入ろうとしない。
これは2年の間で起きた出来事が原因となっているが、困っている誰かを放っておけない根っこの性格は変わってはいない。子供に対しては特に昔と変わらず優しい表情を見せる。
未来での戦いの中で、時に傷つくことがありながらも仲間の支えやライバルとの出会いの中で徐々に心の傷を癒していく。
「俺が今出来ることはバトルだ!」
「そして、無駄な争いを繰り返す魔族を止めるためにオクトへ行き、魔族の女王と話し合うことだ!」
「俺は、魔族も人間も、救える者はすべて救う!」
そして、バトルを楽しむためではなく、混乱の中にある人類と魔族を救うべく、自分に出来ることを為す。
かつて自分が破った異界王に対しても、彼の苦しみを身を以て体験し、彼が単なる悪人ではなく大局を見据えていたことを理解。
一つのことに囚われず、相手をただ否定せず理解する大きな器を身につけた。
また、前作よりもシリアスな面が成長した事からファンの間では「弾さん」と呼ばれている。
未来世界においては、「コアの光主という英雄」「異界王から魔族を解き放った原因を作った者」という二つの評価を受けており、当初はユース・グリンホルンからも毛嫌いされていた。
ユースはまゐやクラッキー・レイから諭されたこと、ダンの生き様を直接見て、ダンへの認識を改め成長していく。
ダンもまた、次第にユースのことを認め、彼の成長を喜んだ。
生身の戦闘力も健在で、剣を操って魔族を圧倒したこともあった。
来歴
2年間
異界王との戦い後、ダンをはじめとするコアの光主達は当初英雄としてもてはやされたが、コアの光主達は異界王との戦いの中で気づいた「世界の矛盾」について訴えていこうとする。
しかし、世間は彼らの声に耳を傾けることはなく、彼らを疎ましく思う『世界の経済・政治を裏から操る存在(フィクサー)』による世論誘導と共にコアの光主達は孤立し、ついには友人や家族からも手の平を返すような扱いを受け、時には「異界王は光主達が連れてきた」と言われるなど、いわれなき誹謗中傷に次第に傷ついていった。
それでも世界の矛盾を正そうとフィクサーとの戦いを続けていったダン達だったが、百瀬勇貴がそのフィクサー達の手にかかってしまう。ついに絶望したダンは、憎しみにとらわれたかつての異界王のようにならないようにすることで精一杯で、失意の中、仲間との連絡も断ち、唯一自分に残ったバトスピにのめりこんでいった。
そうして図らずも異界王との戦いの時は理解できなかった世界に対する異界王の絶望を理解することとなってしまった。
空白の2年間が描かれた小説では迫害の経緯が詳しく語られている。
西暦2650年へ
自分の生きがいをバトルの中にしか見いだせなくなるほど荒んでいった彼だったが、その約2年後、2010年8月30日にまゐと再会。
「強い奴とのバトル、体中沸騰するようなすごいバトル」を求めるダンは、まゐに自分のバトルを必要としている場があると誘われ、西暦2650年8月30日の未来に旅立つ。
本来は環境破壊によって荒廃していたはずの未来は、異界王の介入の結果もたらされたコアの技術により回避され、代わりに人類と異界魔族がバトルスピリッツという代理戦争によって争う世界となっていた。
異界魔族との戦いのために呼ばれたダンだったが、魔族が人工的に大陸を生み出した影響による地球の自浄作用による地殻変動のため、人類・魔族滅亡まで残り一年という事実を知る。
ただの気休めにしか過ぎない自分の役目に悩んだが、異界魔族バローネとの熱いバトルの中で、地球リセット回避のために魔族の協力を取り付けるべく魔族の女王ギルファムと会う決意を固める。
バローネとのバトルには敗北してしまったが、自分と似た「最強ゆえに熱いバトルに飢えている」彼にはシンパシーを感じ、お互いを認め合った。
ギルファムに会うための魔族の大陸『オクト』へ向かう道中、地球リセットを回避できる可能性を秘めた、12宮Xレアの力を使うことで発動する神々の砲台の存在を知り、バローネにそのことを伝える決意をする。
「魔族はコアの光主達が連れてきた」という噂を信じ自分に反発するユース・グリンホルンに対してもその誤解を解こうとせず深く立ち入ろうとはせず、更にバトル中に不敵な笑みを浮かべ、時にわざと相手の全力を引き出した上で勝つなど戦闘狂めいた性格を見せることもあり、周囲からダンは変わってしまったのではないかと心配されることもあった。
