概要
主人公のペンギン、ペン太を操作し、南極大陸に設置された各国の基地を巡りながら一周するという趣旨のアクションゲーム。
コナミが同時代に展開していた「教育的ゲーム」シリーズの1本で、
「I love 地理」というキャッチコピーの通り地理(世界の国々)をサブテーマとする。
南極の政治的中立、各国の国旗を覚えてもらおうという意図があったようである。
ゲームルール
ルールは至ってシンプルで、自動的に滑っていくペン太を操作してクレバス(氷の裂け目)、たまに顔を出すアザラシを避けながら時間以内に次の基地へ到達する…というだけ。
クレバスやアザラシに接触すると独特の効果音と共によろけてタイムロスになるだけで、ライフ・残基などの概念はない。
水から飛び出してくる魚、所々に設置された緑色の旗は取ると得点となる。
ファミコン版では点滅する旗が追加されており、取得するとペギコプター(タケコプターのようなプロペラ)が装着され、一定時間浮遊できるようになる。
シンプルなゲームルールやのんびりとした雰囲気とは裏腹に、進むごとに制限時間がシビアになっていき、更にコンティニューもないなど完全クリアの難易度はそこそこ高め。
そのため、見た目のかわいさと難易度が釣り合っていないペンギンゲーの片割れ」と言われる事もある。
BGMはワルトトイフェル作曲『スケーターズワルツ』のアレンジ。
MSX版とファミコン版では編曲が変わっている。
よくネタにされる要素
障害物でよろける時の効果音
「おっとっと・・・」という言葉が聞こえてくるようなコミカルな効果音が有名。
ちなみに余談ではあるが、本作では当時のゲームでありがちだった、
効果音が再生されるとBGMが途切れるというようなことがない作りとなっている。
MSXは3つ、ファミコンは4つまでしか音を同時に鳴らせない仕様なのに対し、
シンプルなゲーム性故に1つは効果音、残りはBGMとはっきり使い分けられた為である。
よく考えると速すぎる移動速度
以下の動画をご覧いただけばわかると思うが、本作における距離の単位は「m」ではなく「km」である。わずか90秒~120秒ほどで1000km以上を移動しており、ここまでの超スピードを誇るペンギンはそうそういないだろう。
移植・続編
元々1983年にMSX用ゲームとして発売されたが、1985年にファミコン版も発売。
バーチャルコンソール、アプリなどでも移植、リメイクされている。
有名な方が実は移植版である。
続編・客演作品など
『夢大陸アドベンチャー』
1986年、MSXで発売されたアクションゲーム。
「ペンギンくん」という名義で続投している。
病に倒れたペン子姫のため、夢大陸にあるというゴールデンアップルを探すというストーリーで、氷上ステージ以外にも地上、水上、水中、宇宙などが追加されている。
また、制限時間制ではなく体力制、敵が出現する、倒すためのアイテムもあるなどよりアクションゲームとしての側面が強化された。
一方で、ハッピーエンドを迎える条件が無茶苦茶だった(知っていれば簡単だが)事が問題視されている。
コナミ名物「ペンギン(ペン太)」「ペン子」「モアイ」の初共演作品。
『夢ペンギン物語』
1991年、ファミコンで発売されたアクションゲーム。
「ペン太」という名称は本作で始めて登場し、今までの「ペンギン」と同一人物(?)とされた。
太りすぎてペン子に愛想を付かされそうなペン太を操作し、ダイエットするのが目的という一風変わったストーリー。
制限時間内にゴールする+ゴール時に規程ラインより痩せていないといけないというルールがあるため、敵が投げてくる食べ物は避け、痩せ薬を集めながらゴールを目指す。
「〇〇ペン太」シリーズ
1991年よりコナミが展開したメダルゲームシリーズ。
こちらでも大々的にペン太という名称が使われた。
2001年に登場した冷蔵機能付きお菓子プライズマシン「ヒエヒエペン太」のキャラクターとしても採用されている。登場から長らく現役を張っていたが、2019年にはそのパワーアップ版「極寒ヒエヒエペン太」で若干イメチェンして再登場した。
「パロディウス」シリーズ
初代『パロディウス』のペンギン=本作のペン太である。
『パロディウスだ! 〜神話からお笑いへ〜』以降のシリーズに登場するペンギンは、ペン太とペン子の間に生まれた息子の「ペン太郎」であり、代替わりしている。
そのため操作キャラではないが、イベントシーンなどでは登場することがある。
その他、他社パロディ
『コナミワイワイワールド』のオリジナル版には登場していないが、後に携帯アプリとして移植されたバージョンには登場する。オリジナル版のキングコングが版権的に危ないために、自社キャラのペン太に差し替えられたと考えられる…が、コングのガワ変えの為にやたらでかい。
ペンギンの問題のゲーム化作品「ペン1グランプリペンギンの問題スペシャル」のなんきょくステージはこの作品のパロディとなっている。(というか制作元が一緒である為である。)