醍醐景光
だいごかげみつ
CV:納谷悟朗(TVアニメ)/ 大塚明夫(PS2版) / 内田直哉(2019年TVアニメ)
演:中井貴一
原作設定
富樫政親に使える戦国武将(作中で筆頭家老に昇進)。かなりの野心家で大変に自分勝手な男。富樫家を出し抜き、自らが天下を手中に収めるために48の魔物に願掛けをし、翌日生まれる予定だった息子(後の百鬼丸)を人身御供に差し出した。
体中を欠損して生まれた息子を忌み嫌って川に流すと、続いて生まれた多宝丸を嫡男として育てた。
性格は残虐非道にして傲慢であり、自分の仲間以外の全ての人間を駒としか見ていない。魔物の像を管理していた上人も口封じのために即座に殺し48の魔物への捧げ者にした他、逆らう領民を虫けらのように殺すことも厭わない。女子供であろうと平然と殺す凶人である。
百鬼丸と再会した際には思うところあったか、自分が父親だと知らない彼に素性を隠したまま士官として取り立てると持ち掛けたり、屋敷に招いて休ませたり、嫡男・多宝丸が百鬼丸との一騎打ちをしようとしていると聞いて二人が実の兄弟であることを部下に思いもがけず漏らしつつ血相を変えて止めようとしたりと、何かと気にかける様子を見せていた。
最終的に、多宝丸が命を落としたことで完全に百鬼丸と決別し、彼を殺すことに執念を傾けるようになる。
旧アニメ
戦いの最中に48番目の魔物に肉体を奪われて完全に魔物と融合してしまいラスボスとなる。最終的にゾンビのような醜い姿となって百鬼丸に襲いかかるも返り討ちにされ、百鬼丸は元の肉体を全て取り戻すこととなった。
断末魔の際に恨みがましく「お前は親を殺すのか!」と問い詰めるが、百鬼丸は「俺の親は俺を育ててくれた寿海という医者だ!」と告げて醍醐景光を切って捨てた。
実写映画
舞台が戦国時代ではなくなったため、富樫家の家臣ではなく、下剋上で荘園領主を殺した地侍として登場。こちらでは妻の名は「百合」になっている。
終盤で死んだ多宝丸を生き返らせるという口車に乗り、48の魔物の1匹である四化入道に乗っ取られ、やはりラスボスとなる(ちなみにこの四化入道は24匹目であり、ちょうど折り返し地点にあたる)。しかし、体を奪われた直後に意識を取り戻し、自らの腹を刀で貫いて「ワシごと斬れ」と百鬼丸に命じ、致命傷を負う。死ぬ間際にどろろから「百鬼丸に詫びてから死にやがれ」と怒鳴られる(本作の火袋は景光傘下の兵に殺されている)が、それには応じずどろろに百鬼丸を頼むと託し、爆死した。
四化入道の奪っていた部位は心臓。
ちなみに本作では四化入道を埋め殺したのは景光ではない。
2019年版アニメ
魔物ではなく十二体の鬼神と取引したとされ、またその内容が『我が領土を守護し、我に天下を握らせる』、その代償が『天下の他に我が手にするものを何であろうと明け渡す』というように微妙に変更されている。
天下獲りの野心もあるが、飢饉と疫病の蔓延で滅亡寸前になった領地を救うためにどれほどすがっても助けの無かった神仏を見限り鬼神の力に頼ったという背景もあり、ただ野心に走るばかりでなく領民のことを考える為政者としての一面も見られる。
鬼神と契約を交わした後は、領地で毎年起きていた災害が収まり、荒廃から一転して他国から羨まれるほどの豊かな国となった。その事もあって、表向きには領地に災いを起こしていた鬼神を退治して復興と繁栄をもたらした名君として領民から尊敬されている。
その一方で、鬼神との取引を止めようとした高僧を斬り殺す、各部を欠損した百鬼丸の姿を見るなり鬼神との取引が成立したことを確信して狂喜するなど、原作に通じる冷酷な面も描写されている。
さらに百鬼丸が生きている事を知って再会しても「生まれそこないの鬼子め」と罵って殺そうとし、多宝丸と百鬼丸が戦う事になっても止めようとせず「よくぞ言った多宝丸」と喜び、最終回でも百鬼丸を前にして「産婆などに任せずワシが殺しておけばよかった」と悔恨するなど、原作版では僅かに残されていた父親としての情は無くなり、酷薄さが増している。
また『我が領土を守護し』との願いもあったためか、百鬼丸に鬼神が倒されるたびに山崩れや日照りなど領土に取引のツケが回ってくるような描写が見られる。
原作とは違い全ての鬼神を百鬼丸に討滅され、その戦いの最中に妻と多宝丸を失ったことで天下統一の夢も何もかもを失ってしまい、地獄堂にて百鬼丸と面会。半ば自暴自棄になるも、百鬼丸から「オマエは人だ。人として生きろ。鬼神なんかになるな」と言い含められ、涙した。
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