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マッドサンダーの編集履歴

2025-01-01 06:31:35 バージョン

マッドサンダー

まっどさんだー

マッドサンダーとは、玩具・アニメシリーズ『ゾイド』に登場する架空の戦闘兵器であり、金属生命体の一種である。

マッドサンダーとは、ゼネバス帝国軍の誇る最強ゾイドデスザウラーを撃破するためにヘリック共和国軍が開発したトリケラトプス型の超巨大ゾイドである。

名前を直訳した「狂える雷神」という異名を持つ。

マッドサンダー


概要

『打倒デスザウラー』を至上命題として開発されたゾイドであり、デスザウラーの最強兵器である荷電粒子砲にも耐えられる防御力と、超重装甲で固めたデスザウラーを打倒できる格闘攻撃力を備えている。学年誌「小学三年生」の戦力比較においては暗黒軍の最強ゾイドであるギル・ベイダーさえもパワーと防御力では本機に及ばないとされ、近接戦闘では文字通り無敵に近い戦力を備える。他方で、満載された大型の火器による高い砲撃力と、大型のコントロールブリッジによる作戦司令能力、自立発電能力による極めて長い継戦能力も兼ね備え、格闘戦に留まらないあらゆる局面で高い能力を発揮する旗艦ゾイドである。


本機のロールアウトによってデスザウラーの無敵時代は終わりを告げ、マッドサンダーに対抗する術がなかったゼネバス帝国は次々と領土を失い、滅亡に追い込まれた。いわばゼネバス帝国を滅亡に追いやった機体であり、その後も暗黒大陸から現れた暗黒軍もといガイロス帝国との戦争においても共和国軍主力として配備されていく事となる。


しかし、ガイロス帝国との大陸間戦争時にはゾイドの戦闘能力が全体的に上昇し、ダークホーン2機に攻撃されて撃破されたり、改造デスザウラーに背中のローリングチャージャーを攻撃されて動けないほどのダメージを受けたりと優位性は少しずつ揺らいでいき、ギル・ベイダーの登場によって遂にその最強時代は終わることになる。それでも数々の改造機がギル・ベイダーに挑み、キングゴジュラスの登場まで共和国最強ゾイドの座を維持し続けた。


武装

マグネーザー

weapon2

本種を象徴する武装である大型のドリル状の角。鼻先にある非ドリル状の「サンダーホーン」とは基本的にセットで用いられる。

ゲルダーカノンフォートの角の能力を併せ持つ様な性能だが、特殊な超硬合金で構成されており、その威力はデスザウラーの超重装甲を薄紙のように貫くという桁違いのレベルである。さらに内部で電磁気を発生させて内部メカをショートさせ、完全に動きを封じる効果を持っている。また、折れ曲がっても自己修復力で本来の形状に戻ることができるほか、文字通りのドリルとして地中穿孔を可能にしている。

このマグネーザーを利用した最大の必殺技が、マグネーザーとサンダーホーンとシールドに全エネルギーを注ぎ込んで突進するサンダークラッシュ」である。直接敵に叩きこむだけでなく、マグネーザーそのものを発射する「マグネバスター」という技もある。


全力で突撃した時のマグネーザーの破壊力は、正面に対する破壊力に限って言えば全ゾイド中最上位と言っても過言ではない。

公式ファンブックによれば、格闘戦(≓接近戦における攻撃力)では無敵で、死を呼ぶ巨竜デスザウラーはおろか、完全無欠の格闘系と謳われるゴジュラスギガをも上回る。これはこのマグネーザーを使った突撃力によるところが大きいだろう。



反荷電粒子シールド

マッドサンダーを象徴するもう一つの武装であり、史上初めて正面からデスザウラーの大口径荷電粒子砲を完璧に防いでみせた装備である。

特殊セラミックスの振動体により、本来は防御不可能なデスザウラーの大口径荷電粒子砲を吸収し、完全に無力化できる。登場時はこれ以外でデスザウラーの荷電粒子砲を防ぐ手段は存在せず、現在でも大口径荷電粒子砲を防ぐことが出来る数少ない装備である。ただし、限界はあるようで、後に登場したギルベイダーのビームスマッシャーや、OSで大幅に強化された新デスザウラーの荷電粒子砲には突破されている。


ファンの間ではこのシールドがEシールドを張るためのジェネレータなのか、物理装甲寄りの防御機構なのか議論になることがある。前者は前面に展開できるシールドでないとマグネーザーは荷電粒子砲の影響を受けて溶けてしまうのではないかというもので、後者は設定でセラミック振動体機構での防衛と明言しているというもの。


