スパイダーウーマン
すぱいだーうーまん
概要
MARVELコミックのキャラクター。
1977年に初登場した「スパイダーマン」の女性版で、クモの能力を持つスーパーヒロイン。
タイトルとしては、初代がデビューした翌年から全50巻が刊行されたシリーズや、歴代四名とマダム・ウェブが競演した1999年刊行のシリーズなどが知られている。
キャラクター
別宇宙も含めるとかなりの人数がいるが、正史世界【アース616】の4人を挙げる。
ちなみにその大半は、ピーター・パーカーのような「特殊なクモに噛まれた」以外の理由で能力を得ている。
三代目
1998年デビュー。本名:マティー・フランクリン(Martha "Mattie" Franklin)。
マーサ(Martha)の愛称である「Mattie」には「マティ」「マッティー」などの表記ゆれがあるが、いずれもpixivでのタグ用例は無い(2024年4月現在)。
ピーター・パーカーと因縁のあるJ・ジョナ・ジェイムソンの姪。父子家庭で育ったが、その父親が魔術に関わっていることを知り、代わりに儀式を受けたことで超人的なパワーや飛行能力を会得。元から憧れていたスパイダーマンの不在時に「スパイダーマン」を勝手に名乗っており、彼の帰還後から「スパイダーウーマン」を名乗った。マティーを主人公とした新シリーズ『Spider-Woman』がスタートした(1999年)が、18号(2000年)までで打ち切りとなった。
この短い期間に頻繁にコスチュームを変更している。
二代目のジュリアと同じく四代目のシャーロットに能力を奪われるが、これを撃退。さらに打倒し、奪われた能力を取り戻した際に、同時にクモの能力を得た。
最期はJJJの後妻マーラとともに死亡している(2010年)。
初登場から死亡までが(作中の時間軸ではなく出版史上において)12年間、平均より短すぎるということはないものの、この間マティーの動向が描かれているのはジェシカ・ジョーンズを中心としたストーリー『Alias』の中盤のエピソード(2003年)と、若手のはぐれヒーローチーム『The Loners』メンバーとしての登場(2007年~2008年)に限られている。
四代目
1999年デビュー。本名:シャーロット・ウィッター(Charlotte Witter)。
カサンドラ・ウェッブの孫娘だが、これまでの3人とは違いヴィラネス。
ドクター・オクトパスに見いだされて改造を受け、超人の能力を抽出して奪い取る能力を持つ。
当時「スパイダーウーマン」を名乗っていたジェシカ、ジュリア、マティーの能力を奪ってスパイダーマンを打倒する計画だったが、カサンドラの助力で結集した3人に敗北した。
一度は昏睡状態に陥り、祖母であるカサンドラが身柄を預かることになったが後に復活、複数回に亘ってマティーを襲いスパイダーウーマンとしての能力と名義を奪い合う。スパイダーウーマンの四代目ではあるが、実質「偽ヒーロー」枠といえる。
当代「スパイダーウーマン」
ジュリアが二代目スパイダーウーマンとして登場する直前(1984年)、ジェシカは超人としての能力の大半を喪失しアベンジャーズを脱退、私立探偵としての活動を中心とし、以降は「元・スパイダーウーマン」として登場することが多かったが、能力は戻ったり弱体化したりを繰り返しながら複数のヒーローチームに招請されており、2008年には(以下略)
2010年、クラヴィノフ一族によって三代目スパイダーウーマンのマティーと初代マダム・ウェブのカサンドラが殺害され、同じイベントでジュリアが二代目マダム・ウェブを襲名。
四代目スパイダーウーマンのシャーロットについてはその動向に不明な点が多く、元々が半ば員数外の扱いなので、結果的に初代であるジェシカ・ドリューが再びスパイダーウーマンの名義を用いている(2024年現在進行中の『GANG WAR』というイベントで活動している)。
余談
数々のMARVELキャラクターを世に送り出したスタン・リーによると、かつてライバルのDCコミックから「ワンダーマン」が「ワンダーウーマン」に似ているとして訴えられそうになったため彼をデビューエピソードで死亡させ、さらに「パワーマン」を出した数年後に「パワーガール」を出された、という苦い経験を踏まえて、他社から「女性版スパイダーマン」が出る前に自分たちで出してしまおう、という裏事情があったとのこと。
そして案の定、昆虫と会話する能力を持った女性を主人公にした『Web Woman』というアニメをまた別の会社が企画していることを知り、急いでジェシカ・ドリューを登場させたらしい。
他メディア
単独アニメ
全16話。1979~80年にABCで放送。
日本では2005年にCSチャンネルで放映されたことがあるが、担当声優は不明。アメリカのディズニープラスでは日本語音声および字幕が対応されておらず、日本では配信されていない。
主人公はジェシカ・ドリュー。ただしオリジンや能力は変更されており、脇を固めるキャラクターも基本的にはオリジナル。
第1,7話でピーター・パーカーがゲスト出演しており、その声優は1967年版と同じだったりする。
エピソードリスト
No. | 原題 | ||
---|---|---|---|
1 | Pyramids of Terror | 9 | Shuttle to Disaster |
2 | Realm of Darkness | 10 | Dracula's Revenge |
3 | The Amazon Adventure | 11 | The Spider-Woman and the Fly |
4 | The Ghost Vikings | 12 | Invasion of the Black Hole |
5 | The Kingpin Strikes Again | 13 | The Great Magini |
6 | The Lost Continent | 14 | A Crime in Time |
7 | The Kongo Spider | 15 | Return of the Spider-Queen |
8 | Games of Doom | 16 | The Deadly Dream |
オープニングシークエンス
『Iron Man: The Animated Series』
CV:Casey DeFranco(シーズン1)、Jennifer Hale(シーズン2)
1994~96年に放映されたテレビシリーズに、ジュリア・カーペンターがレギュラー登場。
ペッパー・ポッツのポジションで、トニー・スタークの助手兼親友、ビジネスパートナーかつ恋愛対象。ライバル枠にスカーレットウィッチが配されている。
『スパイダーマン:スパイダーバース』シリーズ
原語版:イッサ・レイ / 日本語版:田村睦心
2023年6月公開の第2作『アクロス・ザ・スパイダーバース』から登場。
こちらもジェシカ・ドリューで、2000年代のコミックと同じく妊娠中だが、主な移動手段がバイクになっている。
スパイダーマン・ユニバース
2024年2月公開の映画第4作『マダム・ウェブ』にて、コミックでウーマン / ガールを名乗った3人が実写デビュー。
2000年代が舞台で、年齢は10代に統一された。主人公キャシー・ウェブは老婆から30歳に変更。
- ジュリア・コーンウォール(演:シドニー・スウィーニー / 吹替:潘めぐみ)
上記の通り旧姓。両親が離婚し父親に引き取られたが、義理の母や弟と折り合いが悪く、孤立している。
急病になった義母をキャシーに救助されている。
- マティ・フランクリン(セレステ・オコナー / 伊瀬茉莉也)
海外で働く両親とは疎遠で、JJJは「ジョナ叔父」として言及された。
スケボーに乗って道路を走っていた際、キャシーの運転する救急車に危うく引かれ掛け、顔は見えてない運転席のキャシーに向けて中指を立てた事がある。
- アーニャ・コラソン(イザベラ・メルセド / ファイルーズあい)
キャシーと同じアパートの一階に住んでおり、不法移民の父が強制送還されてしまったため、家賃について大家から注意を受けながら孤独に暮らしている。
謎の男エゼキエル・シムズに命を狙われているところを、三者三様で繋がりのあったキャシーが予知能力で助けることになる。