しかしバローネとの再戦時には「最初はバトルできるだけで満足だった。だが、今は違う。みんなが困っているって知ってしまったんだ。苦しんでいる人が居るのに、知らん顔なんかできない!」「ひとつの事に凝り固まると、大事な事が見えなくなる。バローネ、ちゃんと見ろ! バトルフィールドの外にも世界があるってことを!」と語り、見事勝利。
かつてと変わらぬダンの姿にまゐ達は安心し、バトルにしか興味がなかったバローネに変化のきっかけを与えた。
魔族の大陸オクトでは魔族の暴将デュックに勝利することで、女王ギルファムに12宮Xレア捜索の協力を取り付けることに成功するが、自分に敗北したバローネが追放、暴将デュックが幽閉という事態を引き起こしてしまったことを憂う。
しかし、ダンを未来に呼ぶことを決めた張本人である人類軍教官ゾルダー・グレイヴの叱咤により、自分の役目は、たとえ敗者を生むことになろうとも勝ち続け、未来を切り開くことだけだと覚悟を新たにした。
獄龍隊との対決
12宮Xレア探しの中、暗闇のザジにより組織された女王直属・獄龍隊隊長獄将デュックにより12宮Xレア全てを奪われ怪我をし、ダンを助けようとしたバローネも重傷を負い人類軍本部で共に傷を癒すことになる。
12宮Xレア探索のために暴挙を続ける獄龍隊を止めようと、ギルファムと話し合うためにバローネと共に再びオクトへ向かうが、そこにあったのは暗闇のザジの謀略による女王ギルファムへの反乱勢力だった。
ダンはバローネと共に女王を助け、獄将デュックにリベンジを果たすことに成功する。
しかし、混乱の最中にある魔族の暴走を抑え取りまとめるために、バローネはダン達から離れ、魔族の統治者として行動することを決意。同時になぜかまゐもダン達を離れバローネと行動を共にすることを決めたため、ダンは少なからずショックを受けた。
世界の混迷の中、デュックの息子ルガイン主導による人と魔族の懸け橋となるべく行われた人類軍と魔族の調停の場に現れ、魔族と人間の対立を煽ったイザーズのXレア『蛇皇神帝アスクレピオーズ』の脅威を目の当たりにする。
イザーズの正体は暗闇のザジであるとあたりをつけ、スロバキアにてザジと対戦。彼の正体を暴き、獄龍隊創設の秘密、そして謀略を続ける裏にある彼自身の闇を知ることとなる。破滅願望ともいうべき彼の行動を異界王のようだと評しながらも、「異界王の足元にも及ばない。お前には壊した先のビジョンがない。ただ壊すだけならわがままな子供と同じだ」と一蹴。
圧倒的な力で彼を下しながらも、最後はイザーズなりに時代と向き合い戦い続けてきたと彼を慰め、イザーズの心を開いた。
イザーズとのバトル後、異界王に思いを馳せ、彼の書いた異界見聞録を手に取ると、精神世界にて異界王と邂逅。
かつては分かり合えなかったが、様々なものの見方を知り成長したダンと、穏やかな顔つきを取り戻した異界王、時代と戦い続けてきた二人の男は語り合う。異界王はダンの新たな時代を切り開く覚悟を確かめ、ダンもまた異界王のことを「見方を変えれば、あんたが一番世界を案じていた英雄だった」と返す。成長したダンを異界王は「男の顔になったな」と喜び、ダンを激励した。
神々の砲台
12宮Xレアを使い、伝説通り『神々の砲台の引き金』を引いて、地球リセットを抑えるため神々の砲台のある極点に向かう。しかし、神々の砲台起動のために必要なエネルギーがまだ十分に蓄積されておらず、そのためには12宮Xレアを使いこなせるカードバトラーがバトルを行う必要があると判明する。
12宮Xレアを賭けて勝負を申し込んできた紫乃宮まゐ改めヴィオレ魔ゐとのバトルの最中、彼女は魔族の救済のため離反したこと、未来に残っている記録によれば元の時代では2010年8月30日以降にダンが消息不明になったという事実、つまりダンは元の時代に帰らなかった可能性が高いことを彼女から知らされる。
ダンが死ぬ可能性を告げられ、魔ゐに神々の砲台起動のためのバトルに向かい引き金を引くことを止めるよう求められるが、動じるそぶりを見せずバトルを続行させる。
敗北を覚悟した魔ゐはダンを引き留めようとついにダンに思いを告げるが、それでも止まることなく突き進み、勝利直前に「俺はこの時代に来て、生きる力を取り戻せた。お前が俺を救ったんだ。ありがとう…」と感謝の言葉を伝え、それに応えた魔ゐが自ら攻撃を受け入れる形で勝利する。
