カタログスペック
頭頂高 | 15.5m |
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本体重量 | 11.5t |
全備重量 | 23.1t |
ジェネレーター出力 | 7,510kw |
装甲材質 | ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材 |
総推力 | 測定不能 |
サブスラスター総推力 | 66,790kg |
概要
V2ガンダム専用のオプション兵装であるアサルトパーツ、バスターパーツの全てを装着した状態。型式番号はLM314V23+24となる。
本来は長距離支援用のバスターパーツと、高機動戦闘用のアサルトパーツは、運用戦術の違いから両用することはないとされていたが、各パーツは装備部位が重複することがないように設計されていた。このため、一機のモビルスーツに巡洋艦級の打撃力と多重の防御機構、そして優れた機動性の全てを兼ね備えた機体となった。
劇中での出番は第49話の僅か数分のみだが、「王道の強化装備を全部乗せ」というロマンあふれる設定から根強い人気を持つ形態である。
劇中の仕様
ザンスカール帝国の巨大サイコミュ要塞・エンジェル・ハイロゥ攻略作戦後半、衛星軌道上における要塞の地球降下阻止作戦において、アサルトパーツの完成が間に合ったため、事前に出撃していたV2バスターガンダムへと、リーンホースJr所属のシュラク隊機が増加装備を運搬。急遽野戦換装を行う形で戦線に投入されている。
正規の整備環境で換装を行わなかったため、一部の兵装(マイクロミサイルポッド、メガビームライフル、他)はオミットされ、更にIフィールド・ビームバリア等には充分なエネルギー供給が行われず機能不全を起こしてしまうなど、フルスペックを発揮できたわけではなかった。
しかし、ニュータイプパイロット・ウッソ・エヴィンが搭乗した当機は、ほぼ“単機”でエンジェル・ハイロゥ守備“艦隊”へと突入。
地球連邦軍とリガ・ミリティア連合艦隊の戦略目標である、『エンジェル・ハイロゥの陥落』を事実上達成した(パイロットの自己判断により、シャクティ・カリンの救出等を優先したため、センターブロックの破壊は意図的に実行しなかった)――即ち、文字通りの『戦略級機動兵器』として、ザンスカール戦争の趨勢そのものに影響を与えている。
もっとも、バスターパーツはわりとすぐにカテジナ・ルースに破壊され、その後アサルトパーツもネネカ隊に破壊されているため、上記の通りアサルトバスターとしての劇中での出番はわずかである。
もっとも、これらのパーツがなければV2ガンダム本体が破壊されていてもおかしくなかったが。
人類の未来を賭けて光の翼をまとったウッソが、今、天空を駆け抜ける……!!
機体解説
全オプションを装備した本機は、部分的なスペックを見る限りにおいては、運用環境が限定されたモビルアーマーや、機能特化した重戦闘用モビルスーツに匹敵する値を示しながらも、あらゆる機能のバランスが取れた、いわば“より広い意味での汎用型”となるモビルスーツである。
通常のモビルスーツであれば、武装・装甲を追加することによる重量(質量)の増加に比して、戦闘継続時間を延長するためにスラスターと推進剤を増加させねばならない。更にこれら推進装置を追加した事によってかかる負担から、機体フレームを守るための補強を施し……という際限のない機体重量の増大が生じる。そして、言うまでもなく重量=質量の増加は、慣性による運動性低下という、モビルスーツにとって最も重要な“武器”を捨てさせる要因となるため、技術者は相反する性能バランスを鑑みて、現実的な“妥協点”を探さなければならない。
だが、ミノフスキー・ドライブ・システムを搭載したV2ガンダムは、大推力・推進剤不要・慣性制御の三大メリットによって、上述の制約の大部分から逃れる事が可能となっている。
アサルト・バスターの両オプションが、追加スラスター及びプロペラント増槽を一切有していないという、『フルアーマー』と決定的に異なる特性を持ち、『重武装』と『高機動』を同時に達成できたのは、ひとえにミノフスキー・ドライブの(実戦レベルに耐えられる)完成ありきなのである。
以上のように、本機のカタログスペックはモビルスーツ、機動兵器史において、特筆すべきレベルにあり、宇宙世紀0150年代において一段(以上)上の高みに達していたのは事実だが、敵対組織であるベスパのモビルスーツ群、中でもスーパーサイコ研究所が開発した機体は『最強』の二つ名に相応しい性能を有していたため、もしこれらからの直撃弾を受けていれば即撃墜は免れなかった。
