概要
著者 | あざの耕平 |
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イラスト | すみ兵> |
ジャンル | 学園・和風ファンタジー |
出版社 | KADOKAWA |
レーベル | 富士見ファンタジア文庫 |
掲載誌 | ドラゴンマガジン |
刊行期間 | 2010年5月25日 - 継続中 |
単行本 | 10巻 |
刊行状況 | 継続中 |
あらすじ
霊的災害―――通称『霊災』が頻発し、陰陽師たちが活躍する現代の東京。
安倍清明を祖先に持つ陰陽道の名門『土御門』の分家に生まれた春虎と、本家に生まれた夏目。幼い頃はずっと一緒にいた二人だが、生まれ持った才能の違いから、それぞれ別の道を進んでいった。そして高一の夏、陰陽師となることを諦めた春虎は、夏目と再会する。その再会をきっかけとして、春虎は再び自分の将来と、かつて交わした約束と向き合うことになっていく。
作品紹介
キャッチコピーは「時を越える陰×陽ファンタジー」。陰陽道の歴史を絡めつつ、転生というテーマを鍵にして、現代と過去を繋げていくストーリー構成となっている。
2013年11月現在で本編10巻、番外編1巻が発売されている。各巻の構成としては、1~9巻が本編(4.5巻は本編+短編)、番外編が短編を収録という形を取っている。「東レは6巻からが本番」はファンの常套句で、スロースターターである著者の定番。1~5巻ももちろん面白いので、良かったら購入を検討してみて欲しい。
主な登場人物
土御門春虎
主人公。名門土御門の分家の生まれだが、呪術の才能に問題があり、現在は普通の学校に通っている。通称バカ虎。頭と運は悪いが、度胸に関しては筋金入り。「バカ虎でも、虎は虎」とは悪友の評。夏目とは幼馴染だが、現在は疎遠になっている。夏目とは幼い頃にある約束を交わしており、今もそれを忘れられないでいる。
土御門夏目
メインヒロイン。名門土御門の本家の次期当主。恵まれた才能を有し、また努力を惜しまない性格のため、同世代の中では別格の呪的能力を誇る。一見すると凜とした雰囲気の美少女だが、実際の性格はかなり子どもっぽい。特に春虎のこととなると感情が先に立ってしまうことが多い。公式でのキャッチコピーは『残念幼馴染』。春虎は幼馴染であり、夏目にとって唯一の友達。だが当主と一般人という立場の違いもあり、中学生になってからは直接的な交流はほぼ無くなっている。春虎とは幼い頃にある約束を交わしており、今でもそれを覚えている。
阿刀冬児
アウトローな雰囲気をまとった春虎の悪友。ヘアバンドがトレードマーク。過去に霊災に巻き込まれたことがあり、そのため呪術社会に対して興味を抱いている。クールで頭も切れる反面、大のトラブル好きという厄介な性格の持ち主。根はとても仲間想いのため、北斗と春虎の保護者―――もといフォロー担当を務めている。作中屈指の苦労人。
北斗
サブヒロイン。バカ虎の命名者にして、春虎の友人。春虎とは中学時代からの付き合いで、ヒマさえあれば常に春虎と一緒にいる。高校からはそこに冬児も加わり、三人でよく行動している。春虎曰く「オトコ女」。少年のようなしゃべり方のボクっ娘で、屈託のない笑顔が魅力の美少女。春虎には子どものようにじゃれついてくる。
大連寺鈴鹿
サブヒロイン。国内に十数人しかいない陰陽1種の資格を有する、通称『十二神将』の『神童』。現代呪術である『汎式陰陽術』の原型にして禁忌の呪術『帝国式陰陽術』の研究を行っている。
倉橋京子
サブヒロイン。陰陽塾のクラスメイトで、陰陽道の重鎮『倉橋家』の一人娘。お団子頭がチャームポイントの美少女。気配りのできる優等生タイプの性格だが、持前の気の強さから自身の感情を持て余すことも多い。作中では一番胸が大きい。
百枝天馬
陰陽塾のクラスメイトで、善人を絵に描いたような少年。陰陽塾で、春虎たちにとって最初の友人となる。
能力こそ平均的だが、呪術に取り組む姿勢は非常に真摯である。眼鏡がパーソナルシンボル。
コン
サブヒロイン。春虎に仕える『式神』で、春虎原理主義の過激派。ヒエラルキーの頂点が春虎であり、それ以外の人間は底辺という極端な忠誠心を誇る。狐耳・しっぽ・おかっぱ頭・水干(巫女服のようなもの)・麻呂眉など、萌えポイントが無数に存在する。
大友陣
老け顔・義足・関西弁と三拍子そろった陰陽塾の新人講師。調子のいい性格をした三枚目だが、元呪捜官で結構な実力者だったりする。言動が一々うさんくさい。
用語説明
陰陽道 | 陰陽五行説に基づく学問・思想体系。詳細については陰陽・五行の項目を参照して欲しい。 |
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陰陽術 | 陰陽道より生じた技術。代表的なものに呪術や占術がある。 |
陰陽師 | 陰陽術を生業とする者。現代では一般的に、霊災に対応できるスキルを持った職業的呪術者を陰陽師という。 |
霊的災害 | 通称霊災。自然界における霊気のバランスが崩れることによって生じる災害。歴史的なとある出来事のため、現代の東京では霊災が頻発している。 |
見鬼 | 霊気を感知する能力、あるいはその能力の所有者のこと。陰陽術の修得の前提となる能力であるため、陰陽師を志す者にとって、なくてはならない才能である。 |
式神 | 狭義には『陰陽師が使役する鬼や神仏』、広義には『主従関係における従のもの』を指す。人間と動物、人間と道具、人間と人間…など、人間はあらゆるものを従えることができるので、その意味合いは多岐に渡る。 |
汎式陰陽術 | 現代において定義された陰陽術。甲種呪術と乙種呪術があり、前者の使用には国家資格が必要である。ちなみに乙種呪術をかまずに言えたらすごい。 |
甲種呪術 | 陰陽庁によって効果が認められた呪術。原則として国家資格「陰陽2種」または「陰陽1種」取得者のみに行使が許されている。ちなみに1種の取得者は十数人しか存在しないスーパーエリートであり、十二神将と呼ばれている。 |
乙種呪術 | 甲種以外の呪術。こちらは逆に効果があるかどうか不明なものであり、一般的に普及している呪術でもある。乙種呪術に分類されるものに、お守りやおまじない、噂や嘘などがあり、乱暴に言ってしまえば、現実的な効果のある甲種に対して、乙種は心にのみ効果(あるいは意味)のある呪術である。 |
帝国式陰陽術 | 略して帝式。太平洋戦争中、軍事利用を目的に作られた陰陽術。修験道や密教系、神道系といった日本に存在するありとあらゆる呪術が統括・編纂されている。汎式陰陽術の原型であり、また黒歴史でもある。 |
陰陽庁 | 国家資格を持った陰陽師の務める国家機関。平たく言えばお役所。呪術の犯罪を取り締まる呪捜部、霊災を鎮める祓魔局などの部署が存在する。 |
十二神将 | 陰陽1種を持ったトップクラスの陰陽師たち。十二神将はマスコミがつけた呼称であり、正式名称ではない。そのため実際に十二人いる訳ではない。 |