「それにしてもあの“ゲーム”は楽しい……!!我々特権階級だけに許されたスポーツだと思わんかね?」
データ
概要
住民は皆ゲーム好きだというサウザン星人のアリエナイザー。
遊び仲間としてテンテ星人シロガー、ハンドレ星人デーチョとつるんで「ゲーム」に興じている。
「星間評議会」なるものの議長を父に持つためか、白昼堂々とワインを嗜む典型的なセレブ…というより成金趣味丸出しのリッチな暮らしを送る(なおギネーカの父親は登場せず、星間評議会がどのようなものなのかも言及はなかった)。
ただしこの手のキャラのお約束で、ギネーカもとんでもないドラ息子。
ゲームと称して数々の犯罪に手を染め、中でも「水晶によく似たターゲットボールを拾った一般エイリアンをターゲットにし、怪重機でハンティング(殺害)する」というルールの殺人ゲーム『宝探し』を特に好んで彼自身だけでも456人ものエイリアンを殺害しているのだが、その都度事件をもみ消され、罪に問われる事は無かった。これらの点や劇中での言動から、父親から相当甘やかされて育ったことは想像に難くない。
表向きにはレジャー目的に地球に滞在しながら、エージェント・アブレラに大金を積んで最新型怪重機「ミリオンミサイル」を購入し、と共に地球でゲームをするためにやってきた。
なおアブレラはお得意さんとしてお坊ちゃまと呼び、「いつも贔屓にしていただいて…」などと媚び諂っているが、上述にある台詞で自分の考案した「宝探し」を自画自賛しながら楽しむ姿を見て、後ろを向いた瞬間に内心「馬鹿息子が…」と吐唾していた。
心の中のたった一言とはいえ、アブレラでさえ呆れ果てたかのように毒づいた辺り、ギネーカがどれだけ救いようのないクズなのかがうかがえる。
なおアブレラはあくまでエージェント(仲介業者)に過ぎないためか、アリエナイザー達に怪重機や戦闘員等を提供はすれど、彼らの起こす事件・犯罪には不干渉をポリシーとしている。そんなこいつでさえ露骨に嫌悪感を抱いたのはギネーカ一人だけなので、「金持ちだから大口取引が見込める相手ではあるが、できたら関わりたくない」とでも思っていたのだろう。
スペシャルポリスの情報によると、サウザン星はとても文化が進んでいる星で、地球では考えられない高さの高層ビル群が雲を突き抜け無数に立ち並んでいるという。
宇宙の様々な重要施設が多い事でも知られ、サウザン星には宇宙中のエイリアンが行き来し、彼等と広く交流しているとされる。そのため顔が広い彼等には名刺を渡すという習慣がないらしい。
劇中での活躍
ある夜、いつものように「宝探し」を行っていた最中にスーパーデカレンジャーロボに妨害されるも、ミリオンミサイルの飛行機能を駆使して翻弄し、半壊させた上で逃げおおせる。
その後、自身の滞在する別荘の周辺で怪重機が目撃されたために、地球署からセン、ウメコが聞き込み調査にやってくるも、知らぬ存ぜぬと白を切るばかりか、地球を「何もないド田舎な惑星だがワインとチーズだけはいける」、セン達を「安月給」とバカにしながら札束を提示(要するに「これをやるからさっさと帰れ」)。
さらに自身の出自を誇示して「その気になれば宇宙警察を動かして君たちをクビにだってできる」と豪語する不遜な態度にはセレブのエイリアンとの玉の輿を狙っていたウメコが憤慨、温厚なセンも思わず眉を顰める程だった(なお、その後ギネーカはセンからは『帰ると見せかけて、また聞き込み調査をする』という小さな嫌がらせを二度された)。
その後、ターゲットボールをチャンベーナ星人ギンが拾った事から、彼を狙った「宝探し」ゲームを開始。だが偶然にもギンと一緒にいたセンが彼を護衛し、地下に潜ったため、怪重機から降りて追いかけることに。
そしてギンを撃ってゲームセットとなった。
この状況にはセンも激昂し、デーチョやシロガーと共に「ゲームと称して多くのエイリアンを殺害した罪」でジャッジメントを行い、デリート判決を突きつけるも…ギネーカ自身は突き付けられた判決を(文字通り)手で払い除け
