概要
被子植物双子葉類マメ目の一群。大豆をはじめ、小豆、インゲンマメ、ヒヨコマメ、落花生など、種子が「豆」として利用される植物の多くが属する。
この科に属する植物は1万8000種とも2万種とも言われ、双子葉類の中でキク科に次ぐ種数を誇る。葉は複葉(三出複葉または羽状複葉)になる種類が多く、夜に葉を閉じるものもある。マメ科植物の種子(いわゆる「豆」)は莢(さや)の中に納まっている。花は蝶のような独特の形がみられ、ルピナスのような草花やアカシアなど花木として栽培される園芸種もある。窒素固定細菌との共生関係を発展させているため、やせ地でも育つことができる。
分類
ジャケツイバラ亜科(ジャケツイバラ、サイカチ、ハナズオウ、タマリンドなど)、ネムノキ亜科(アカシア、ネムノキ、ギンネム、オジギソウなど)、マメ亜科(ハギ、スイートピー、カラスノエンドウ、エニシダ、ハリエンジュなど)が主要な亜科。マメ亜科の植物はメイン画像のような特徴的な「蝶形花」をつけることが多い。ただし、マメ亜科であっても集合花をつける種の中にはシャジクソウ属(クローバーの類)やルピナスのように蝶形花と分かりにくいものもある。ネムノキ亜科の花は花びらは小さく、雄しべが目立つものが多い。
マメ科植物の利用
作物としては主に種子が加熱調理され食用に供される。サヤインゲンなどとして鞘ごと食される場合もある。生で食べられないのは有毒な酵素を含んでいるためで、テレビ番組で紹介されたインゲンの不十分な加熱で健康被害をもたらした事件もある。多くの国でタンパク源として利用され、インゲンマメは中南米で、ヒヨコマメはインドで、大豆は日本や中国で、それぞれ準主食的な地位にある。大豆や落花生は脂肪分も豊富で、油の原料にもなる。
多くのマメ科植物の根には根粒菌が共生しており、菌の作用で大気中の窒素を固定することで、やせた土地でも良く育つ。ここに着目し、農業では土地を肥やすため、田畑の裏作(緑肥)としてレンゲソウやクローバーなどのマメ科の植物を植える事がある。