注意事項
この記事には『デッドプール&ウルヴァリン』の重大なネタバレが含まれます。
作品を視聴してから読むことを強くお勧めします。
概要
『デッドプール&ウルヴァリン』で初めて明かされた、マルチバースに関する超重要事項の1つ。
「アンカー・ビーイング(Anchor Being)」とも呼称される。
「アンカー(Anchor)」とは、本来錨を意味する言葉であり、その名の通り、アースを繋ぎ止める役割を果たす存在とされる。
現時点では不明な部分も多いものの、『D&W』劇中で描写される内容から、以下のことが判明している。
1.アンカーの役割は人間が担う
今回、舞台となったアース-10005(X-MENユニバースの世界)では、ウルヴァリンがアンカーとしての役割を担っていた。このことから、基本的にアンカーの役割は人間(若しくはそれに近い知性のある存在)が担っていることが推測される。
2.アンカーが死亡するとそのアースは消滅する
ところが、ウルヴァリンは『LOGAN』のラストでローラを守る為にトランシジェン社の追手と闘い、結果命を落としてしまう。
TVAのパラドックス捜査官によると、この瞬間からアース10005はゆるやかに崩壊を開始しており、何も手を打たなければ2000~3000年後には完全に消滅することになっていた。
つまり、不慮の事故や暗殺などによりアンカーが予期せぬ形で死亡してしまうと、遅かれ早かれそのアースは消滅する運命を宿命づけられてしまうのだ。
3.代替となる存在をアースに定着させればアースの消滅は回避される
ただ、別のアースの同一人物等、代替となる存在を連れてきて、その存在がアースに定着することができれば、アースの崩壊は停止し、世界線も回復していく。
これを利用して、デッドプールは死亡したウルヴァリンに代わる存在として別のウルヴァリンを連れてきて、アースの消滅を防ごうと奮闘する…というのが『D&W』のメインストーリーとなる。
また、ウルヴァリンが誕生する前には当然別の存在がアンカーとしての役割を担っていたはずである(そうでないと、ウルヴァリンが誕生する前にそのアースは消滅してしまうことになるため)。そう考えると、アンカーは何らかの形で引き継がれるものではないか?という仮説も成り立つ。
ただ、作中では「別世界のウルヴァリンがいる事で世界線が回復した」とは明言されておらず、あくまで「二人の活躍で世界線が回復した」と言われている為、デッドプールと別世界のウルヴァリンのどちらか、または二人が共にアンカーに変異したか、彼らの活躍によって新たなアンカーが生まれた可能性もある。
考察
『デッドプール&ウルヴァリン』の公開後、ファンの間ではこのアンカーに関して様々な考察が飛び交っている。
最も、ファンが注目しているのは、「MCUの舞台であるアース616にもアンカーは存在しているはずであり、それがいったい誰なのか?」ということである。
ファンの間では、
- 『エンドゲーム』で死亡したトニー・スターク/アイアンマン
- 同じく『エンドゲーム』後にヒーローから引退したスティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ
- トニーの死後にヒーローたちの重鎮として存在感を放っているドクター・ストレンジ
- 当初マルチバース・サーガの中心になると言われていたピーター・パーカー/スパイダーマン
- 作中屈指の実力者であるキャロル・ダンバース/キャプテン・マーベル
等が有力な候補として挙げられている。
特に、トニー・スタークはこの中でも最有力候補とされている。
というのも、『D&W』公開後に行われたコミコンにて、マーベル・スタジオはマルチバース・サーガのラスボスとして、Dr.ドゥームの登場を発表しており、しかもその演者はかつてスタークを演じていたロバート・ダウニー・Jr.だったのである。
当然、スタークとまったく同じ演者を割り当てたということは、作劇上においても何かしら意図があっての事であることは間違いない。
あくまで予想ではあるが、
- アンカーであるトニーが死亡したことにより、アース616の崩壊が始まっていることが明らかとなる。
- 別のアースからトニーを連れてくることによりアースの崩壊現象を阻止しようという試みがなされる
- 無事に別のアースからトニーを連れて来れたは良いものの、それは我々が知るトニーではなく…
という流れであれば、トニーと全く同じ容姿をしたドゥームを自然な形で登場させることができるのではないだろうか。
また、マーベルの社長であるケヴィン・ファイギはベネディクト・カンバーバッチの業績を称える演説で、ドクター・ストレンジをマーベル・シネマティック・ユニバースのアンカーだと称しており、今後の展開次第では、彼の方がアース616の中心人物として描かれる可能性もある。
メタ的な視点で言えば、MARVELコミックやその関連作品のような「マルチバース」を前提にした作品群における「その世界(ユニバース)らしさ」を象徴するキャラこそ「アンカー」であり、「アンカー」であるキャラが「その世界(ユニバース)」の物語から退場すれば「その世界(ユニバース)らしさが失なわれる/同じ作品群に属する他の世界(ユニバース)を舞台にした作品との差別化が困難になる」≒「その世界(ユニバース)を舞台にした物語を作る意味が無くなる」というのが「アンカーを失なった世界は長い時間をかけて衰亡し、最終的に滅ぶ」の意味であるという解釈も可能であろう。