概要
1970年の全国新幹線整備法制定後、1973年11月15日に基本計画が決定した新幹線の基本計画路線の一つで、富山県富山市から新潟県新潟市、秋田県秋田市を経由して青森県青森市に至る路線で、総延長は560km程度とされる。
この内、富山駅~上越妙高駅間は北陸新幹線、長岡駅~新潟駅間は上越新幹線として開業済みであり、共用区間となる。
整備新幹線を含む全区間が完成すれば新大阪駅から新青森駅を経由して札幌駅間まで日本海縦貫ルートで直接結ばれ、首都圏を経由せずに西日本と北日本を往来することが可能となるが、現在に至るまで建設開始の見通しは立っておらず、開業予定時期も未定である。
2020年現在、全線開業によるメリットを最大限に享受できる山形県と秋田県で建設開始に向けた運動が始まっており、停車駅・所要時間の試算が行われた。
想定されている停車駅
凡例 ●:停車 レ:通過
停車駅/種別 | 速達列車 | 各駅列車 | 備考 |
---|---|---|---|
富山駅 | ● | ● | 北陸新幹線と共用 |
黒部宇奈月温泉駅 | レ | ● | 北陸新幹線と共用 |
糸魚川駅 | レ | ● | 北陸新幹線と共用 |
上越妙高駅 | ● | ● | 北陸新幹線と共用 |
柏崎駅 | レ | ● | |
長岡駅 | ● | ● | 上越新幹線と共用・上越新幹線東京駅まで直通運転 |
燕三条駅 | レ | ● | 上越新幹線と共用 |
新潟駅 | ● | ● | 上越新幹線と共用 |
新発田駅 | レ | ● | |
村上駅 | レ | ● | |
鶴岡駅 | ● | ● | |
酒田駅 | レ | ● | |
羽後本荘駅 | レ | ● | |
秋田駅 | ● | ● | |
東能代駅 | レ | ● | |
鷹ノ巣駅 | レ | ● | |
大館駅 | レ | ● | |
弘前駅 | ● | ● | |
新青森駅 | ● | ● |
所要時間
現状 | 羽越新幹線使用 | 短縮効果 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
東京 - 鶴岡 | 3時間34分 | 2時間21分 | 約1時間13分 | 6県合同プロジェクトチーム試算 |
東京 - 酒田 | 3時間55分 | 2時間40分 | 約1時間15分 | 山形県試算 |
東京 - 秋田 | 5時間10分※ | 2時間40分 | 約2時間10分 | 秋田県試算 |
富山 - 新青森 | 4時間28分 | 3時間2分 | 1時間26分 | 6県合同プロジェクトチーム試算 |
富山 - 新潟 | 2時間25分 | 1時間13分 | 1時間12分 | 6県合同プロジェクトチーム試算 |
新潟 - 秋田 | 3時間30分 | 1時間1分 | 1時間29分 | 6県合同プロジェクトチーム試算 |
秋田 - 新青森 | 2時間40分 | 46分 | 1時間54分 | 6県合同プロジェクトチーム試算 |
※上越新幹線+羽越本線の所要時間。秋田新幹線を利用した場合は最速3時間37分。
課題
総延長が長い割に沿線の人口が少なく、並行する特急「いなほ」も1日7往復(このうち秋田行は3往復)しかないこと、村上までは線形が良く改良の必要性が少ないこと、庄内空港が既に存在すること、現在進行中の整備新幹線の建設もまだ進んでおらずこちらまで手が回らないこと、村上庄内間の高速道路もまだできていないことなど、建設のハードルは大変に高い。
ミニ新幹線またはフリーゲージトレインについては上越妙高駅~長岡駅間で採用する案があったが、前者は日本海縦貫線の一部で貨物列車が頻繁に通る関係で三線軌条は車両の中心がずれてしまうため採用できない、かといって四線軌条では構造が複雑になり過ぎる、後者はJR東日本がこれまで開発に全く関与してこなかったという理由で頓挫したまま現在に至る。
関連タグ
山形新幹線 秋田新幹線…現在運用が行われている新在直通路線(ミニ新幹線)。
奥羽新幹線…山形県が開業を目指すもう一つの基本計画路線。