後々に発売された性能評価ではEシールドSと装甲S+と、両方の要素を持っているような評価がなされている。ここから、アニメのデスザウラーのように装甲に纏う様なタイプのEシールドで防御力を底上げしているのではないかという考察もなされている。いずれにせよ、デスザウラーの荷電粒子砲は必ず正面から受け止めているため、正面の襟飾り部分が荷電粒子砲に対しては最も頑強であると推測されてもいる。


なお登場初期の特殊セラミック振動体の効果による防衛とする表記や、ゾイドコンセプトアートにおける描写から、シールドは物理的強度で荷電粒子砲を防いでいるのではなく高度な技術力による防衛と見る向きもまた根強い。その場合は性能表のEシールドSという表記は襟飾りの部分の荷電粒子砲耐性のことで、単純な物理防御(=実弾や衝撃に対する守備力)はS+と考察することも出来る。


そうであるなら、後年デスザウラ―の大口径荷電粒子砲にシールドを焼き落とされた演出も一応辻褄はあう。荷電粒子砲擁するデスザウラーの火力評価、マッドサンダーのシールド評価はともにSで同ランクであるためだ。

なお、データが分かっている限りではEシールドSと装甲S+は全ゾイド中最高硬度である。


ハイパーローリングチャージャー

マグネーザー、反荷電粒子シールドに隠れたマッドサンダーの強さの要である、機体後部に設けられた発電機関。高速回転させることで膨大な電力を発生させることができ、武装へエネルギー供給を行える上に、無補給での極めて長期間の継戦能力を実現させている。一方でデスザウラーの荷電粒子吸入ファンと同様に、装甲としては薄く、破壊されると機体パワー自体が落ちてしまう弱点でもある。


ビームキャノン

背部にある2門の主砲。中型ゾイドを一撃で撃破できる威力があり、対空装備としても機能する。


2連大口径衝撃砲

背部にある2門の大口径砲。中距離用の火砲で、こちらも中型ゾイドを一撃で撃破できる威力がある。


バリエーション

敵のビーム兵器を弾く黄金の装甲と火器を増設したゴールドサンダーなど多数が存在し、中には地雷撤去・近接戦闘型(クレイジードラマー)や戦艦空母型(シーマッド、サンダーパイレーツ)や飛行型(マッドフライ、サンダーヘルクレス)や大統領専用機も存在している。


キャノンサンダーは、折り畳み式のマグネーザーを4基装備しており、ゴジュラスキャノンデュアルスナイパーライフルも持つ。


また、とんでもない魔改造機としてグレートサンダーがある。


コンセプトアート版マッドサンダー

平成バトルストーリーより後の商品展開シリーズである『ゾイドコンセプトアート』では、吸収した荷電粒子エネルギーを角に充填して敵の体内に打ち込む攻撃には「弾道角攻撃」という名称が付けられている。

作中では徹底的にデスザウラーを研究し、対抗策である反荷電粒子シールドを執拗にテストする様子が描かれ、実戦ではデスザウラーの荷電粒子砲を完璧に無力化して見せた。(平成バトルストーリーではシールドとマグネーザーを新デスザウラーの荷電粒子砲でまとめて焼き切られており、防御面で万全な描写になったのは久々の快挙といえる)

また、シールドのテストではそれまでのキットで描かれることのなかったシールドの反対側も描写されており、単純な装甲だけでなく技術力で荷電粒子砲を無力化している様が見て取れる。


コンセプトアートのデスザウラーの荷電粒子砲を直撃して無傷で耐えきったゾイドはマッドサンダーのみである。(デスザウラーと互角以上に渡り合ったゴジュラスは荷電粒子砲が逸れたり、躱したりしている)


一方で、デスザウラーは核を持たず、マグネーザーで刺し貫いて勝利したと見せかけてマグネーザーをへし折られて機体を地面に叩きつけられ戦闘不能に陥っている。

ただし、コンセプトアートのデスザウラーが特殊すぎる機体であった為に敗北したものの、後にデスザウラーとゴジュラスが相打ちで果てた後には、マグネーザーを失いつつも生き残った友軍を引き連れてちゃっかり帰還しており、直接戦闘には敗れたものの生き残った。




