原作版
『どろろ』に登場するキャラクター。
鮫の妖怪である二郎丸と三郎丸(ただし三郎丸は四十八の魔神ではない)を溺愛する人間の少年。
元々は漁師の子供として生まれたが、幼い頃にいくさで両親を殺され、両親の死体が朽ち果てて白骨になるまで眺め続けたという凄惨な体験をしたため、人間の身体は弱くてつまらないという考えを持ってしまい、鮫の強さに憧れるようになった。
そして鮫の子供二匹に餌を与えて育てるようになり、鮫が大きくなると戦場跡から拾ってきた戦死者の死体を餌として与えるようになり、それでも足りなくなると近隣の漁村の住民を殺して死体を餌として与えるようになった。
そうして巨大に育った鮫二匹に次郎丸と三郎丸という名前をつけて、兄弟のように大事に扱うようになった。
「俺は鮫になりてぇ、なれないのならせめて次郎丸に懸けたいんだ」
どろろの父親火袋が無情岬に隠した財宝を求めてやってきた盗賊イタチとその一味を鮫の餌にしようと目論んで船頭を買って出て、沖に出たら本性を現してイタチの手下の半分を二郎丸三郎丸の餌食にしたが、どろろの奇策によって三郎丸を殺される。
その後は次郎丸に見捨てられてイタチ一味の捕虜になるが、奸計を働かせてイタチの配下を次郎丸の餌食にさせた。
二郎丸を百鬼丸に倒された後は、復讐のために百鬼丸に挑むも胸を貫かれて致命傷を負う。最後は次郎丸と一緒に葬って欲しいと百鬼丸に頼み、次郎丸の亡骸に繋がれて一緒に海に流された。
旧アニメには未登場。
2019年アニメ版
-CV:木島隆一
年齢は13〜17歳ぐらいに見られる。
浅黒い色の肌と、ワイルドに刈り上げたような髪型をしている。歯が所々欠けているのが特徴的。
過去に自分の右腕を二郎丸・三郎丸に食わせたために隻腕の姿になっており、原作を上回るほどの狂気的なまでの鮫への偏愛っぷりが描かれていた。
幼い頃に母親の死体を朽ち果てるまで眺め続けたために、人間の脆さを思い知り、鮫の強さに憧れを持つようになった。そして、人間なんてみんな鮫の餌だと思うようになり、女子供を攫ってきては二郎丸三郎丸に餌として与え、それでも足りなくなると住んでいた漁村の村人を皆殺しにして鮫の餌にしてしまった。
(また自身も跡に人肉の欠片を食している事を示唆する発言があったので、歯並びが異様に悪い原因は此れだと窺える。)
そうして無情岬の財宝を探しに来た盗賊イタチ一味を騙して鮫の餌にしようとして、イタチの手下の半数を鮫の餌食にしたが、どろろの奇策によって三郎丸を殺され、さらに三郎丸の死体を囮にしたイタチの罠によって陸地に誘い出されて生け捕りにされた。
手下の半数を殺されて怒り心頭のイタチに殺されそうになるが、どろろが庇った事により処刑を免れ、半殺しにされて浜辺に打ち捨てられる。
その後は三郎丸の敵を討つために、二郎丸にイタチ達を食い殺すよう命じ、二郎丸に三郎丸の死体を食わせてパワーアップさせ陸上でも活動できるようにさせた。
そして手始めにどろろを次郎丸に食わせようとするが、どろろを救出するために駆け付けた百鬼丸によって二郎丸を倒される。
その後は、無情岬に財宝を守るために仕掛けられていた爆薬を集めて、百鬼丸や醍醐兵等全員を道連れにしようとして自爆した。
二郎丸/三郎丸
しらぬいのペットにして家族である鮫の妖怪兄弟。
元々は海鳥くらいの大きさしか無かったが、しらぬいにエサを与えられ続けた事で成長し、現在では小舟を軽く背中に乗せられるほどの大きさになっている。
しらぬいが人間の死体を与えまくったことにより、今では人間を大好物としている。また妖怪であるため知能も非常に高く狡猾で、しらぬいの命であれば何にでも従う。
三郎丸は見張りを命じられるが、囮になったどろろを追い回して海上に顔を表した途端にイタチの部下たちが一斉に腹に刀を突き刺したことで死亡する。
二郎丸はその後、百鬼丸に右目を潰され、浜辺に上がってからは胃の中で発酵させたアルコールガスを散布して百鬼丸を苦しめるも、所詮は陸に上がった河童、死角を突いた百鬼丸に横倒しにされて腹開きにされ絶命した。原作での奪った部位は声帯。
アニメ版では上記の通り三郎丸の遺体を喰らった事でパワーアップし、全身が真っ白い巨大な姿となり、背中からは棘が生え、顎は一撃で松の木を噛み砕き、手足はアシカのようなひれ状になるなど原作以上に水陸両用の形質を有するようになった。
百鬼丸を喰おうと襲い掛かるが、折れた義足で右目を刺され、頭を滅多刺しにされて絶命する。奪った部位は左足で、こいつを倒した事により百鬼丸には両足が戻った。
関連項目
サメ映画:原作、アニメ共に明らかに影響を受けている