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解説

かつをどりは、戦前の1935年頃から太平洋戦争中にかけ、萱場製作所により日本陸軍に提案された無尾翼ジェット戦闘機

従来の日本航空史に無い特異な形状を有し、空力特性などについても不明点が多かったことから、実際の試作機が製作される前に同様の形状をした数種の滑空機によって試験が実施された。

しかし、操縦特性が当時の他の航空機と比べて大きく異なったことを主因として、試験時の大破・墜落事故が多発

戦争が始まったことにより、すぐに実戦配備できる航空機を求めるようになった陸軍の方針転換もあり、公的な協力を以っての開発は中止となった。

その後、1943年頃までに萱場製作所はそれまでの計画をかつをどりとして再構想するも、結局公式な計画として認められることは無く、終戦までに試作機が完成に至ることも無かった。

特徴

戦争末期のMe163秋水と類似する卵のような外見の胴体を有すも、そこに尾翼はなく、これに代わって後退角の付けられた主翼先端に一対の垂直安定板が取り付けられている。

また、搭載されるラムジェットエンジンは胴体中央を貫くように配置され、空気取り入れ口は胴体前端、噴射口は胴体尾部に位置する。

その推定性能は上記2種のロケット戦闘機に匹敵した。

性能諸元(推定)

乗員1名
全長4.50 m
全幅9.00 m
全高1.86 m
翼面積13.5 m^2
自重940 kg
全備重量3,000 kg
エンジン萱場一型 ラムジェットエンジン (吸気速度900 km/hでの推定推力750 kg)×1基
離陸補助エンジンロケットエンジン (推定推力1,800 kg、燃焼時間5秒)×4基(※1)
最大速度900 km/h
実用上昇限度15,000 m
航続距離400 km
武装30mm無反動機関砲×2基(※2)

(※1:計画では離陸補助のロケットエンジンは単発ごとに点火し、上昇時の機速確保に用いるなどとされている。)

(※2:日本陸海軍の開発したあらゆる銃砲において、30mm無反動機関砲に該当する武装は存在しない。)

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