概要
RPG等で入手できる、もしくは初期装備として持っている胴防具。
pixivでの用例はドラゴンクエストシリーズのものに集中しているので、本項でもコレについて記述する。
「衣服」は英語で "clothes" で、 "cloth" の複数形に由来する。
つまり「布」の集合体が「衣服」である。「衣類」は "clothing"。
もちろん世の中には皮革や樹脂、木材や金属等、布以外の素材で形成された衣服も存在するし、創作上のものであれば架空の物質や、液体などを衣服のように纏うこともあるが、そうしたものはそもそも「衣服」と呼べるかどうかが微妙になってくる。
そこをあえて「ぬののふく」と呼称するのは、より上質の衣服であり防具としてもいくらか期待できる「かわのふく」や「たびびとのふく」等と区別するためという意味合いが強い。
攻略本などのイラストを見る限り、麻布などを大まかに裁断して腰帯で縛っているだけという印象だが、タイトルによって表現は微妙に異なってくる。
必然的に防具としての性能は最弱、衣服としては現代でいう室内着か野良着にあたるもので、ある程度発展した都市になると着て歩くのは少し厳しいというレベル。
見た目を気にしないなら「ドレイのふく」(『ドラゴンクエストⅤ』)の方が頑丈。「ステテコパンツ」に関しては…当該記事参照。
まして魔物が跳梁する広野を遠征する者のチョイスとしては明らかにおかしいのだが、世界の命運を託された勇者たちの初期装備が「ぬののふく」というのはシリーズ伝統のお約束になっている。
また一部のタイトルでは「ただのぬのきれ」という防具が登場し、最弱の地位を奪っている。「ぬののふく」や「ただのぬのきれ」に防御効果があるというなら、重ね着をして防御力を加算できないのかといいたくもなるが、そのあたりに触れないのもお約束である。
なお、「ぬののふく」が胴防具の一種である以上、胴防具を装備しない状態は全裸になるのか、という疑問については古くから取り沙汰され、『ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場』でもしばしばみられたネタではあるが、下着・肌着的なものは残ると考えるのが現実的であろう(逆に防具扱いの下着や水着も登場するし、装備以前に基礎デザインが高露出のキャラクターもいるが、そのあたりは追及しないのが紳士というものである)。
昨今はドラゴンクエストシリーズでも、装備の状況がゲーム画面上のキャラクターの表示に影響を及ぼすことが多くなってきたので、装備なし=全裸という解釈はほぼ否定されている。と同時に、セクハラ装備が暴走に近い発展を遂げている。
『ドラゴンクエストビルダーズ』では、拠点内に特定の施設を完成させることで住人の衣服が上等の物に変化する。
他作品
『wizardry』シリーズでは最弱の胴防具として「ローブ(robe)」というものが登場し、クラスが魔法使い(mage)だとローブ以上の物は装備できない。
形態としては厚手の生地で縫製された丈の長い長衣であり、市井の人々と同じ普段着よりは迷宮探索に適している。AC9とAC10の違いでしかないので、前線に立つのは自殺行為でしかないが…逆に脱ぐほど強くなるクラスもあるけど。
また胴防具の最高峰の一つが「君主の聖衣(GARB of LORDS)」という、これもまた装束・衣服の一種であったりする。
なお一部の作品では「ぬののよろい(Cloth Armor)」という防具が登場することもあるが、これは現実世界で実際に使用されたこともあるれっきとした鎧である。
現代の防護服・防弾チョッキなどもある意味では布の鎧といえよう。