曖昧さ回避
ふじ(AGB-5001)
宗谷に次ぐ南極観測船として1965年から83年まで運用された日本の砕氷船。海上保安庁の巡視船であった宗谷と異なり、所属は海上自衛隊である。
横浜市鶴見区の日本鋼管鶴見造船所(現ユニバーサル造船京浜事業所)で建造。日本で初めて南極観測船として建造された船である。宗谷のヘリ運用実績を踏まえて艦後部にヘリコプター格納庫及びヘリコプター甲板を備え、輸送用にS-61を2機、観測用にベル47を1機搭載。海上自衛隊としては初めて運用するヘリコプター搭載艦であった。
満載排水量は9120tと宗谷の2倍近い大きさを誇り、機関はディーゼルエンジンで発電しモーターでスクリューを回すディーゼル・エレクトリック方式を採用した。砕氷能力は6m(宗谷は1.2m)と世界水準の能力を得たが、これでも昭和基地の位置するリッツォ・ホルム湾の分厚い海氷を切り開くには能力が不足していた。本艦の担当した18回の南極観測中、接岸に成功したのは6回にとどまっている。
1983年のしらせ(初代)建造に伴い84年に退役し、85年から名古屋港ガーデンふ頭に係留保存されている。名古屋港文化センターを経て、現在は名古屋港ポートビル、名古屋港水族館とともに名古屋みなと振興財団が管理する。
関連タグ
開陽丸 摩周丸 海王丸 日本丸 氷川丸:フローティングシップ協会所属の船。ふじ、宗谷、しらせ(初代)の歴代南極観測船も所属している。