概要
かわいらしいキャラクターデザインと王道な物語で人を釣り、癖のあるシステム・初見殺しな難易度・途中からの容赦の無いシナリオなど数々のえげつない要素でプレイヤーを殺す、かなり硬派なゲームである。
まあ、PSP版からは専業主婦が出てきたりと硬派とも言い切れないが…。
また2ちゃんねるの開設者のひろゆき氏からも戦闘をする前にどういったキャラクターでチームを組んで、どういうフォーメーションを組むために前もって移動するかとかで、だいたい勝負が決まるという現実社会っぽいゲームと評価されている。戦争とは、戦う前の準備の段階で勝敗が決まっているのだ・・・。
派生作品として『ユグドラ・ユニゾン』、直接の続編として『ブレイズ・ユニオン』が存在する。
GBA版は2006年3月23日発売され、PSP版は2008年1月24日に発売。OPアニメ、ストーリーシーンのボイス、難易度システム、新キャラクター&マップ、二周目要素などいろいろ追加された他、ユグドラのドットがキャラクターデザインに沿ったものになったり、細かいところまでPSPに合わせてリメイクされている。
11年後、公式サイトにて配信を発表。2019年の4月よりスマホ用アプリとして配信中。
さらに2020年の3月よりNintendo Switchで配信。
2023年2月7日にていよいよスチームでも配信。スチーム版は日本語・英語・中国語・韓国語、様々な言語で遊べるようになっている。
EASY機能や裏技機能など後の配信ほど新たな機能が搭載されているので、ダウンロード前に追加機能の違いを比較してみるのが良いかもしれない。
対応機種 | 発売日 | CERO | 備考 |
---|---|---|---|
GBA | 2006年3月23日 | 全年齢対象 | 難易度一つのみ |
PSP | 2008年1月24日 | 全年齢対象 | 難易度「EASY」追加・ミステール、パメラ加入可能に・エンディングD追加 |
iOS・Android | 2019年4月11日 | 全年齢対象 | 難易度「EASY」「NORMAL」を「NORMAL」「HARD」呼称に・新たな「EASY」難易度追加・巻き戻し機能や裏技追加 |
Nintendo Switch | 2020年3月5日 | 全年齢対象 | スマホ版をベースに移植 |
Steam | 2023年2月7日 | 全年齢対象 | Steamの言語切り替え機能で英語・中国語・韓国語プレイ可能 |
ストーリー
大陸世界の中央に位置するファンタジニア王国。
ここは神々の血を受け継いだ王家の一族により治められていた。
そして何代にもわたる賢王の治世により、王国は豊かで安定した時代を築き上げてきた。
しかし第31代国王オルディーンの時代、ファンタジニアの北西…龍の大地より新生ブロンキア帝国が侵攻。
王国軍も騎士団を展開し、抗戦するも帝国軍の圧倒的な攻勢の前に敗戦を重ね、やがてはカローナの拠点を失い、王都パルティナへの侵攻を許すこととなった。
先帝を武をもって廃し、新生ブロンキア帝国軍の皇帝に就いた焔帝ガルカーサは自ら精鋭部隊を率いて、パルティナ城へと進撃。
壮絶な城内決戦の末、ついに、国王オルディーンは焔帝の凶刃にかかり、落命した。
かくして王都パルティナは陥落し、真紅の帝国旗が黄昏の空に翻るのであった…。
そんな中、陥落する王都パルティナから落ち延びた一人の少女がいた。
年のころは16~7、まだあどけなさの残る顔立ちだが、その手には一振りの剣が握られていた。
代々ファンタジニア王にのみ受け継がれてきた聖剣「グラン・センチュリオ」…創国の英雄がこの地を切り拓いたとされる伝説の剣であった。
少女の名は、ユグドラ=ユリル=アルトワルツ。
王国最後の希望を手に、彼女はついに大陸南端の辺境の地へとたどり着く。
そして、その地で出会った少年・盗賊王ミラノと共に、ユグドラの祖国解放の戦いが幕を開ける…。
各チャプターリスト
