概要
『魔法少女サイト』に登場する美炭貴一郎×朝霧要のBLカップリング。
朝霧要は主人公・朝霧彩の実兄である男子高校生。表向きでは容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能で東大合格確実の秀才として父から期待される聡明な眼鏡男子だが、性格はひどく歪んでおり、裏では自分や母親以外を「クズ」と見下し、日々ストレス解消のために妹の彩に対して激しい虐待を繰り返している。
しかし、物語中盤で魔法少女サイトの存在を知った要は、自分に一目惚れをしてきた元超人気アイドルにして魔法少女の一人・穴沢虹海(にじみん)から魔法少女サイトやステッキに関する情報を聞き出し、全ての人間を意のままに操れる虹海のパンツ型ステッキ・魔着(まぎ)を奪い、その力で自分を殺そうとしてきた虹海の熱狂的なファンである直戸圭介を徹底的に罵り、自殺に見せかけるよう殺害。そしてステッキの力で虹海を操り、魔法少女達から全てのステッキを奪おうと本格的に暗躍することになる。
その晩、直戸の遺体を発見した刑事が美炭貴一郎であり、表向きでは自殺とされる直戸の死に不審感を抱く中、現場近くで要への殺意が殴り書きされた直戸と虹海のツーショット写真を発見したことから、彼の死に要が何かしら関わっていることを突き止める。
事情聴衆のために朝霧家を訪れ、彩と要の両親と接触して事の経緯を説明する美炭だが、要はまだ帰宅しておらず、虹海の元へ事情聴取に訪れた部下から虹海が留守であることを知らされ、一旦引き上げることとなり、朝霧家を後にした。
※以下、ネタバレを含んでおります。ご注意ください。
魔法少女達からステッキを奪おうと暗躍する要は自ら操った虹海を引き連れ、彩達が身を寄せる燐賀紗雪の邸宅へと乗り込み、魔法少女達の動きを封じてその場を支配。
瀕死状態の水蓮寺清春の魔法によって正気に戻り、全てを知らされた虹海は不本意とは言え、仲間を裏切ってしまった強い後悔と罪悪感から絶望に閉ざされた末、要に激しい殺意と憎悪の感情を剥き出しにするが、紗雪の日本刀型ステッキを手にした要に斬られ、致命傷を負ってしまう。しかし、最期の力を振り絞り、立ち上がった虹海は割れた瓶で命令ができないよう要の喉を潰し、笑顔のまま絶命。
喉に深手を負った要は自分を助けようとする妹さえも一切無視し、最後の悪あがきで治癒能力を持つ雨谷小雨のカッターナイフ型ステッキを使って回復しようとするが、突如現れた透明人間に回復を阻止された上で謎の煙に包まれ、魔法少女諸ともそのまま意識を失ってしまう。
…目を覚ました要は虹海から受けた喉の傷は完治していたが、全裸な上、手枷足枷で両手足を拘束され、大量の拷問器具が並べられた薄暗い部屋にいた。
そこに姿を見せたのは、あの美炭だった。
「君のことは妹の彩ちゃんを調べていた時から知っていた」、「ステッキは“少女”が使わなければ意味を成さない」、「僕は君を牢屋に入れたくない」等と語りつつ着ていた服を脱ぎ捨て、一糸纏わぬ姿となった美炭が蝋燭で明かりを灯すとそこには…、
竹刀型、斧型、傘型、帽子型、リュックサック型、スタジャン型、マグカップ型、ポット型、双眼鏡型、ヅラ型、シュノーケル型、熊のぬいぐるみ型…、等とありとあらゆる大量のステッキが並べられていた。
(※ステッキの名称は第45話にて登場している)
実は美炭こそが魔法少女サイト管理人・漆と繋がる人間の協力者であり、彩をはじめとする少女達の周辺や環境の調査、ステッキの配布等、事が円滑に進むよう動き、拷問器具を保有している自宅内の地下室に総勢30つにも及ぶ大量のステッキを保有していたのだった。