来歴

中央大陸戦争

中央大陸戦争末期のZAC2039年、ヘリック共和国はゼネバス帝国を圧倒し帝国首都を占領。

帝国は追い詰められ暗黒大陸へと落ち延び、ガイロス帝国の支援を受けて二年後のZAC1041年に反撃を開始。緒戦を制し、翌年には帝国領を奪還。

共和国軍は思わぬ苦戦を強いられるも、シールドライガーを実戦配備し戦況を支える事に成功する。


しかし、二年後のZAC2044年には帝国の恐竜型ゾイド・デスザウラーがロールアウトされ、ゴジュラス数十機を基地ごと破壊する破壊力の前に切り札のウルトラザウルスをも撃破され、共和国首都は陥落。その後も共和国軍は執拗なゲリラ戦を展開して帝国軍を迎撃、戦況は2年間の膠着状態が続いた。


その後共和国軍は、ZAC2046年に新型ゾイドディバイソンを中心とした占領地全域への反撃作戦を開始する。翌年のZAC2047年、帝国に囚われていたゾイド設計・開発の権威であるチェスター教授が救出され、彼を中心として対デスザウラー用ゾイドの設計・開発が行われる。


開発開始から1年後のZAC2048年、遂に対デスザウラー用決戦ゾイド・マッドサンダーがロールアウトされ、首都奪還作戦が発動される。


共和国首都において、改造デスザウラー「デスファイター」を撃破し首都の奪回に成功。

首都奪回から2年後のZAC2050年末、共和国軍マッドサンダー師団は帝国首都を包囲、改造デスザウラー「デスクロス」を撃破し帝国首都の占領に成功する。


翌ZAC2051年、ニカイドス島決戦にてゼネバス皇帝が行方不明となりゼネバス帝国は滅亡、終戦となる。

以上が中央大陸戦争におけるマッドサンダーの経緯と戦跡である。

その後暗黒軍との戦争が開戦し、戦争の舞台が暗黒大陸に移った後も主力として運用される。

だが強力な戦闘力を持つ暗黒軍ゾイドの前にはマッドサンダーの無敵時代も早々に終わりを告げ、ダークホーンやガンギャラドなどに破れるケースが相次いた。特に武装でもパワーでもマッドサンダーの遥か上を行き、飛行能力まで持っているギル・ベイダーはまさに天敵であり、一方的に刈られ続けた。

だがそれでも共和国軍最強ゾイドであることには違いはなく、キングゴジュラスの登場まで戦線を支え続けた。


大異変後

中央大陸戦争終結から5年後のZAC2056年に発生した惑星Ziの「大異変」(グランド・カタストロフ)にて生態系は壊滅し、マッドサンダーも絶滅したかに思われたが、奇跡的に幼体のコアがいくつか発見され、再び量産が再開された。


半世紀近く後のZAC2099年、この際の第二次大陸間戦争でガイロス帝国がデスザウラー復活計画を目論んでいる事が判明し、共和国は対策として生き残った幼体のコアを培養、増殖する形でマッドサンダーの復活を目指すこととした。

そしてZAC2101年の暗黒大陸戦で、養殖ゆえの僅かな弱体化こそあったものの再び戦場へ復帰し、同じく絶滅から蘇ったデスザウラーと半世紀の時を越えて再び激突した。しかし、デスザウラーがOSの応用による復活で強化されていた為性能差が縮まっており、数に劣っていたことも相まって最終的に相打ちに持ち込まれている。

決戦の刻


ネオゼネバス帝国が現れ、舞台が中央大陸に移った後は主だった活躍は描写されていないが、2024年12月発売の「機獣新世紀ZOIDS CORE BOX」に収録された「ゾイド公式ファンブック5巻」においてヘリック共和国軍団組織図(最終決戦時)の北部主力兵団に配属されており、戦争終結まで運用され続けていたことが確認された。

戦争終結から100年後の『三匹の虎伝説』編においてもメガデスザウラーの仮想敵として名を挙げられており、絶滅を免れることができたようである。


キット

トミーからポップアップキットが1988年に発売されている。

モーターによって駆動し、頭部のマグネーザーと背部のハイパーローリングチャージャーを回転させながら目を点滅させつつ歩行する。


マグネーザーは背部のスイッチを切り替える事で回転速度を変更する事が可能。

それから十数年後にタカラトミーから新ゾイドシリーズの一環として復刻されたキットは、目の発光ギミックが点灯のみに変更された点以外は旧版とほぼ同等の仕様である。


余談

  • 名前の「サンダー」は、ヘリック共和国の国章を意識していると思われる。
  • 公式ファンブック4の戦力分析では装甲S+、Eシールド(反荷電粒子シールドの事だろうか)Sで全ゾイド中で最高となっている。直接対決の描写は無かったが、セイスモサウルスのゼネバス砲にも正面から、尚且つある程度離れて減衰した状態なら耐えられた可能性もある。とはいえ、設定上は威力に劣る大口径荷電粒子砲でもフルパワーで照射されればシールドやマグネーザーが溶けてしまっていたため、それより威力の勝るゼネバス砲に耐えきれるかどうかは未知数である。部分的に集光パネルを増設するか、凱龍輝に護衛してもらえれば安定して受けられたかもしれない。

