概要
『機動新世紀ガンダムX』に登場する二大勢力。他のシリーズで言う所のジオンやザフトに当たるスペースノイド(宇宙移民)の武装組織。
月と正反対にあるラグランジュ・ポイントのスペースコロニー群「クラウド9」を拠点とする軍事政権を発端とした軍事勢力。(旧・新ともに)地球統合連邦政府とは激しく対立している。
来歴
アフターウォー以前からコロニーの独立を求める勢力と旧連邦政府との間で武力衝突が多発していた。
中でもザイデル・ラッソ総統を中心とした武装勢力は「宇宙革命軍」と名乗り、旧連邦軍相手に独立戦争(革命軍を名乗るように実際には事実上の革命、地球圏を制する政権の奪取が真の目的である)を挑み、「第7次宇宙戦争」と呼ばれる一大戦争を引き起こした。
革命軍は戦争に反対する勢力をコロニーの住民諸共毒ガスで抹殺し、戦争が8ヶ月にも及ぶ長期戦になると無人となったコロニーを地球に落下させるコロニー落としを準備し連邦側に無条件降伏を迫った(国力に劣る革命軍は長期戦・持久戦が致命的に不利になることを自覚しており、旧連邦本拠地を直接攻撃する事で早期に勝利を得ようという「ライラック作戦」を試みたが失敗に終わったため、コロニー落としに切り替えた)。
しかし地球側はモビルスーツ・ガンダムを投入して徹底抗戦の構えを崩さず、ガンダムXがサテライトキャノンでコロニーを破壊するのを見た革命軍は勝利を焦るあまり恫喝のつもりだったコロニー落としを強行。40基以上のコロニーが地球に落とされ、壊滅的な被害を与えた。
こうして戦争は泥沼化した挙句に破綻し、双方とも大量の戦力を失ったままなし崩し的に勝者なきまま戦争は終結した。このせいでアフターウォーの地球はまるで月面の様にクレーターだらけで(特に旧連邦本部のあった南米や近隣の北米の被害が深刻)、核の冬による食糧危機・経済破綻により戦前は100億人はあった地球圏の総人口は1億人にまで減少した。
革命軍は母体であるクラウド9は無傷だったものの、もとより少なかった国力のために戦力の再建に手を取られて、現状維持のまま15年もの歳月を過ごしていった。しかしあくまで地球侵攻を諦めたわけではなく、欧州を中心に再建しつつあった新連邦の施設にスパイを送り込むなど、地球の情勢を探らせることは怠らなかった。このスパイの中には戦時中から地球に潜伏していた者もおり、コロニー落とし等の理由で犠牲者が出たり、指揮官の暴走で最終的には私物化されたものの無政府状態だった北米大陸に拠点「フォートセバーン」の構築に成功している。
一方革命軍の攻撃でコロニーを追われ、難民となった人々が反革命軍組織「サテリコン」を結成し、放棄された小惑星基地を根城に妨害工作やテロ行為を行っていた。
革命軍はこの基地を発見するとモビルスーツ部隊の攻撃や荷粒子反応弾(強力な爆弾兵器)で壊滅させ、かつての連邦政府が新連邦として息を吹き返すと、かねてより建造していたコロニーレーザーで地球を攻撃する「ダリア作戦」を決行し、一気に地球を制圧し悲願を達成しようとするが、直前にサテリコン残党と手を組んだガンダムダブルエックスのツインサテライトキャノンでコロニーレーザーを破壊されて地球侵攻の切り札を失ってしまう。
その後、ザイデルは旧連邦軍がファーストニュータイプを封印した月面施設「D.O.M.E.」に接触する方針に転換(大戦中や戦後に既に何度も月面施設への侵攻を目論んだが無惨に失敗し続けているにもかかわらず)、状況打開の糸口を得ようと試みた。新連邦との和平交渉という現実的な方針への転換を唱えた部下のニコラ・ファファスも反逆者として銃殺してしまった。月に向け進軍した革命軍は同じくD.O.M.E.を目指す新連邦軍と月付近で戦闘を開始。直後に対話を望んだD.O.M.E.の導きにより、ザイデルはフリーデンクルーや連邦側のフィクス・ブラッドマンらと共にD.O.M.E.との接触に成功したが、彼が望んでいた回答も協力も得られなかった。
それでも尚ザイデルは戦い続けようとしたものの、ブラッドマンを裏切ったフロスト兄弟によって両者共に暗殺される。
指導者であるザイデルが戦死したことでようやく新連邦との和平交渉に臨んだ。
ニュータイプ主義
ザイデル総統は自身の支配するコロニー・クラウド9の思想統制として、進化した人類と言われる「ニュータイプ」を政治に利用する。
ニュータイプを「人の革新」と位置づけ、スペースノイドはその最初の一歩であると説いていた。彼の主義では宇宙に住む人々は全て潜在的なニュータイプであるとし、その能力者は潜在していた力は早い段階で発露した存在とされていた。
しかしザイデルはあくまでもニュータイプを思想統制の為の道具程度にしか考えておらず、能力には関心がなく、むしろそれを恐れ疎んじてすらいた。彼が必要としているのはあくまでも「自身の思想統制や主義に従うニュータイプ」であり、地球生まれでありながらニュータイプ能力を持つという主張していた思想とは異なり、彼にも従わなかったティファ・アディールの存在を認めなかった。
戦争自体もザイデル個人のエゴで発生した側面が強く、彼の死をもって融和政策へと転換した。
余談
機動新世紀ガンダムXという作品自体が「もし一年戦争が最悪の結果に終わったら」という形で作り込まれているため、宇宙革命軍もジオン公国をオマージュした演出が多い。
そのため開発されたMSは軒並みジオンMSをリスペクトされたデザインであり、名称もそれに乗っ取ったルールが存在する。
ただし本拠地であるクラウド9は月の反対側のLポイントにあり、宇宙世紀ではルナツーやサイド7に該当する。
所属人物
所属MS・MA
所属戦艦
関連タグ
エニル・エル:宇宙革命軍将官の娘。