燐賀邸で要の回復を邪魔して現れた透明人間も、サイト管理人から要の手に渡った虹海のステッキを回収するよう命じられた美炭であり、(潮井梨ナ曰く)光学迷彩で身体を透明化するステッキの力で姿を隠し、催眠ガスらしきものでその場にいた者達全員を眠らせ、瀕死の清春をはじめとする傷を負った魔法少女達を助けた上でステッキを奪うことなく、そのまま虹海のステッキを回収すると同時に要を連れ去った。
「きみを初めて見た時からずっと“いい”と思っていた」
「きみは美しい…」
「醜く堕ちるのは見ていられない… これからはここがきみの居場所だ」
そして美炭はサイト管理人の協力者であると同時に、常軌を逸した(漆曰く「頭のネジが外れている」)同性愛者であり、彩を調べていた頃から要のことを気に入り、歪んだ恋愛感情を寄せていた。
直戸の自殺の件を調べていくうちに要が魔法少女サイトの存在を知り、彼の手にステッキが渡ったことに気付いた美炭は、私利私欲のままにステッキを悪用して直戸・虹海の殺害(及び清春の殺害未遂)を引き起こした要を地下室へと拉致監禁し、美炭から激しい陵辱を受ける要は日頃の妹への虐待をはじめとするこれまでの報いの如く自業自得の末路を向かえ、悲痛の悲鳴を挙げるのだった…。
更にネタバレ
美炭によって地下室に監禁された要は抵抗する意思を見せてはいるが、やはり大量のステッキや拷問器具を保有している美炭に抵抗しきれず、陵辱される日々を過ごしていた。
その一方でサイト管理人から虹海のステッキを回収する際に魔法少女達を殺さなかったことを指摘され、魔法少女サイトやステッキの存在を知った要を始末するよう命じられている美炭だが、管理人から信頼を寄せられているにもかかわらず、「(要は)処分した」と虚言をしている。
彩と要の両親は要が拉致監禁されていることを一切知る由もなく、母・朝霧桃子は世間的に行方不明となった息子の捜索願いを美炭に出し、彼に信頼を寄せるようになっているが、勿論美炭が要を拉致監禁している張本人ということも一切知らない。
一方父・朝霧次郎は息子が姿を消してからはすっかり気落ちし、一人部屋にこもりアル中状態に陥ってしまっている(ただし、妹の彩は姿を消した兄に関心を向けているかは不明)。
だが、世間では虹海の急逝ニュースが騒がれている一方であり、要の行方不明に関する話題はあまり見向きをされていない状況にある。
要の手に渡っていた虹海のパンツ型ステッキも最終的には美炭の元で保有されており、そのステッキが今後どうなるかはその後の展開次第となる…。
※ただ、ステッキは使用するごとに寿命が減っていくことは虹海から聞かされていた要だが、もし仮に要が虹海のステッキに加え、魔法少女達から奪ったステッキを使い続けていた場合、魔法少女狩り(マジカルハンター)となった梨ナと同じようにステッキの使い過ぎで倒れ、意識不明になっていた可能性が高い。
美炭に監禁されてからしばらく姿を見せていなかった要だったが、第49話で再登場した際、徹底的な調教を受けてきたためか、美炭を「ごしゅじんさま」と呼んだり、レイプ目でアヘ顔(トロ顔)を見せるなど、完全に手懐けられてしまったらしく、妹を虐待しステッキで暴虐の限りを尽くしていたあの頃とは見る影もなくすほどの身も心も壊れた性奴隷へと変わり果てていた。
…のだが、要が美炭に手懐けられていたのは演技に過ぎず、調教は失敗に終わっていた。
美炭は自力で拘束具を外した要が口の中に隠していた割れた食器の破片によって首を深く切られた上、拘束具の留め具で何度も殴打された結果、地下室から逃げられてしまうが、その直前に自身も隠していた拳銃で要に銃弾2発をお見舞いした。