「宇宙最高裁判所も僕達には手が出せない」
「ありえない判決だ。パパに取り消してもらおう…」
と一蹴。
しかしマジギレしながら迫ってくるセンの剣幕を前に危機感を覚え、怯えながらデーチョとシロガーを盾にして身を守ろうとまでした。
そこへ(恐らくはアブレラが救援の為に差し向けたものと思われる)イーガロイドが駆け付けた隙をついてミリオンミサイルに再搭乗。
新登場したデカウイングロボを新たな標的に『100年物のロマネ・コンティ』を懸けたゲームを、デーチョとシロガーに持ち掛け三人がかりで襲いかかるが、二人が倒されると
「遊びなのになんてひどいことをするんだ!!!」
とお前が言うなそのものなブーメラン発言をして逆恨みしながら逃走する。
だがデカウイングロボにすぐさま追い抜かれ、ミサイルで迎撃しようとするもの全て蹴り落とされた挙句にキックで墜落。そしてスワンからの通信でミリオンミサイルは「アンチグラビティエネルギー」を搭載していることが判明した為、地球で破壊するのは危険と判断したデカレンジャーはそのまま宇宙に運び上げ……
セン「標的になった人の気持ちを思い知れ!!」
怒りのファイナルバスターを食らったギネーカは宇宙のチリとなるのだった。
ちなみにギネーカに銃撃されたギンは、襲撃される直前にセンと立ち寄っていたもんじゃ焼き屋から、くすねていたもんじゃ焼きのヘラを懐に忍ばせており、それが銃弾から身を守った事により無事だった。
余談
- デリート許可
幾度となく罪をもみ消されたギネーカだが、地球ではあっさりデリート判決が下された。
その理由は不明ながら、
- 単に父親の権力が及ばなかった、もしくは権力を振るえる状況ではなくなった。
- 罪を重ねすぎて父親でもフォローしようがなくなった、または父親に見放された。
- これまでは怪重機に搭乗していた事で現場を目撃されず揉み消しが効いたが、警官(セン)の目の前で犯した現行犯だった以上、揉み消す余地がなかった。
のいずれかと思われる。もっとも、今回の件で父親の方にも(おそらく犯人蔵匿・証拠隠滅容疑で)宇宙警察による捜査のメスが入れられることとなった可能性は高い。
劇中では犬を飼っているところが見られたが、ギネーカの死後どうなったのかは不明。
一応ブリーダーであるデーチョから譲り受けた、もしくはデーチョの飼い犬を可愛がっていた可能性もあるが、まあ犬は犯罪に関与したわけではないだろうから、地球署が引き取ったか里親を探したかはされたのかもしれない。
- 中の人
声を担当した山口氏は今作がスーパー戦隊シリーズ初出演(その他東映特撮作品には本作以前に『テツワン探偵ロボタック』にてトラボルトの声でレギュラー出演していた)となり、6年後の『天装戦隊ゴセイジャー』にてニュートラルのアインIの声を担当。さらに10年後の『烈車戦隊トッキュウジャー』にてチケット、およびトッキュウチェンジャーを始めとするトッキュウジャーのアイテムの声でレギュラー出演を果たした。
- 名前
出身星と名前の由来は、英語で「1000」を意味する「サウザンド」と鉄鋼王の異名を持つ大富豪アンドリュー・カーネギーから。
デザイン画での名称は「レセブ星人ギネーカ」。
- ちなみに
玉の輿を狙っていたウメコだが、彼女は後にセンと結婚した。この回でセンは貧乏育ちだったと判明した(センがギンにもんじゃ焼きをご馳走した際、彼に明かしている)が、それでも正義感と優しさを持ち続けていた。
金持ちだが性根の腐りきったギネーカや、優れた腕を持ちながら(どれだけ真面目に宇宙警察の務めを果たしても感謝されないどころか恐れられ疎まれる日々を送っていたという事情があったとはいえ)金に目が眩んで堕落した元警官、女性の恋心に付けこんで、文字通り食い物にして命を奪う女の敵そのものな外道といった連中も見てきたからこそ、ウメコは「金」よりも「心」を選んだのかもしれない。