チャプター数 | サブタイトル |
---|---|
Chapter 1 | 希望を手に追われる者 |
Chapter 2 | 失われた日々 |
Chapter 3 | パルティナ電撃戦 |
Chapter 4 | 囚われのユグドラ |
Chapter 5 | 光と影にたゆたう罪と真実 |
Chapter 6 | グラン・センチュリオ |
Chapter 7 | 竜の眠る最果ての地へ |
Chapter 8 | ブロンキア決戦 |
Chapter 9 | バトル・オン・ザ・レクイエム |
システム
士気
ユニットのHPに相当するもの。
戦闘の勝敗が決する度タクティクスカード(後述)に定められた攻撃力に従って減少、0になることでユニットは死亡。逆に言えば0にならない限りその部隊は壊滅しないので、0になるまで何度負けても戦闘ができる。
ただし、その保有量は味方の場合ゲーム全編(48ステージ)に渡って持ち越されるものであり、回復もステージ間に限られることからユニットの運用には慎重を期す。
ユニオン
本作で戦闘を行う際に自動的に発生する集団戦の単位。
基本的に戦闘は直接接触するユニット同士で行われるが、近くにユニットが存在すると男性はX字・女性は十字にチームを結成。互いに結成したチームで順番に戦いを行っていく。
一戦闘につき最大五連戦で、ユニットの数が揃わない場合最初に戦闘を起こしたユニットから順に連戦していくことになる。
連戦によって何度も戦闘を行っているユニットは兵が疲労して減っていくので、味方は多くのユニットで結成して敵は少ないユニットで結成させれば効率的に連戦中の兵力を削ることができる。ただし、後述の相性や一回の戦闘でより多くの敵を壊滅させたい場合など、どういうユニオンを結成するのかは状況によってよくよく考えなければならない。
Aggressive / Passive
いわゆる攻めと受け。攻撃態勢の指示。
Aggressive(アグレッシブ)が攻撃態勢で攻撃力アップとともに属性が付与される。
Passive(パッシブ)は攻撃力ダウンの代わりにスキルゲージを蓄積していく。
それぞれの指示に応じて戦闘中に流れるサウンドのスピードも変わっていき、
攻めの指示ではよりスピーディに、受けの指示ではスローペースに変化する。
スキルゲージの蓄積によって後述のタクティクスカードによる攻撃ができる。
敵には味方と違い三段階の攻撃ステージがあり、時間と共に変移。
第二段階で属性付与のAggressive状態となり、第三段階でカードを発動。
カードの効果を使い切ると再び第一段階まで攻撃ステージが戻っていく。
なおスキルゲージはユニオンの結成によってある程度まで後続に引き継がれる。
タクティクスカード
ステージ攻略の際に使用されるもので、一ターンにつき一枚消費。(ステージの勝利条件を満たす前に使い切るとゲームオーバーとなり、実質カードの残りの数が作戦成功までの制限ターン)
その用途は、ユニットの移動・戦闘でのスキル使用・戦闘に勝利した際のダメージ計算を兼ねており、カードは作戦を一つクリアするごとに復活するため、一度使ったカードも作戦が変わると再び使用できる。
一部の敵専用カードを除き、新たなカードの入手にはそのカードを持つ相手の撃破が必要。
タクティクスカードによる属性攻撃が装備品による強化属性と一致、もしくは相手の弱点を突いた場合は相手部隊を壊滅寸前まで追い込むFATAL DAMAGE!となる。また、装備品による属性強化と弱点が同時に重なった場合はOVER KILL!となり、攻撃を決めた段階で相手部隊は全滅する。
有名なカード
レヴォリューション
リーダー以外が全滅したとき、相手のリーダー以外を全滅させる。
スティール
ミラノ専用
相手の装備を奪いつつ、大ダメージを与える。アイテムの入手と敵の弱体化で一石二鳥。
マインドチェンジ
制限なし
相手の戦力を奪って味方の戦力にする。攻撃と同時に戦力を回復する。