「すまない、要くん…。最後にもう一度だけ……、“しゃぶって”くれないか…?」
要は美炭の元を脱走したその後、拘束具をつけた全裸のままで街中を徘徊し、美炭から受けた銃撃が元で倒れ、通行人達による通報で病院へ搬送されるが、一命は取り留めた模様。
息子が見つかったと連絡を受けた両親はすぐさま病院へ駆けつけるが、医師から要が何者かに監禁されていた可能性があると知らされ、要が握りしめていたという虹海のパンツ型ステッキと美炭と彼の妹である、ある魔法少女が一緒に写っている一枚の写真を手渡された。
その後、テンペストがあと10日と迫る中、警察の調べによれば美炭の邸宅は既にもぬけの殻、そして要が脱出直前に焼き払った例の地下室は焼け焦げた状態であったが美炭の姿や保有されていた30以上ものステッキ、少女達の調査用である専用のPCなどといった殆どのものが消えていたため、美炭の生死及び消息は不明であるが、後にある魔法少女達に救われ生還し、死んだと思われていたある魔法少女と行動していたことが判明。彼女や他の管理人達に追われていた漆から要に対する陵辱について責められていた。
入院生活を送っていた要は美炭と30以上のステッキ消失のせいで自分の立場が危うくなった管理人の漆と遭遇し、テンペストの存在を初めて知ることとなるが、漆の処分役となった管理人の陸と拾伍が現れたことで家族に危険が迫っていると教えられ、母が自分の部屋に保管してくれたステッキを手に入れるべく病院を抜け出した。
自宅へ戻って両親に危険が迫っていることを伝えようとするが信じてもらえず、管理人の拾弐が襲来するが、肝心のステッキが今までの不審な出来事を怪しく思った父の手に渡ってしまい、ステッキの力で拾弐を強制的に追い返した父に操られるがままに受験勉強を強いられる羽目になってしまう(そのため、「こんなことなら、美炭に監禁されていた方がまだ良かった」という状況に陥ってしまった)。
しかしステッキの副作用を知らなかった父がステッキを酷使した末に亡くなり、遂に覚醒した先人類の王によってテンペストが始動し、魔法少女及びステッキを使った者以外の全ての人々が王に吸収される中、美炭と要が再会。要は当然自分を陵辱した美炭に対して殺意を露にしていたが、美炭は笑みを浮かべていた。
王にとって男からの不のエネルギーはマイナスエネルギーと判明したが、男の娘である清春や美炭をはじめとするステッキを手にした男性陣の不のエネルギーは王にとってダメージを与えることとなるが、美炭によって“女”にされた要の攻撃は王に通用せず、寧ろ“女”にされていたことに大きなショックを受けていた。
備考
- 二人は12歳差(美炭は28歳、要は16歳)である。
- (自業自得とは言え)美炭にステッキを奪われ監禁された挙げ句、性的虐待を受けた要以外にも、妹の彩や湖村花夜の幼馴染みである少年・拓馬も貞操の危機に瀕したことはあるが、要とは反対に両者はいずれも危機を脱している。
- 彩のステッキによる親友の事故死の件でさりなに脅されていた彩を自身が持つスマホ型ステッキで助けた奴村露乃は彩と帰る途中、ステッキで時を止めている間に自分達をナンパしてきた二人組の男を全裸にして抱き合わせ、キスをさせるというとんでもない悪戯(ある種の時姦?)を仕掛け、奴村がステッキの力を解いた際、訳もわからぬまま全裸になり、キスをしていた男達は周囲から好奇の視線に晒され、変態呼ばわりされてしまった(当の奴村も「またくだらないことに寿命を使った」と愚痴をこぼし、男達の醜態を目の当たりにして少々吹き出している)。