概要
CV:山本圭子(第1作)
八百屋『八百×』を営む少年である。
江戸っ子気質で気風が良く、人情深い親分肌であるため、その人柄を慕う常連客は多い(特に主婦層に人気がある)。我慢強く、下手にカッとなって手を出したらどうなるかなども考えており、店を荒らされても涙流してでも堪えて居ることが多いがやるときはやる少年。この性質であるからこそ、デコッ八に喧嘩を禁じた話では、深みがある話になった。
だが誠実な少年かと言えば、悪ノリでイタズラする部分もあるので一概にそう言えない部分もある。
基本は八百屋だが、学校の勉強ができない割に他の職業の手伝いでも機転が利き、その才能を発揮する。
赤塚不二夫のギャグ漫画の主役級のキャラクターの中では小学生でいながら真面目に働く珍しいキャラクターである。
名前の由来は、父親の×五郎が母親と結婚した際、「男の子をたくさん産んで最後に一人女の子を作ろう」と誓った長男であるためで、次男以降は「イ太郎」「ウ太郎」……と命名される予定であった。だが、ア太郎の誕生後、母親は他界している。
ドラマ版では「山田」姓、DVDBOXのブックレットでは×五郎の本名が「川口×五郎」であることから、ア太郎も「川口」姓であると思われる。
服装・容姿
服装はバカボンのパパに似ていて後頭部が少し尖っているのも同じ。色合いも初期は差別化は特にされていなかったが、ア太郎は初期だけ〇に八百屋の「八」のマークの腰用の前掛けを着けていたり、のちに赤塚キャラクター集合絵だと前掛けにア太郎のズボンは緑色になったり、アニメだとヘンリーネックのTシャツが黄色になり(2作ともに)腹巻きが茶色くなってアニメ版バカボンのパパとは大きく差別化された。この服装は仕事着であり×五郎も店に立つ時は同じ格好をしている。ハイキングなどの遊びや、学校に行く際は普通の服を来ているが、原作リメイク版およびアニメ第2作では仕事着のまま父親と旅行に出掛けた。鉢巻きは基本白だが、カラーイラストでは柄が入っている場合がある。この鉢巻きは容姿的に重要で眼鏡っ子が眼鏡を取ると印象が変わるように、ア太郎も鉢巻きを取ると印象がかなり変わる。デコッ八に「鉢巻きがないとしまらない顔」と言われたほどである。
耳に挟んでいる鉛筆は基本的に左耳であるが、右耳に挟んでいる時もある。頬のそばかすは三角状に両方3つずつだが、4つ以上の時もある。後頭部のアホ毛は2本~3本で、背は低く、登場する女の子ほとんどがア太郎より身長が高い。
基本的に一人称は「オレ」だが「ぼく」、「おいら」の時もある。
原作版
だめなおやじ×五郎と暮らす、八百×を営むガッチリした少年。商売とソロバンが得意で身体能力も、小柄な体を生かしてすばしっこく立ち回れ、喧嘩もするが、勉強も駄目でスポーツも駄目。近所の主婦にかなり人気があり、学校が終わった後はいつも八百×を切り盛りし、家事もこなしている。全然店にも出ず家事もせず、店の金を持ち出してまで占いに凝っている×五郎に手を焼いていて母の仏壇にゴハンを備えた際に「死ぬならいっしょに死ねばよかったのに・・・」と悲しそうに笑った。ふと気づくと後ろに×五郎が居た。占いでは百歳まで生きるはずだったのにと肩を落とす。その時にア太郎が×五郎に言った台詞がトップ画像の台詞である。クラスメートにハタ坊とチビ太がある。
その後近所の同世代の子供たちから母親に働き者のア太郎に比較されて嫉妬され、店から連れ出され遊んだことを切っ掛けに×五郎は真面目になり、銀行強盗に誘拐されたときに六つ子たちに助けられ、その日熱を出した×五郎に「とうちゃん長生きしてね」というが、その次の話で×五郎は死んでしまう。(詳しくは×五郎のページ参照)