よって、V2ガンダムもあくまで“一つの道具”でしかなく、『戦略級機動兵器』足り得たのは、超長距離狙撃を成功させ、ライフルのビームを相殺し、機体の仕様外となる運用方法を即興で編み出すばかりでなく、“偶発的”に発生する欠陥・光の翼を意図的に最大限活用せしめたウッソ・エヴィンというパイロットが搭乗していたからこそと言える。
関連動画
武装
V2ガンダム/V2バスターガンダム/V2アサルトガンダムの各項を参照。
一斉射撃
本編では未使用であるが、2007年以降のガンダムゲームやPV等では、メガビームキャノン、スプレービームポッド、ヴェスバー×2、メガビームライフル、ビームライフルを同時発射させる所謂ハイマットフルバーストの様な一斉射撃をしているシーンが散見されている。
元々、これらの武装の配置が後発のフリーダムの各武装と酷似している為か、ガンダムSEEDシリーズ終了後もゲーム媒体の方でも少しずつ取り入れられ、EXVSシリーズやガンダム無双3等でもこの一斉射撃がプレイヤー側でも使える様になり、一部の作品では猛威を奮っている。
一見、アニメの機動戦士ガンダムSEEDシリーズから逆輸入した印象を受けるが、実際は同年に発売されたゲームSDガンダムGジェネレーションNEOのスペシャルアタック(超強気で使用出来る必殺技)が初出である。
立体物
BB戦士シリーズ、元祖SDガンダムシリーズ、HGUCシリーズにラインナップ。
BB戦士シリーズでは、劇中同様にV2⇔V2アサルト⇔V2バスター⇔V2アサルトバスターへの換装が可能でメッキパーツやラメクリアパーツとクリアパーツが使用され、照準展開ギミックが組み込まれている。更にBB戦士独自の組み換えでサポートマシンVボマーを組み上げることができる。
元祖SDガンダムシリーズでは、劇中同様V2⇔V2アサルト⇔V2バスター⇔V2アサルトバスターへの換装が可能。クリアパーツと照準展開ギミックが組み込まれている。※現在、入手困難。
リアルタイムに発売された1/144シリーズはバスターのみで、HG1/100シリーズではV2バスターとV2アサルトで分けて発売され単体ラインナップが果たせなかった。
しかし時を経て2015年にHGUCシリーズに単体ラインナップを果たした。ただし、砲撃戦主体の武装が集中しているためかV2単品と違ってビームサーベルやビームシールドのビームエフェクトは付属しておらず、単品版から別途に持ってくる必要がある。また、V2アサルトやV2バスターとして組み立てる事も可能だが、単体での完成度を重視した分換装を想定した構造になっていないため「組み立て後の分解はパーツを破損する恐れがある」という理由で完成後の換装は推奨されていない。
MGでは、2018年に3年前の2015年既発のMG V2単品にアサルトバスターパックをセットにする形でプレミアムバンダイ限定で発売。重量が凄いため、各部関節を強化するV2本体用アップデートパーツも付属。
V2単品版と違い、カラーリングが当時のHG1/100シリーズを意識したくすんだ水色と艶消し金メッキ成型になっている。ただしHG1/100で金メッキが採用されているのはアサルトパーツのごく一部だけなのに対し、MGはV2本体のアンテナやミノフスキードライブのVの字部分までもが艶消し金メッキ成型になっている。
プレバンガンプラ総選挙2022で1位を取った事もあるほどの人気ガンプラとなった。
また、既発のV2単品版にも対応できるよう単品版にカラーリングを合わせたアサルトバスターパックの単品版(MG アサルトバスター拡張パーツ)もプレミアムバンダイ限定で別途に発売。こちらのアサルトパーツは単なる金のメタリック成型であり、メッキではない。
ちなみに割引なしの場合、値段は「MG V2アサルトバスター」=「MG V2」+「MG アサルトバスター拡張パーツ」なので、V2アサルトバスターで買った方がメッキ成型の分お得である(近年はガンプラが割引されないご時世なのもあり猶更)。
バンダイもそれを承知のためかV2アサルトバスターガンダムの再販は何度も行う一方、アサルトバスター拡張パーツの再販に関してはあまり積極的ではない。
外部出演
基本的には、(当然ながら)V2ガンダムの換装形態として登場するが、筐体ゲームやソーシャルゲームでは、「V2アサルトバスターガンダム」単体として最高レアリティで扱われる。
Gジェネレーションシリーズ
V2を開発することにより入手可能。だが性能はナンバリングによりまちまち。
ZERO・F・ポータブルではビームサーベル以外が全部MAP兵器というチャンスステップで撃破してゆくゲームシステムとかみ合わない仕様でスペックそのものは最強クラスでありながら産廃の烙印を押される残念機体であった。寧ろミサイルによる多段攻撃持ちであるバスターのほうが強い。
一方のNEOとSEEDではヴェスバーがMAP兵器ではなくなったため通常攻撃手段が増え、純粋な強化形態となり作中最強クラスの一画となった。