勝利後、魔ゐに「俺にはお前が必要だ」とまゐの告白に応え、共にソフィア号に帰還した。
まゐのソフィア号帰還後、神々の砲台へエネルギーを供給すべく、バローネとの最終決戦に挑む。
ダンは勝利を収めるが、神々の砲台は勝者を引き金とすることで発動とするものであったと判明し、最後は「ありがとうございました、いいバトルでした」と感謝を告げ、笑みを浮かべながらも一筋の涙を流しながら、神々の砲台の発動と共に光の中に姿を消した。
元の時代に戻ったまゐは、いつの日かまたダンに会える日を信じ続けている。
使用デッキ
人類軍に支給されている、ブレイヴを駆使する赤中心の混色デッキであり、手に入れた12宮Xレアも使用する。使用するブレイヴによって混ぜるカードを変えており、ほとんど赤しか使わなかった前作に比べて様々な色のスピリットやマジックを使うことが特徴。
前作で使用していたデッキは現代に置いてきている。本人曰く「行った先のデッキで十分」とのことだが、かつてのつらい過去を思い出したくないという気持ちもある様子。とはいえ、ユースが使用した『龍星皇メテオヴルム』を見て「会わせてくれてありがとう」と感謝を告げるなど、かつてのスピリット達への愛着は変わっていない。
キースピリットは『太陽龍ジーク・アポロドラゴン』、『太陽神龍ライジング・アポロドラゴン』、『光龍騎神サジット・アポロドラゴン』。
バトルフォーム
コアシップ『麗しのソフィア号』のコアブリットに備え付けられたものを使用する。
通常、胸のT字部分は点灯しておらず、バトル中には赤色に光るが、スピリットとブレイヴが合体すると下のイラストのように、合体したブレイヴの色に応じてT字部分の色が変化する。
更に『光龍騎神サジット・アポロドラゴン』の効果でダブル合体すると、バトルフォーム全体が黒色に染まる。その際のバンクでは、ダンの表情も中学生がする表情とは到底思えないような壮絶な強面になる。
最強銀河究極ゼロ
『究極のバトスピ』を求めて究極宮ボイドを訪れた一番星のレイ達。
三龍神の一柱『アルティメット・ジークヴルム・ノヴァ』の導きで歩いていた一行は、赤と紫の薔薇が野原に咲き誇る場所を訪れた。その花園の中には二つの像があった。
『アルティメット・ジークヴルム・ノヴァ』のご先祖だという、『超神星龍ジークヴルム・ノヴァ』と『滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ』で弾とまゐを彷彿とさせるものとなっている。
そして…
2019年、馬神弾は帰ってくる。
「震えるな。バトルは続いている…」
『ブレイヴ』終了後、約10年の歳月が経過した世界を舞台とした続編作品。
第1話では「人類至上主義」を掲げ異界魔族を排除しようとする組織、カーディナル・サインの刺客とのバトルで苦境に立たされたバローネを助けるためにバトルフィールドへと再び帰還する。
それ以前にも仲間である元光主達、ズングリー、バローネのデッキに突如謎のカード『激突王のキセキ』が現れ、復活の兆候を見せていた。
また、この現象により『現代』・『未来』・『異界グラン・ロロ』に分かれて暮らす過去作の登場人物達が築いてきた絆は途絶えることなく続いている事も描写されている。
復活できた経緯は不明だが、『ブレイヴ』終盤の展開でダンと共に消滅したはずの12宮Xレアがレオス・ギデオンの手元に揃っており、それが関連していると思われる。
ちなみに他の前作キャラは10年分年齢を重ねているが、ダンは10年前のままの姿である。
分かりづらいが、僅かながら体に粒子状の光を纏っている描写がある。
第2話ではギデオンに捕らえられた12宮Xレアに呼ばれて帰還した旨が語られたが、多くを語ることなくグラン・ロロにワープ。
マギサの神殿でデッキ構築に悩んでいたズングリーの前に現れ、『激突王のキセキ』を『アドベントスター』に変化させ「赤デッキならもっと攻めないと」とアドバイスを送るが、赤の世界を守ることを一人で背負い込んでしまっていたズングリーは、「自分一人で勝てる」とそれに反発。飛び出してしまい、敵である鍬形のザバイアの本丸に単身で乗り込んでしまう。
その後、バトルに敗れてしまったズングリーに代わり、ザバイアと地球を賭けたバトルを開始。ズングリーのものをベースにしたデッキを使いながらも彼のデッキにはなかった『ソウルドロー』や回収マジック『コズミックリターン』を絡めながら攻め方をレクチャーした。