魂だけになった×五郎と再び暮らすことになり、ある日×五郎の提案で店を休んでスキーに行き、スキー場の宿の1つの雪田屋の息子のデコッ八に会い、馬鹿にされた。×五郎に手伝ってもらいスキーの腕前を見せたら(本当はスキーは初めてで下手)、親分と慕われ店までついてこられ、以後デコッ八とも店を切り盛りしながらいっしょに暮らす。
- 作中パラレルストーリーにおけるア太郎
もーれつア太郎には八百×とそれをとりまくのキャラクターの話の本編の他に、パラレルストーリーが複数存在する。(それは他の赤塚不二夫作品でも同様のことがある)
そのストーリーに登場するア太郎は本編と同様の人格のときもあるが、他の赤塚不二夫作品のキャラクターのごとく人格が破綻している場合もある。
原作リメイク版
アニメ版
第1作
第2作
無双級の強さを誇る。デコッ八と共に年齢不詳の少年(原作とは違い学校に行く描写が全くなく、一日中八百×の営業をしているかのような描写さえある。アニメ放映時期の「もーれつア太郎」ブースにて14歳という目撃情報も有り。)
春。桜が満開の頃にお店を休んでア太郎と×五郎親子は温泉旅行に出掛けた。そしてボロい宿「雪田屋」にたどり着いたが、入り口の前で掃除をしていた、少年デコッ八と言い争いになりお互い喧嘩腰になるが双方の父に止められる。
部屋も酷かったが温泉に入るとようやく気分を味わえ、ニャロメが珍しい猫の流しをしやってきて同情した二人は1曲やってもらうことにしたが、酷い歌でデコッ八に追い払われる。
ニャロメが居なくなったところで二人は背中を流し合い、×五郎は「東京に帰ったら真面目に働く」といい、ア太郎の背中を流しながら見つめ「小さな背中に苦労かけたな」と後悔をする。
朝、ココロのボス一味が雪田屋に押し入り、借金のカタに家具などを差押えようとしたところをア太郎が止め、雪田屋に代わりお金の入った財布を投げつけ追い払う。
デコッ八はア太郎に頭を下げ今までの非礼を侘び「親分」と仰ぐ。ア太郎は×五郎が部屋にいないことを訪ねると、デコッ八は散歩に出掛けたことを告げた。
・・・だが、×五郎が雪田屋に戻ってくることは無かった。
独りぼっちで東京に帰ったア太郎。×五郎の墓に野菜を供え、一人でも八百×を守り続ける事を誓う。
一週間ぶりの八百×の営業でア太郎の不遇に客に涙されたりしたその夜。なんとデコッ八がア太郎に「子分」としておいて欲しいと訪ねて来たが、なんとデコッ八の荷物の中にニャロメが着いてきていた。
喧嘩になるデコッ八とニャロメ。商売道具も部屋も荒らして大暴れ。仏壇から位牌が落ちるのをア太郎が見ると、涙を浮かべ二人を追い出そうとする。ニャロメはすぐに逃げたが、デコッ八は泣いて出ていこうとしない。
そんなとき「許してやんなさい。」という×五郎の声が聞こえ、なんと死んだはずの×五郎が戻ってきていた。デコッ八を許すア太郎。以後3人で暮らすことになる。
第2作のみのオリジナルヒロイン「モモコ」に惚れているが現状仲の良い友達止まりである。前述の通り強いが、予期せないことや、不意打ちに大変弱く状況が把握できなくて固まっているときに、負けてしまうことが多い。また顔芸やリアクションが激しく思い込みで暴走することもしばしば。
人情深く、愛想も良いがイタズラ好きなのも踏襲している。
他作品におけるア太郎
「レッツラゴン」ではゴンの5人いる兄のうちの一人で故人。デコッ八とも兄弟である。
何故かテーブルの上に上がり、ゴンの父にドクキノコを食べさせられて命を落とす。ちなみに兄弟の中で一番ゴンに似ている。