概要
『宇宙戦艦ヤマトⅢ』に登場した宇宙戦艦の一つで、艦名から北アメリカ州で建造されたと推測される。
デザイナーは後に『宇宙戦艦ヤマト2199』で総監督を務める出渕裕氏。ヤマトのようなフォルムをしつつも、艦体後半部はアンドロメダの雰囲気を醸し出しているため、ヤマトとアンドロメダを足して二で割ったようなデザインをしている。
武装は波動砲(収束か拡散かは不明)1門に三連装ショックカノン主砲塔3基、三連装ショックカノン副砲塔2基を備えており、武装数から言うとヤマトと同規模である事が窺えるが、アリゾナ場合は副砲が舷側に取り付けられているために射界が広く確保されており、上下に対しても攻撃が可能である。また、珍しく煙突型の兵装がある(ミサイルではなく対空パルスレーザー砲とされる)。
『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』(ディレクターズカット版)では、複数の同型艦が存在していることが判明し、そのうちの一つである「ペンシルバニア」が登場した。
「「宇宙戦艦ヤマト2199」シリーズ」では、『ヤマトよ永遠に』と『宇宙戦艦ヤマトⅢ』のリメイクに当たる『ヤマトよ永遠に REBEL3199』にて登場が内定している(後述)。
オリジナルシリーズ
スペック
- 全長:不明
- 全幅:不明
- 全高:不明
- 機関:波動エンジン×1基、補助機関×4基
- 武装
- 三連装ショックカノン主砲塔×3基(前部に1基、後部に1基)
- 三連装ショックカノン副砲塔×2基(舷側に2基ずつ)
- 煙突型パルスレーザー砲×1基
- 連装対空パルスレーザー砲×6基
- 同型艦:ペンシルバニア
暗黒星団帝国との戦争後、地球連邦の5大州がそれぞれ建造した宇宙戦艦の内の1隻であり、他の戦艦よりも武装率が高い戦艦でもあるのが特徴。
劇中では戦闘シーンが一切無いまま轟沈してしまったため、具体的な戦闘能力・航行能力についてはまともな描写が無く不明。上記スペック表も煙突型パルスレーザー(設定画には「煙とつ型対空速射パルサー砲」と記載)以外はデザイン上からの推定となる。
主砲と副砲の口径は不明だが、砲塔が艦首側に集中配置されており、正面火力は相当強力なものであると考えられる。また、魚雷発射管らしきモールドが前方に12門搭載されている。
一方で、ヤマトに劣ると思われるのは対空火力である。連装対空パルスレーザー砲が6基しかなく、煙突型パルスレーザー砲を含めてたとしても対空性能は低いと推測できる。
劇中での登場
アリゾナ
北アメリカ州で建造・就役したとされる宇宙戦艦。地球が残り1年の内に太陽の超新星化に巻き込まれてしまうとの結果を受け、地球連邦政府は至急新たな居住地となる惑星の探査に乗り出した。各探査船団には、それぞれ護衛を担当する戦艦が割り当てられ、その中にアリゾナも含まれていた。
移住先発見の為に飛び立ったが、ここで異常事態が生じてしまう。なんと出発した探査船団は次々とボラー連邦の襲撃に遭い、そんな中でアリゾナが護衛していた北アメリカの船団も消息不明となってしまったのである。後にヤマトがスカラゲック海峡星団に到達した際、β星にてアリゾナの残骸が発見された。ヤマトがアリゾナを調査したところ、被弾箇所からボラー連邦特有のボラーチウム100が検出され、アリゾナと探査船団もまた他の探査船団と同様にボラー連邦の艦隊による襲撃を受けたことが発覚した。
ちなみに、当初考えられていた『ヤマトⅢ』の全52話プロットでは、「戦艦アリゾナの最後」と仮題がついたエピソードが2話ほど設けられており、アリゾナの慰霊祭なども描かれる予定だった。
また、同話では本編未登場に終わった第三勢力「ゼニー合衆国」との戦闘が行われる旨の記述があることから、当初のプロットだとアリゾナを撃沈したのはボラー連邦ではなくゼニー合衆国だった可能性もある。
ペンシルバニア
アリゾナの同型艦の1隻。移動性ブラックホールからの避難のために太陽系に残る地球市民の救助に当たっていた。
デザインについては、艦尾が若干アレンジされている(アンドロメダというより『さらば』時代の巡洋艦に近い感じになっている)。舷側には地球連邦のエンブレムが大きくプリントされている。
同じシーンで登場したアンドロメダA12は主砲が艦橋砲に準じた砲塔に変わっているが、ペンシルバニアは詳細は不明ながらもシルエットを見る限りは武装に特に変化はない。
なお、ペンシルバニアの登場シーンでは、他にも同型艦が多数映っている。
リメイク版
『Ⅲ』と『ヤマトよ永遠に』が統合された形でリビルドされた『ヤマトよ永遠にREBEL3199』にも、アリゾナが登場することが第一章公開中に開催された『ヤマトーク』内で明言された。
リメイクにあたってデザインを担当した玉盛順一朗氏はメッセージで
誰が見てもかっこいい船〈アリゾナ〉。
でも、全く活躍できず、消えていった船〈アリゾナ〉。
その悲劇と無念は「さらば宇宙戦艦ヤマト」のアンドロメダ以上。
私は〈アリゾナ〉の無念を晴らしたかった。
『2199』総監督の出渕さんが若き日にデザインしたその魅力を100%尊重しつつ、
リメイクシリーズの世界に存在する船として全力で命を吹き込みました。
ヤマトさん、福井さん、〈アリゾナ〉をよろしくお願いいたします。
とその想いの程を綴っている。
そのため、『アリゾナ』ファンたちは「今度こそ活躍するアリゾナが見られるのでは?」と期待の声が上がっている。
そして、『3199』第三章「群青のアステロイド」において、「アリゾナが登場する新規カットを使用した」と称される本予告が公開され、その中でドックにいるアリゾナらしき船が映っている(0:24辺り)。
余談
旧作『Ⅲ』劇中では活躍が描かれずに虚しく残骸を晒す姿が描かれるに留まった『アリゾナ』。しかしその秀逸なデザインから『Ⅲ』の中でも特に人気の高いメカの一つであり、有志により3Dモデルも制作されている。
また、『2199』『2202』公開当時から「もしリメイク版で『アリゾナ』が登場したら」と妄想し、アンドロメダなどとともに航行するIF動画も多数制作されていた。
特に、『Ⅲ』で描かれなかったアリゾナvsボラー連邦艦隊の補完を試みたファン動画『護衛戦艦アリゾナの最期』(FGT2199氏作)は2024年現在85万再生を数える人気作品となっている。