バトル終盤、ズングリーと精神世界での会話では「どうして一人で行ったんだ」と問い、ズングリーの「みんなのために未来で引き金になったダンを見習いたかった」という返答を受けて
「なりたくてなったわけじゃない…。覚悟はあった。でも“みんなのために”なんて…誰もが思うほどカッコいいものじゃない。だけど……今は、これが“俺”だ!」
と今の自分の姿をズングリーに見せて勝利。
その後は神殿でマギサに優しく見守られながら、カレーを傍らにズングリーとの「約束のバトル」を果たした。
なお、第3話の冒頭ではこのときダンの分のカレーだけ手を付けられていない描写があり、既に普通の食事を必要としない肉体となっていることが示唆されている。
第3話ではギデオンと対峙。彼の過去を聞き、かつてのフィクサーとの戦いを振り返りつつバトルを続ける。
ギデオンはダンを「幼さゆえに異界王を倒して世界の矛盾をそのままにし、フィクサーに愚直に挑んで敗れ、未来では望まぬ引き金にされた男」と考えていた。
そして、フィクサーの権力と12宮Xレアの力で現在・未来・異世界の魔族を排除し、魔族の犠牲を躊躇わず己の支配による“痛みのない”理想の世界を作ろうとするギデオンに「魔族を駆逐した暁には12宮Xレアはくれてやる、その力で生き返るがいい」と持ちかけられるが、
「俺達が生きたあの時間を、なかったことにしたくない」
と、自分や仲間達のしてきた選択に後悔がないことを告げる。
そして、精神世界で再会したまゐに感謝の想いを伝え、新たな切り札『超龍騎神グラン・サジット・ノヴァ』でギデオンとのバトルにも勝利。
一旦の決着をつけた後、知恵の間らしき場所で異界王と会話。なんの疑問もなく彼と会話しており、異界王が現れる前からその場で椅子に腰かけたりしていたため、普段はそこで過ごしているのかもしれない。
彼との会話を経て、「12宮Xレアが待ってる」とギデオンによって生まれた新たな時間軸に旅立った。
そして「アタックステップ!」という宣言とともにサーガブレイヴの物語の幕は下りる。
その戦い、いまだ終わらず。
敵は「世界の矛盾」。いつか人が知恵を持って互いを愛し成長し、その矛盾を克服する日まで、ダンは世界を守るため戦い続ける。
使用デッキ
第1話ではバローネと途中交代する形で登場したため、デッキそのものはバローネの『月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタ』及び創界神ネクサス『光導双神アポローン』を中心とした赤デッキ。
しかし、事前にバローネのデッキに現れていた『激突王のキセキ』がダンの切り札にして化身『超神光龍サジットヴルム・ノヴァ』に変化しており、『光導双神アポローン』を絡めた能力のラッシュをかけ相手ターンでのフィールドの壊滅という離れ業を見せたうえ、神話ブレイヴ『銀河星剣グランシャリオ』との合体も披露している。
第2話ではかつてのキースピリットのリメイクである『龍星皇メテオヴルムX』を軸にしたデッキを使用。『太陽龍ジーク・アポロドラゴンX』なども投入されており、『少年激覇ダン』『ブレイヴ』の視聴者には嬉しいデッキになっている。ちなみに『龍星皇メテオヴルムX』の召喚口上は『少年激覇ダン』当時と同じものだった。
同話でズングリーが使っていたデッキに似ているが、「負けない」ことに必死のあまり過度に防御マジックを投入した彼のデッキ構築に対し、「"負けないデッキ"と"勝つデッキ"は違う」ということを教えるために回収やドローマジックが採用されている。また、もちろん攻撃一辺倒ではなく防御マジックとして『リミテッドバリア』を使用した。
『超神光龍サジットヴルム・ノヴァ』は引き続き投入。『光導双神アポローン』に合体させた『銀河星剣グランシャリオ』、『龍星皇メテオヴルムX』とのコンボで、敢えて追い詰められてからの大逆転を成し遂げた。
第3話でのデッキも基本構成は第2話とほぼ同じ。
それに加えて、バローネの切り札である『月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタ』や第2話で敵から奪還した『光龍騎神サジット・アポロドラゴンX』、新たな切り札『超龍騎神グラン・サジット・ノヴァ』を使用。『月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタ』の召喚時にはバローネに似た両腕を開いたカードの構え方を見せたほか、『光龍騎神サジット・アポロドラゴンX』の召喚口上は『ブレイヴ』と同じであった。