エースガード
制限なし
連戦中の突撃と反撃による味方のダメージを無効化する。
シールドバリア
制限なし
あらゆる攻撃を無効化する。時間制限タイプ。
キスオブデス
制限なし
名声を代償に敵を弱体化、味方を強化する。夜間限定。
ただし、相手を倒しきれなければ命を奪われる。
ジェノサイド
ガルカーサ専用
味方を生贄に相手のスキルを破壊。焔帝による蹂躙が始まる。
勝つには連戦による疲弊を狙うなど対策が欠かせない。
ジハード
ラ・ピュセル専用
リーダー以外が全滅したとき、問答無用で相手を全滅させる。
最強のタクティクスカード。
昼夜システム
ターンの経過によって昼と夜が変わる。昼しか起きないイベントや夜しか起きないイベント、また昼か夜でしか使えないタクティクスカードなど戦闘に一定の影響を及ぼす。
突撃
戦闘開始直後のぶつかり合い。このときにどれだけ倒せるかはその後の戦闘に大きな影響を与える。弓は反撃を受けずに突撃できる一方で敵の突撃に反撃できない。
相性
剣・斧・槍・杖・弓の5つの武器の相性が存在する。剣は斧に強く、斧は槍に強く、槍は剣に強い。杖はそれら3つ全てに強い反面、弓に弱い。
その他にも鎌や書のような特別な相性を持つ武器も存在する。
またゲーム中には火炎・冷気・電撃・神聖・暗黒の5つの属性も存在。ユニットによって弱点や無効属性があり、戦闘を左右する。属性攻撃はAggressive状態でのみ付与される。基本的に火炎攻撃できる奴は火炎攻撃に強い。
用語
- ファンタジニア王国
大陸中央を股にかける豊かな国。初代の王パルティネイアスから31代にも渡る永い歴史を持ち、王家に代々伝わる聖剣グラン・センチュリオ(後述)の力により本編直前まで大陸世界の支配権を握り、栄華を誇っていた。友好国が多く、後述のメリア教との繋がりが濃い。
地形は草原や麦畑、透き通った水の湖の牧歌的な美しい土地となっている。
その王家は神々の血を受け継いでいると言われており、白鳳凰ミュルミナムスに愛された女帝パルティナの子孫である。そのために王国は白鳳凰と聖剣を中心とする紋章を持っている。
王国では聖剣とは正義のシンボルとみられており、「正義は聖剣の下にある」と王国民は誰しも言い聞かされて育つ。
王国の民は主に「パルティナの民」という人種であり、その見た目は肌色が白く金髪や茶髪が多い。
- 新生ブロンキア帝国
王国より北に存在する山国。武力を尊ぶ軍事国家として知られている。後述の魔竜ブロンガを神と崇める風習があり、国の名前も「ブロンガの眠る地」という意味を持つ。
土地は膨大だがそのため皇帝がよほど優秀なリーダーでないとすぐ辺境まで支配が行き届かなくなる。加えて旧帝政は悪政で民を苦しませるため3年前までは暗黒時代の真っ最中だった。
しかしガルカーサによるクーデターのおかげで国家として立ち直り治安を取り戻した。また、王国の影響や旧帝政に対する不満により廃れかけていた本来の文化も復活。今や武断的な戦闘集団の性格が濃く、他国からは脅威と警戒されている。
民の見た目の特徴として青及び青系の黒髪や朱髪と紫色の瞳が多く、肌色は黄系や淡めの褐色などが見られる。
- エンベリア公国
王国の東に存在する国。ウンディーネと人間が共に暮らす場所であり、長年にわたりウンディーネの女王によって支配されている。その土地の大半は湖になっている。
王国とは同盟関係を築いており、友好国の一つとして王国を支えている。
- ヴァーレンヒルズ
王国の東に存在する国。元は王国の土地だったが、今は独立して魔術師の国としてどこにも属さない地域として栄えている。一応王国の友好国の一つ。
大魔導士バロイを先祖に持つ黒薔薇(ブランテーゼ)家と白薔薇(エスメラルダ)家に治められており、両家はそのバロイが志半ばで倒れて叶わなかった魔法を実現するために日々研究に明け暮れている。両家が長らく北東と南西の土地を分けて良好な関係を続けていたが…?
