概要
その名の通り鍋の蓋。木製(材質は不明)。勿論、一番安く脆い盾である。わかりやすく言えば、盾版ひのきのぼうである。
初登場は『ドラゴンクエストⅤ』で、それ以前は最弱だったかわのたてを超えるヘボさの最低値を掘り下げる結果となった(のちにリメイク版『ドラゴンクエストⅢ』にも登場)。
一応メリットを挙げるとすれば、木製で軽量なためか非力な女性キャラや魔法使い系のキャラも装備が可能、という点だろうか。
特にリメイク版『ドラゴンクエストⅢ』の魔法使いや武闘家は盾をほとんど装備出来ないし、『ドラゴンクエストⅥ』におけるミレーユやバーバラも、同じ理由で中盤まで盾無しで頑張らなくてはならない。
そんなとき、このアイテムは彼(彼女)らの強い味方に…なるはずもなく、あまりに低い守備力(ほとんどの作品で「守備力+2」という驚きの低さ。ドラゴンクエストシリーズの仕様では守備力が4上がって初めて軽減される物理ダメージが1増えるので、コレ単体では軽減ダメージは増えず他に半端な数値の防具があって初めて意味が出てくる)が祟って本当に気休め程度にしかなっていない。
気休め程度でも構わないから少しでも守備力を上げたいプレイヤーや、気分的に盾を持っていないと不安なプレイヤー以外は入手しなくても問題ないだろう。実際、本当に大して違わないし。
せめてファイナルファンタジーシリーズの盾のように、回避率にも影響を与える仕様だったならばもう少し話は違っていたかもしれない。
事実、『ドラゴンクエストⅪ』では防御力とは別に「盾ガード率」が最初から付与されており、敵の物理攻撃や一部の呪文および特技を低確率(5%)で弾いて無効化してくれるようになったため、従来の作品よりかは幾分マシな性能になっている。
なお、リメイク版の『ドラゴンクエストⅦ』には、配信石版で入手できる強化版(?)のアイテムとして「超おなべのフタ」というものもある。
こちらはかなり頑丈…というかほぼ別物で、「守備力+35、メラ・ギラ・イオ系呪文と「ほのおのブレス」のダメージを45軽減」という、本作におけるみかがみの盾に勝るとも劣らない(守備力ではみかがみの盾に劣るが、呪文やブレスに対する耐性はこちらのほうが大幅に勝っている)という凄まじさ。
「超」の看板に偽り無しの高性能鍋蓋であるが、いったい鍋蓋のどこをどう強化したら、こんなブッ飛んだ性能になるというのだろうか…?
『星のドラゴンクエスト』にも登場。本作では見た目装備のシステムを利用して、見た目はおなべのふたなのに、(文字どおり)ふたを開ければ「ロトのたて」やら「てんくうのたて」とかはぐメタの盾などというネタ装備をすることも可能。と言うかおなべのふたに呪文無効化なぞされたら魔王達もたまったもんでは無いだろう。
竜退治に飽きた人による余談
実はドラゴンクエストシリーズの異母兄弟ともいうべきメタルマックスシリーズにも、『3』から登場している(漢字が使える環境にもかかわらずひらがな表記であるあたり、意識的なパロディと思われる)。
しかし盾の概念がないためか、なぜか頭装備になっている。丸く被りやすい形になっているとのことなので、木製ではなく金属かガラス製の丸く膨らんだ蓋らしい。
また、どういうわけか「男らしさ」が下がる(=女らしくなる)効果もついている(家庭的なイメージからだろうか?それで悩殺キックの威力が上がるとは思えないが、そういうゲームシステムだからしょうがない)。
厄災の勇者による余談
ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドには「ナベのフタ」なる盾が登場する。こちらも木製で防御力や耐久性は最低レベルだが、ガードシステムのあるアクションゲームなので壊れるまでは普通に使えるし、ジャストカードならガーディアンのビームを跳ね返すことができる。