ファウンデーション王国
ふぁうんでーしょんおうこく
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概要
ザフトからの支援によって、地球連合の1つユーラシア連邦から独立した新興国家。
王政を敷き、アウラ・マハ・ハイバルが女王を務める。
軍事力は中々のもので、高性能な新型モビルスーツ『ブラックナイトスコード』の開発の他に、地球連合やザフト、オーブ連合首長国ですらまだ実現出来ていなかった「モビルスーツの無人機運用」をもいち早く実現させており、保有する兵力以上と思われるその軍事力は決して侮れない物となっている。
にも拘らず、コンパスに共闘を持ち掛けたその理由は不明。
小説版によると、元々はユーラシア南部に古くから存在していた小国に過ぎなかったが、突然独立を宣言し、それを武力で阻もうとする連邦を返り討ちにしたとのこと。
それに勇気づけられたユーラシアに不満を持つ各地の勢力が次々と独立運動を開始し、ユーラシア連邦政府はそれらの対応に追われて著しく弱体化している(ファウンデーション・ショック)が、弱体化したとはいえ大国であるユーラシアとの対立を誰も望まなない。ゆえにファウンデーション王国の独立を承認する国はほとんど存在しない。
しかしながら技術と経済はめざましい発展をしている。宇宙にも拠点を作りつつある。独立戦争で痛手を受けたにも拘らず短期間で復興を果たし、首都イシュタリアには15万人以上の民が暮らしていて、新市街には近代的な高層ビルが立ち並んでいる。
湖の側に建てられた王宮は石造りで中世の趣きがある。王宮内は豪華絢爛なオリエント風の装飾が施され、御伽話の宮殿を思わせる。
行政機関
- アウラ・マハ・ハイバル:女王
- 親衛隊ブラックナイトスコード
- オルフェ・ラム・タオ:宰相
- イングリット・トラドール:国務秘書官
- シュラ・サーペンタイン:国防長官・近衛師団長
- リデラード・トラドール
- ダニエル・ハルパー
- リュー・シェンチアン
- グリフィン・アルバレスト
保有兵器
- ブラックナイトスコード(以下省略)
- NOG-M1A1 シヴァ
- NOG-M4F1 ルドラ(ガーネット)
- NOG-M4F2 ルドラ(エメラルド)
- NOG-M4F3 ルドラ(スピネル)
- NOG-M4F4 ルドラ(サファイア)
- ????(ネタバレ注意)
- ジン
- ディン
- ????(ネタバレ注意)
余談
- ユーラシア連邦について
独立元のユーラシア連邦は『SEED』の時点から独立運動が血気盛んであり、ハイペリオンの試作3号機が強奪されて旗印にされるなどの事件も度々起きていた(スニーカー文庫『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』など)。さらに、『SEED DESTINY』の頃にはデストロイによる独立運動の掃討作戦も行っていたが、新興国としてファウンデーション王国は独立に成功している。
また、ユーラシアでは、メンデルで行われていたスーパーコーディネイターの研究を一部引き継いでおり、かつてアークエンジェル隊と一悶着起こした軍人のジェラード・ガルシアを含め、不特定多数の人間達がキラ・ヤマトの出生の秘密を把握していることが、外伝作『機動戦士ガンダムSEED_X_ASTRAY』にて描かれている。
少なくともガルシア自身は失脚したのか既に表舞台から消えたようだが…?
また、ユーラシア連邦領内にある軍事企業としてはデストロイや連合系大型MAを開発したアドゥカーフ・メカノインダストリー社やハイペリオンを開発したアクタイオン・インダストリー社が存在している。
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ネタバレ注意!!
