「討つぞ 魔法少女サイトを…!!」
「もう…絶対に誰も死なせない」
概要
『魔法少女サイト』に登場する雫芽さりな×朝霧彩のGLカップリング。
当時はいじめグループのリーダーであるいじめっ子とその被害者であるいじめられっ子の関係だったさりなと彩だったが、魔法少女サイトとの出会いによって、二人のその関係が大きく変わった。
来歴
人一倍心優しいが、人と接することが苦手な引っ込み思案の彩は、学校でクラスメイトのさりなと彼女の親友・貝島えりかと川野愛のグループから酷いいじめを受け、家では兄・朝霧要からの虐待に苦しむ毎日を過ごし、「死にたい」と願っていたが、サイト管理人・漆が運営する魔法少女サイトからステッキを受け取ったことで、運命が変わっていく。
彩が魔法少女サイトから送られてきた拳銃型ステッキを手にしたその日の放課後、体育倉庫でいじめられ、さりな達グループと交遊関係を持つ上級生の荒井翔太に襲われそうになり、逃避を図るが追いつめられた末、咄嗟に取り出したステッキを使うと、荒井と彼を仕向けた張本人のえりかは踏切事故に遭い死亡、さりなと愛は親友と慕っていた先輩を失いショックを受ける(しかし荒井とえりかは元々校内でも評判が悪かったため、さりなと愛以外で二人の死を悲しむ者は殆どおらず、彩の唯一の心の支えとなっている火本真も彩をいじめるさりな達グループのことを嫌っているため、さりな達に対してあまり同情的ではなかった)。
その後、さりなはカッターナイフを片手に怒り任せに彩を疑い、愛から「やりすぎだ」と止められていたが、ステッキの力で時を止めた奴村露乃に持っていたカッターを取られた上で首をかっ切られ、「不慮の事故」として病院に運ばれて以来、首に傷跡が残ったが、入院先の病院でステッキで姉の容姿をコピーした意識不明状態の潮井梨ナや漆と遭遇し、魔法少女の秘密や彩と奴村の魔法が親友の死と自分の首の傷に関係していることを知る。
梨ナに代わる「魔法少女狩り(マジカルハンター)」として、漆からヨーヨー型ステッキを託されると同時にテンペストの脅威を知り、彩と奴村への復讐のために魔法少女となった。
因縁と心境の変化
当時高ノ織中学校に転校してきた彩の後ろの席に座っていたのはさりなで、本来(性悪な面を除けば)彼女は他のクラスメイトとも親しく人当たりの良い友達思いの人物だが、彩は人との会話が苦手な性格(所謂コミュ障)ゆえに周囲とうまく打ち解けられず、運動音痴や反応の乏しさからクラスメイトの不興を買ったためにさりな達グループからのいじめの標的となってしまった。
自分がいじめられるようになった経緯を奴村に打ち明けた後日、彩は奴村の自宅マンションでステッキの使い過ぎによって倒れた奴村を発見し、魔法少女となったさりなと対峙、満身創痍になりながらもさりなに対して強く反発し、身を挺して奴村を守るという成長の第一歩を進んだ。
さりなは今まで自分がいじめてきた彩に強く反発されながらも、彼女に命を救われたことがきっかけで心境が大きく変わり、性格や表情も以前と比べて落ち着き、サイト管理人の強襲を受ける彩達を陰から救い、一人穴沢虹海の死を受け入れられずにいた彩の前に現れ、彼女に拳銃型ステッキを返し叱咤すると同時に全ての元凶である魔法少女サイトを共に倒そうと共闘を持ちかけた。
「泣きべそかいてても何も変わらない… お前のやることはただ一つ 二度と不幸な者を生み出さないこと」
「討つぞ 魔法少女サイトを・・・!!」
分け合う命
「命を分けさせてくれないか」
「やられっぱなしじゃ、いられねーんだよ。二度も…あいつに救われたこの命、てめーらなんかに奪わせやしねぇ!!!」
サイト管理人奇襲作戦で管理人達に行動を読まれた魔法少女達がサイト管理人・拾と拾肆に苦戦を強いられ、泉ヶ峰みかりと残りわずかな寿命と引き換えにステッキで時を止めた奴村が命を落とし、自らの命を賭けた奴村の思いを受け取った彩は奴村を失ったショックで声を出せなくなったものの、彩のステッキは奴村の死をきっかけに人の記憶や寿命を移動させることもできるようになった。
彩がステッキを酷使した末に寿命が限界を迎えそうになったことを知ったさりなはステッキで自分の寿命を移すよう彩に申し出て、彩はさりなや仲間達とステッキで互いの残りの寿命を補填し合うことでそれぞれ約半分の寿命となり、自分達の力で魔法少女サイトのシステムを破壊し、不幸の連鎖を断ち切ることを固く誓う。
余談
- BD/DVD5巻の初回限定版特典ブックレットにおけるインタビューにおいて、松林監督は「きっと、さりなは彩のことが好きで。それが受け入れられなかったから憎悪に変わった」と語っており、魔法少女サイトのアニメBGMが収録されたサウンドトラックに収録されたBGM制作秘話では、彩とさりなの対決で「さりながキレるのは、彩の“奴村さんは私にできた初めてのお友達だから”を受けたからというもので、さりなの立場で考えると友達の手を差し伸べていたのは自分にもかかわらず、それを否定されてしまった訳だった」ことが語られている。
関連タグ
逆CP:あやさり
※以下、ネタバレ注意!!
「あたしの身体はどうなってもいい… あたしの身体が壊れても…、朝霧… …あたしがてめーを…絶対に護ってやる…ッ!!」
テンペストがあと10日と迫った8月1日、“王”が早く目醒め、遂にテンペストを始動、他の魔法少女達と共に覚醒した王によって管理人から狙われ、護ったはずの家族を吸収されてしまうが、声を取り戻した彩の不屈の決意を前にして立ち上がったのも束の間、自分たち以外の都内の魔法少女全てが現れた管理人たちの前によって全滅し、滝口あさひが自らの命と引き換えに時間停止能力を手に入れ復活したひょっとこのサイト管理人・弐が時を止めようとする一瞬の隙をつき、仲間全員をテンペストの震源地・地球(ほし)の宮まで運び出すことで管理人の壱を除く8人の管理人の強襲から免れた。
これまでの罪滅ぼしとして、一人管理人に立ち向かう彩の援護に立つさりなは、彩との見事な連携で管理人の拾・玖・拾参・肆を撃破し、彩のステッキで拾壱・拾漆と元魔法少女の体を分離させるが、ヨーヨー型とシャーペン型ステッキを同時使用するさりなは彩以上に寿命を大幅に削り、隙を突かれて拾陸の鉞に身体を貫かれてしまうが、最期の力と執念を振り絞って弐と拾陸を追いつめ、さりなの決死の覚悟を受け取った彩が弐・拾陸と元魔法少女の身体を分離させることで、弐に変えられていた奴村を救い出し、ステッキの使用で寿命を使い果たしたさりなは最期に使っていたシャーペン型ステッキと共に黒い霧と化して消滅した。
「受け取れ……、あたしからのプレゼントだ…最初で最期のな……」