ガイロスの血

  • 誤解されがちであるが、幼体コア強制培養による弱体化は僅かである。
  • デスザウラーと相打ちになったのはデスザウラーが大幅に強化された事と1,5倍頭数を揃えられたことが大きく、サシでの勝負はまだ若干優位である。しかし、共和国にとって相打ちとはいえデスザウラーにマッドサンダーが撃破されたのは相当衝撃的だったらしく、ゴジュラスギガ開発に影響を及ぼしている。
  • ファンブックでの戦力分析表は攻撃力も防御力もデスザウラーやゴジュラスギガを上回っており、いわば最上位の巨大ゾイドである。しかし、戦力分析に反しストーリーでは苦戦し、カタログスペック上は耐えきれる筈のデスザウラーの火力に窮地に陥り、後にゴジュラスギガに立場を譲っている。これは、武装が正面に集中し、攻撃は単純な突撃が主のマッドは対処がしやすく、右に左に高速移動しながら一撃離脱を繰り返すゴジュラスギガは対処が難しいからと推測される。単純なカタログスペックがゾイドの全てではないのを証明する好例といえる。また、忘れられがちだがデスザウラーはオーガノイドシステムで、ゴジュラスギガは完全野生体の影響で、性能以上の強さを発揮しやすい設定があり、それもマッドサンダーが一線を退いた理由の一つと考えられる。
  • 昭和第一シリーズではデスザウラーを圧倒する性能を持っていたが、平成第二シリーズでは僅かに弱体化して互角以上という存在に落ち着いた。後年のCAシリーズでもデスザウラ―に敗れる展開が続いており、残念がる昭和ファンも多い。だがこれは昭和第一シリーズ末期でのインフレも反省したやむをえない措置ともいえる。また大人の事情としては、デスザウラーが極めて人気の機体であり、ストーリーでも超えがたき強敵として、同時にあと少しで届きそうな弱点も持っているデスザウラーの方が扱いやすかった事も大きい。身も蓋もない言い方ではあるが、恐竜を扱った作品は、大型肉食恐竜を出した方が人気が出るという事情もあるだろう。
  • ゾイド初期の設定では、凶暴な個体ほど性能以上の強さを発揮する。故に、草食獣であるマッドサンダーの素体は性能を発揮しにくい可能性はあり、更にマッドサンダーの素体は幼体の核を強制培養したために弱体化したという設定があり、いわば二つの要素で弱体化を食らってしまった。昭和の快進撃は、より活きの良い野生体を使った可能性はある。ちなみに平成バトルストーリーでは惑星大異変の影響で野生ゾイドが皆弱体化したという設定がある。エンジンが劣化した状態にもかかわらず弱体化が僅かであったのは、基本設計が完成されている証拠でもある。
  • マッドサンダーのデータを基にしてレッドホーンを改造したサンダーホーンというバリエーションが存在する。本機で得られたデータは、バーサークフューラーの武器である「バスタークロー」の開発に活かされることとなる。
  • アニメ版には登場していないが、デスザウラーがアニメ版で超巨大な姿で登場した事を反映してか、『ゾイドバーサス』シリーズなどのゲーム作品では、マッドサンダーも超巨大機として登場している。
  • 『サイバードライブゾイド 機獣の戦士ヒュウ』では、なぜか野良ゾイドの王として登場し、野良ゾイド軍団を率いて人間の集落を襲った。

外部リンク


関連タグ

ゾイド ヘリック共和国 恐竜 トリケラトプス 要塞 巨大 メカ 兵器 ロボット ドリル 


デスザウラー


サンダーカノンゲルダーメガトプロスバイオトリケラトリケラドゴスダイドス・ZNAトリケラトプス・・・同じトリケラトプス型のゾイド。デモンズヘッドは除く。


ウェズンガンマモン・・・特徴が似ているキャラクターの例。

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