その実態は、かつてギルバート・デュランダルが提唱するもキラやラクス達によって否定され潰えたデスティニープランが施行された国家であった。
とても豊かで美しい国に見えるが……一画には貧民街が隠されていた。そこでは市民が武装警察に逮捕や銃殺されている。かつてアスラン・ザラが「そぐわない者は、淘汰・調整・管理する世界」だと言っていた通りの状況であった。
- これは小説版でコンパス到着時刻を狙って「デスティニープラン反対」のデモ活動を行なおうとしていたからだと言及されている。
なお、視聴者からダンスホールが用途にしてはやたら手狭、来賓歓迎用の晩餐がビュッフェ方式の立食パーティーとかディスられることが多々あるも、作中人物はおろか公式からも指摘されたことはない。後者に関してなどコンパスメンバーやモブ客らが自分で料理を皿に乗せている描写はない上に配膳係らしきスタッフがちきんと存在している。
ファウンデーション王国が開発した最新鋭MSは、親衛隊ブラックナイトスコード専用機(つまりアコード専用機)のみで、通常の軍隊には旧式を改修したジン-Fやディン-Fが配備されている。その親衛隊麾下のMSに至っては無人機のみで、ブラックナイトスコードに不足している「火力」を補うためだけに配備されている状態。
「軍隊」と称しながら、その本質は極少数のエースによる一騎当千の活躍のみに特化しており、通常の軍隊は親衛隊が現場に駆けつけるまでの時間稼ぎや親衛隊の手を借りるまでもない治安維持程度が出来れば良い、という考えなのだろう。
劇中では世界平和監視機構コンパスにブルーコスモス本拠地への合同作戦を提案。ブルーコスモスの指導者、ミケール捕縛作戦中にアウラ女王と女王親衛隊の暗躍によってキラがユーラシア連邦領への侵犯を起こしてしまい、混乱の中ファウンデーションへの威嚇に配備されていた戦術核ミサイル3発が発射。1発は撃墜されるも、もう1発が首都イシュタリアを壊滅させ、遅れて発射された3発目は戦場の只中で起爆。ブルーコスモス残党は拠点ごと消滅し、コンパスは投入戦力の殆どを失う甚大な被害を受けた。
……が、実際はこの核ミサイル発射自体アウラたちの策略、要は偽旗作戦であり、アウラと女王親衛隊はラクス・クラインを連れて王国から脱出し、すでに占拠していた軍事要塞アルテミスへ移動。報復と称して秘密裏に修復し改良まで加えた戦略兵器レクイエムを発射し、ユーラシア連邦の首都モスクワを焼き尽くした。
その後、オルフェが全世界に自分達を「究極のコーディネーター、アコード」「ラクスも同胞」であると告白すると同時に、地球へ「デスティニープランを用いた世界統治」を受け入れる事、従わない場合はレクイエムで容赦なく攻撃する事を宣言。またプラント及びコーディネイターに対して蹶起するよう呼びかけ、事前に協力体制を敷いていたプラント強硬派のクーデターを後押しする格好になった。
だが最終的にアウラやオルフェ、ブラックナイトスコードは全員が戦死。
なお、このマッチポンプの周到さからフリーダム強奪事件もファウンデーション王国によるマッチポンプの可能性も考えられる。ただし、真相は不明である。
余談2
・女王のアウラは本職は科学者であり政治のノウハウを持ち合わせていたかは不明。劇中でアウラが「我が国は年齢や性別や出身を問わず優秀な人材を登用している。ナチュラル、コーディネイターに関わりなくな。すべてオルフェの采配じゃ」と語り、カガリ・ユラ・アスハは「宰相のオルフェ・ラム・タオの手腕と聞いている。デュランダル前議長がその才能を認めていたという」と話している点から、政治・統治に関してはオルフェに任せていたと思われる。
・劇中ではその悪辣極まりない所業故にコンパスのメンバー達から凄まじい怒りを買っており、元々熱くなり易いシンは勿論、基本的に争い事を好まぬキラやアスランも彼らに対しては最初から最後まで一切の迷い無く戦っており、これまでの戦いでは見られなかった挑発行為を明確に行う等、「許せない敵」として認識していた事が解る。そもそも劇中の彼等の存在や行為は端的に言えば
- 安直なヒューマニズムともっともらしい理屈を前面に出した裏にある、子供染みたエゴの見え隠れ
- 自らを上位種として誇りつつも、あくまで普通の人間の中の上澄みとして同じ土俵でマウントを取ってこようとする傲慢さ
- 基本スペックの高さと失敗経験の無さからくる詰めの甘さや予想外の出来事への対応力の低さ
と、これまでのナチュラルとコーディネイターとの争いにおける『コーディネイターがナチュラルから憎悪されてきた負の面』の集大成とも言うべき有り様である。過去の大戦と惨劇を自身で直接目にし、悩み、考え、潜り抜けてきたコンパスの面々からしてみれば「お前ら今までなにを見てたんだ」と言いたくもなるところであろう。
また、ファウンデーション側が宇宙拠点として使っていたアルテミス要塞は、『DESTINY』のその後を描いた(本作より少し前の)話でも、デスティニープランを復活させようとした人物の拠点になっていた。
・首謀者のマッチポンプを交えた策略によって主人公達を誘き寄せた上で滅ぶ事を目的に作られたという共通点から某惑星を連想する人もチラホラ。まぁこぉんな宮殿もあるしな…