魂ではメガビームキャノンと光の翼と複数のMAP兵器をもつユニットとして登場したが、アビリティーによる恵まれた防御力はともかくバスターのミサイルとアサルトのメガビームシールドが使えないというアサルトとバスターに比べ微妙に爆発力にかける機体に。オーバーワールドでアサルトバスターもメガビームシールドが特殊射撃扱いで使えるようになったこと、バスターのミサイルの多段ヒットが無くなったことで相対的に火力が上がった。Iフィールドがシールドビットに変わり、実弾射撃の防御に対応しているのも強み。
セカンドVとは特殊格闘で光の翼が出せること、燃費などで差別化されている。
スーパーロボット大戦
- αシリーズ
『α外伝』まで登場。ストーリー中でアサルトパーツとバスターパーツが両方揃うと換装可能。性能は移動力と運動性がやや落ちるが武装が大幅に増え、遠近共に強力な武器が揃う。
αでは火力が伸びず燃費も悪い、パーツスロットも1しかないと手のかかる機体だったが、α外伝でロングレンジキャノンが弾数制に変わり継戦能力が改善され、パーツスロットも2に増えた。ただし援護役としては遠距離の敵にはロングレンジキャノンを使ってしまうので、使いたいときに使えないということが起こりがち。援護をさせるならアサルトの方が向いている。
なお、撃墜されるとノーマルのV2ではなくV2コアファイターになる。
終盤、エンジェル・ハイロゥルートに進むと入手できる隠し機体。ダルタニアスの追加武装とは両立できないので、ダルタニアスが火力不足に悩まされることになる。
α同様若干の性能低下はあるものの強力な武器が揃うのだが、ほとんどがビーム兵器に偏っていることやファンネルに比べると威力がやや劣ること、弾数の少なさが問題点。
今回はアサルトとバスターが出ずアサルトバスターのみ。やはり性能は落ちるものの、遠・中距離武装が大幅に増えることと、燃費は悪くなるが光の翼の威力向上が目覚ましい。また、今回は分離が可能で撃墜されても素のV2に戻れる。隠し要素でV2がもう1機手に入るが、こちらはアサルトバスターに換装できない。
初期はアサルトパーツの描き忘れがあり、アップデートで修正された。
最高レアリティのSSRとして、格闘属性の「ビームサーベル」と射撃属性の「メガビームライフル」の二種類が実装。
どちらも『リアル系』のため、命中・回避重視のステータスだが、前者は必殺技の「光の翼」が広範囲攻撃の上スタン付与効果を有し、更にスキル「スペシャル」によってクリティカル時に自機のHPが回復するという特殊効果が追加される。これに同じくスキルの防御確率80%のおかげで、数値以上に長く前線に居続けられる。
後者はV2お馴染みの「分身」標準装備(そして敵の「分身」は無効化するスキル持ち)で、通常攻撃が二回攻撃の上、援護攻撃も有するため実質三回行動という構成。
総じてステータスは控えめだが、アビリティとスキルが全く控えていないユニットになっている。
余談
ムック用画稿
本機にはマイクロミサイルポッドとメガビームライフルが装備されていないデザインと、装備されているデザインの2種類が存在する。
劇中で描写されているのは前者だが、後者共々設定画は放送当時から存在している。
デカール地獄
模型雑誌「ホビージャパン」において、マスターグレード『V2アサルトバスターガンダム Ver.Ka』作例を担当したプロモデラーが太字で強調した言葉。
『Ver.Ka』と言えばカトキハジメ氏オリジナルデザインの、(やたら枚数の多い)デカールが特徴である。
加えてアサルトバスターは、枚数もさることながら15m級MSに合体変形機能と増加パーツが含まれているため、細かい作業が非常に多く、“プロ”でさえ『デカール貼り+クリアーコート』作業だけで、(作業場への)出社~終電を二日半要する事態となった。
正しくデカール地獄である。
ネネカ隊
本機の出撃によって戦略的には完全に後れを取った事により、責任を取らされる形で犠牲を強いられ、その命と引き換えにバスターパーツとアサルトパーツの完全破壊を成し遂げたのが、あのネネカ隊である。
ただし厳密にはカテジナのゴトラタンを引き寄せる囮になった際にバスターパーツの本体である砲身はすでに破壊されている。
プレバンガンプラ総選挙
2019年、プレミアムバンダイが開設10周年を迎えたことを記念した『プレバンガンプラ総選挙』において、『マスターグレード 1/100 V2アサルトバスターガンダム Ver.Ka』が1位を獲得。450体の頂点に立った。
2022年にも再び開催され、MG部門で再び1位を獲得。機体名通りのV2(二連覇)を達成した。
関連イラスト
関連項目
SDガンダム
アサルトバスター:略称タグとしても機能しているが、もう一つ別の意味も存在する。詳細は該当タグにて。
飛駆鳥大将軍:武者版の超越神