「俺は人間を愛しているから! まずは人間の幸せのために、一番邪魔な蝿を消しに行こうか……!」
「俺はジェルマン! 俺は人間を愛しているからさぁ~、全てマルガムに変えてあげたいんだ!」
概要
『仮面ライダーガッチャード』の登場人物。
冥黒王共通のマルガムの素体に似た複数の腕で構成された身体を持つが、魔導師然としたギギストとは異なり、鎧を着込んでいるような黒い身体となっている。
複腕は上に掲げたような造形となっており、金色の球体は両肩と胸元、三角の仮面も腹部に埋め込まれている。
人物像
「人間の心なんて理解してどうする? 人間の本当の望みは、俺たちに支配され、正しい進化をケミーと共に辿ることだ!」
落ち着いた物腰の同胞二人とは異なり、非常に多弁かつ騒々しい言動の持ち主で、若々しい声色とおどけた態度を取りながら雄弁に語る姿は道化師を思わせる。
「人間を愛している」と語るが実際は愛玩動物を戯れで可愛がっているようなもので、自分たちの技術を猿真似しておきながら我が物顔で生きる錬金術師のことは「目障りな蝿」と見下している。
その本性は愛を与えると嘯きながら、自分の愛を受け入れない存在には極めてヒステリックに喚き散らすなど強烈な自己愛を押し付けるエゴイスト。
能力
錬金術師が基本とする「万物はこれなる一ツ者ノ改造として生まれうく」の詠唱のみで周囲にある普通の石物から人工生命体・ゴーレムを錬成するなど高度な錬金術の使い手。
素の戦闘力も高く、前回のエピソードでギギストを圧倒したレインボーガッチャードを(仲間を庇ったとはいえ)あっさりと変身解除に追いやっている。
活躍
「だぁが……冥黒王が一人だなんて、誰が決めたんだい?」
同胞のガエリヤと共に暗黒の扉から現れると、レインボーガッチャードに敗北したことで自分の身体を再錬成していたギギストの前に出現。抜け駆けしようとした彼を嘲笑し、グリオン復活を願うアトロポスに種明かしとばかりに「自分が取り込んだ」ことをからかいながら告げた。
ここでギギストの口からプラチナガッチャードに敗北したグリオンを扉の向こう側に引き摺り込んだ腕がジェルマンのものであることが判明。初陣として取り分け目障りな蝿である本物の九堂風雅に狙いを定める。
他の冥黒王と共に隠れ潜んでいた研究室を特定し、更に力を与えて暴走させたクロトーに襲撃させるも、アトロポスから情報を得た九堂りんね経由で異変を知った一ノ瀬宝太郎達がエクシードファイターの力で駆けつけたことで仮面ライダーマジェードと戦闘を開始。この事態に「一度に始末することができる!」と意気揚々としていた。
戦闘中、「マルガムこそ人類が進化するための要素だ」と語りながらケミーを渡すよう促すも当然拒否され、実力行使とばかりにゴーレムを錬成。後一歩まで追い詰めるも、ミナトと風雅の機転によって撤退を許してしまう。
その後はニジゴンを奪うべく、姿を消した彼を探していた宝太郎とりんねの前に現れ、再びゴーレムを錬成して攻撃を仕掛ける。
それでも奮闘するプラチナガッチャードとマジェードに抑え込んでいた苛立ちが爆発。
「低能なる人間どもが……大人しく俺の愛を受け入れろよォォ! 優しく飼い慣らしてやるからさァ!!」
そう叫ぶと、ゴーレムを媒介に強烈な錬金術を発動、二人のライダーに更なる猛攻を開始する。
余談
- CVの天﨑氏はエクシードファイターとの兼役。
- スーツアクターの浅井氏は同作で仮面ライダーガッチャードデイブレイクを担当している。なお、浅井氏が怪人役を担当するのは『仮面ライダーゼロワン』のアークマギア(オニコタイプ)及び『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のヤバソード以来約4年ぶりで、とくに後者は本作同様下園愛弓氏と敵対する役どころであった。