- ロスト・アリエス
王国より北東、帝国より東に存在する土地。
遥か昔勇者ギルと告死天使アリエスが魔竜ブロンガを倒し、告死天使アリエスが命を落とした地であることが名前の由来。
しかし魔導大戦でほとんどの土地が焦土と化し、植物の育たない「死の大地」と呼ばれるようになる。そのため現代は王国から追放された人物や、大昔王国に土地を奪われた草原の原住民(王国から「古代種」と呼ばれる民族)しか住んでいない。
農業に向かない土地だが、グリフォン飼育のための牧場は存在する。
- タクティクスカード
システムの要であると同時に、世界観上では一般的に使われる便利な魔導具。
古の魔術「言の葉の力」によって作られたカードは、正しい条件の下に詠唱を唱えると強力な魔術が発動する。
その条件とは様々で、必要な力が溜まっていればいつでも使えるものがあれば、限った時間帯や地形でしか使えないもの、限ったクラスにしか使えないもの、限った血筋にしか使えないものまで幅広い。
- 聖剣グラン・センチュリオ
ファンタジニア王国の王家・アルトワルツ家に伝わる巨大な剣。切っ先から柄頭まで170cmの長さを持ち、そのサイズと重さのせいで適性のある者(王族の血を引く者)以外には扱えない。
詳細は個別ページを参照。
- 魔竜ブロンガ
古の時代にこの地上界に突然現れた上位魔族。見た目は巨大な赤い竜。「煉獄の魔竜」とも呼ばれる。
その暴れっぷりで世界に深刻なダメージを与え暗黒時代に陥れたが、やがて勇者ギルと告死天使アリエスに倒された。なお上位魔族は死で消滅しきれずいずれ復活してしまう存在であり、その復活を防ぐためにブロンガの魂はロスト・アリエスのどこかで封印されている。
魔竜ブロンガは恐怖の対象として多くの人々から忌み嫌われる存在だが、ブロンガに仕える人間も少なからず存在した。その人々は自他の生命力をブロンガへの贄として奉納すると絶大な力を与えられたらしい。ブロンガの血を引く人間や契約を結んだ人間は一括りに「ブロンガ一族」と呼ばれている。
また彼らとは別に、山を信仰する北の山岳地の原住民はブロンガを荒ぶる火山の神として崇めていた。この二つの民族の集結により生まれたのはブロンキア帝国である。
- 五頭竜将
読みは「いずりゅうしょう」。焔帝ガルカーサ直属の将軍を指す単語。
預言者ネシア・緋雪姫エミリオ・黒騎士レオン・軍神バルドゥス・魔剣士ラッセルという、二つ名を持つ強力な戦士の五人に該当する。
- ウンディーネ
水の精霊。見た目は人魚。本来は温厚な気質で争いを好まないとされるが個人差はある。
女性しかいない種族のため、「転生石(てんせいせき)」と呼ばれる秘宝の力によって転生続けて種を保つ。
ユニットとしてのウンディーネに関してはウンディーネ(ユニオンシリーズ)を参照。
- メリア教
王国などで主流の宗教。王国の西、砂漠を超えた先にメリア教国とも呼ばれる宗教都市群ロンバルディアがメリア教の教皇に統べられる。テンプルナイツという騎士団が教国と砂漠の治安を守っており、宗教の軍という役割も担っている。
古くから王国と親交を保っており、王の戴冠はメリア教皇が執り行っている。
宗教には様々な派閥が存在し、最近は派閥争いが活気づいているらしい。
ロンバルディアの民衆は王国と同じくパルティナの民が大半。
備考
一部シナリオから前作『約束の地リヴィエラ』と同一の世界観を共有していると思われていたが、当時の新作『ナイツ・イン・ザ・ナイトメア』発表を期に、「Dept.Heaven.Episodes.」(D.H.E.)の一エピソードとして組み込まれた。
関連イラスト
関連タグ
開発者 | STING |
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ジャンル | SRPG ハートフルボッコ ダークファンタジー |
キーワード | 正義 復讐 戦争 責任 |
表記揺れ | ユグドラユニオン |
関連ゲーム | |
D.H.E.エピソード | Riviera〜約束の地リヴィエラ〜 ナイツ・イン・ザ・ナイトメア グングニル-魔槍の軍神と英雄戦争- |
ユニオンシリーズ | ブレイズ・ユニオン ユグドラ・ユニゾン グロリア・ユニオン |
登場するキャラクター | |
王国軍 | ユグドラ ミラノ デュラン ニーチェ ロズウェル ロザリィ ラッセル クルス エレナ キリエ ミステール パメラ ゴードン |
帝国軍 | ガルカーサ ネシア エミリオ アイギナ ルシエナ レオン バルドゥス ジルヴァ ユーディ モニカ カナン |
その他 | マリエッタ 367号 エメローネ イシーヌ ミゼル インザーギ オルテガ ドルト ユベロン マルディム アマレウス フローネ ヨハイム ブライ |
ユニットクラス | ヴァルキリー フェンサー ウンディーネ ナイト グリフライダー バンディット ウィッチ ネクロマンサー アサシン ハンター ゴーレム スケルトン インペリアルナイト |
台詞 | 寄らば斬ります(寄って斬ります) 夜襲っていうのはどうかな? 困った人達だ 紅茶破壊 |
ネタ | 外道王女 夜襲 バナナン総帥 負剣士 戦業主婦 |
カップリングタグ | |
男女 | ミラユグ ミラキリ デュラユグ ロズユグ ロズロザ クルエレ ミスロズ |
百合 | パメニチェ ジルエレ |
腐向け | ガルネシ デュラロズ |