防御マジックは懐かしの『ブリザードウォール』が搭載されており、使用時には手元に白い蝶が現れるという粋な演出が成された。
バトルフォームは『ブレイヴ』時と同様。
復活後は、消える前のバトルには無かった『ソウルコア』や『創界神ネクサス』、『神話ブレイヴ』や【煌臨】も十二分に使いこなし、『バースト』についても理解していた。これらの存在や使い方を知った経緯は不明である。
ちなみに、担当声優の緒乃冬華は収録当初、あまりに進化したそれらのバトルシステムにちんぷんかんぷんだったとのこと。
最終話のエンドロール後に登場。
サーガブレイヴ後も知恵の間らしき場所から世界の動向を見守っていたようで、今回起きた物語についても把握している。
ガレット・レヴォによる『赫盟』後、モーヴによる既存種族の淘汰を憂う異界王に、
「『赫盟』を経た世界は、いたずらに血を流すことは無い。対話によって成熟していく」
とどこか確信したように告げた。
弾とガレット。
時代を駆け抜けた彼ら2人の手には、『ブリザードウォール』が握られていた…
余談だか、ミラージュのOP映像にて直接的な描写はされていないが、ガレットと異界人達によるカードバトルの中で、何者かが射手座のスピリットを使っているのが確認できる。
契約編
詳しくは放浪者ダンの項にて
漫画版
『バトルスピリッツ 少年激覇ダン』(ケロケロエース掲載)
『バトルスピリッツ ブレイヴ』(ケロケロエース掲載)
『バトルスピリッツ ブレイヴX』(Vジャンプ掲載)
人類軍の一員として魔族との戦いに身を投じ、魔族との勢力争いに勝利するため、12宮Xレアの捜索を行っている。キースピリットは『太陽神龍ライジング・アポロドラゴン』。
12宮Xレアを集めていく中、魔族のバローネとのバトルの中、バローネから「魔族を滅ぼす覚悟はあるのか」と問われるが、「魔族も人間も全てを救う」覚悟を彼に見せ、勝利した。バトル後、バローネと和解し、魔族と人類の共存の道に向けて歩き出した。
最強ジャンプ及びVジャンプ公式サイトに掲載された読切版では『太陽龍ジーク・アポロドラゴン』を使用していた(現在は閲覧不可)。
余談
- 名前の由来
「バシン! ダン!」というカードを出す(叩いて置く?)からとのこと。
- 不足コスト
『ブレイヴ』では、コストの重いスピリットをよく使うため、0コストのブレイドラから不足コストを確保して消滅させることが多々あった。そのため、公式で「不足コストはブレイドラから確保!」というスリーブが作られたほど。『サーガブレイヴ』でも「煌臨コストはブレイドラXから確保!」していた。
- 設定身長
『ブレイヴ』時の設定身長は160cm。ただ、作中での頭身が高いこともありそれより高く描かれることが多い。
- 設定年齢
時折、『ブレイヴ』での年齢が話題に上がることがある。公式コラム「気ままにブレイヴ」によると『少年激覇ダン』での冒険が1年以上、2作の間で2年、『ブレイヴ』での冒険が約1年のため、『ブレイヴ』ラストのダンは少なくとも16才以上とのこと。
ちなみに、約10年後を描く『サーガブレイヴ』の硯秀斗について担当声優はバトスピ大好き声優の生放送!2019年4月にて24歳と語っている。未来と現代で経過時間が違うのか、上記の監督の話を考慮しない大まかな年齢イメージと思われる。
- 担当声優
後に、大浦冬華の第一子出産の際にはキャラクターデザインの湯本佳典により「赤ん坊と接しているダン」が描かれた。
- 馬神トッパとの関係
トッパとの『苗字が同じ』、『ジークと名のついたスピリットを主体にした赤デッキの使い手』、『アニメのタイトルが少年〇〇』ということ以外関係は全くない。『輝石の覇者』ではイセカイ界が存在する世界の世界に飛ばされて、馬神トッパ達と出会った。
ケロケロA2010年7月号付録の特別短編漫画『ダンvsトッパ 最強カードバトラー対決!!』では、『少年突破バシン』と『少年激覇ダン』が同一の世界観として描かれ、バシンとバトルした。ダンの夢オチではあったが、バシンがウチュウチョウテン王に勝利したことを把握し尊敬していたことから、少なくともこの漫画の世界観では同じ世界に存在していることは確かである。