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概要編集

CV:悠木碧(ドラマCD) / 渕上舞(TVアニメ)


人類に敵対している「霧の艦隊」と呼ばれる第二次世界大戦時代の艦の形状を模した艦艇群の中の一隻「イ401」。形状は旧日本海軍の伊400潜水空母艦の二番艦である伊401を模している。イオナと呼称する場合はメンタルモデルの方を指す場合が多い。


原作版編集

浮上

メンタルモデルの容姿は銀髪碧眼の小柄な少女姿。主にTシャツショートパンツというボーイッシュな格好をしている。

霧の艦隊最古クラスのメンタルモデルの持ち主であり、霧の艦隊・総旗艦である「ヤマト」に次ぐ最高レベルの知識と経験値を保有しており、タカオとの会話ではそのことを自負しているフシがある。


普段は自己主張することは多くはなく基本的に従順。そして誰に対しても口調はフランクだが、態度は事務的であり必要最低限の会話しかこなさない為情緒が薄く無表情のようにも見える。

しかし、千早群像以外と応対する時にはときどき図太さを感じさせる性格を見せたり、作中各所で顔芸と呼ばれるようなユニークな表情をしたりするなど、群像とそれ以外の人物とでは態度の二面性を見せている。またアニメ鑑賞など人間らしい趣味も持っている。

群像不在時に艦長代理となった際には万年2位代理のTシャツを着こなし群像のモノマネをするなど、ユーモアも持ち合わせており、コミュニケーション能力も非常に高い。


艦長である群像とは強固な信頼関係で結ばれている。それを露わにすることは多くないが、要所要所で忠誠や信奉と言っていいほどの感情が見え隠れしている。


また群像と初めて出会った時の記憶にタイトル(最初は「TRIO TRIANGLE」だったのだがなぜか最後は「僕の彼女は潜水艦」に改題されていた)を付けて大切に保管し、あまつさえそれをタカオにダイジェスト版で見せて自慢したり、群像が不在の時に寂しげなセリフを呟くなど好意という面でも強いものがあるようだ。

イ402曰く「姉はタカオに負けず劣らずのツンデレである」とのこと。


なお、作中で彼女の夢として登場した自己診断プログラム中では現在の彼女の状態が何者かによって意図的に設定されたものであることが示唆されているが、セーフティによって彼女自身にその自覚はない様子。


また普段は群像が指揮をとるため目立たないが艦長としても非常に高い能力を持っており、群像と出会うために学生として海技に潜入した際には彼とシミュレーター試験で対決した際には彼に敗北こそしたものの互角の勝負を行った。

そのため群像不在時に指示を仰ごうとした副長の織部僧に「指揮など執れませんよ。群像と互角にやりあう者をさしおいて」と言って指揮権を譲渡されるほど。

一方でナガトに「優等生すぎる」と評されたように遊びがなさすぎる指揮は、同格または格上にとっては戦術が読みやすく、群像を超えられない一線でもある。


出自編集

元々は超戦艦級であるヤマト直属の潜行偵察部隊としてイ400イ402と共に諜報活動に従事していたが、かつてあった人類と霧の艦隊との決戦「大海戦」で主人公の父親「千早翔像」によって鹵獲され、後にその千早翔像を艦長として複数のクルーを乗艦させ出港。その後無人で帰投するという怪事件を起こしている。


イオナ(原作)の回想では千早翔像が総旗艦「ヤマト」たちと接触したときに「ヤマト」と「ムサシ」との間で確執が発生し、その際にメンタルモデルを形成したと推測される。

帰投後は艦体は沈黙を守っていたが、メンタルモデルのほうは身分を偽造して「霧乃イオナ」と名乗り、経験値の獲得および主人公「千早群像」との接触のため、彼が通う海洋技術総合学院に生徒として潜入。

学院の総合シミュレーターテストにて千早群像との潜水艦戦に敗北したことで、千早群像という存在を認めるに至り彼を自身の艦長として迎える。

最初の頃は千早群像と二人きりで自身の艦体を使った慣熟訓練を内海で行っていた模様だが、それが群像の友人の響真瑠璃たちにバレてしまった以後は彼女たちもクルーに加えて訓練を再開。そのメンバーで、千早群像の意向によって日本を出奔する。


千早群像を艦長としてからは情報戦用の装備の多くを廃し、戦闘潜水艦として大幅に改装が行われた他。硫黄島にてさらにオプション艦の追加などの機能拡張により、戦艦級の火力を実装している。

霧の艦隊から離れ、千早群像やその仲間達をクルーとして乗せて独自に霧の艦隊と敵対している理由は、その自身の意思・思惑によるものである…

アニメ版編集

イオナ-「蒼き鋼のアルペジオ」DCイオナ

左:テレビ放映版 右:D.C.新規パート版

設定変更にともない容姿と名前以外が大幅に変更されており、ほぼ別人となり完全にメインヒロイン扱い。

服装も、脇の露出した青い変形セーラー服(左イラスト)にデザインチェンジされている。

またTV放映版の再編集+新規パートである「劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- D.C.」の新規パートでは、白を基調とした独特の衣装(右イラスト)に衣替えしている。

人格も無表情で無感動な非常に機械的な少女になっており、原作のように冗談を言ったり他の艦に不遜な態度を取る事もない。逆に無垢な面が全面に押し出されており、原作より幼い印象を受ける。

また、原作には無いメンタルモデルでの徒手格闘を見せており、ハルナのクラインフィールドをも破壊しかけた歩行戦車「岩蟹」を単騎で撃破した上に部隊を撤退に追い込む程の戦闘力を発揮した。

このように、アニメ版において様々な変更がなされているが「人類によって鹵獲された」「学生時代の千早群像を迎え入れる」「何者かの思惑によって行動している(無自覚)」という点は共通している様子。

なお「何者かの思惑」に関しては、D.C.冒頭で真実の一端が示されている。

ヤマトが何かしらの原因で轟沈したとき、たまたま真上を航行中だったところを、ヤマトから日本へ赴くよう命令を受けたことがアニメ版の物語の始まりであることが、オーディオコメンタリーにて示されている。


原作と違って最初から確固たる人格を形勢していなかったため、話が進むに連れ徐々に人間らしさを確立していく中、タカオの乙女プラグインの影響もあって千早群像を意識し始め、最終的には恋愛感情に似た想いを抱くようになる。

また同時にその変化によって本来兵器には不要とされていた哀しみや姉妹愛などにも目覚め、霧の艦隊と戦うことにためらいを覚えていく。

姉妹であるイ400イ402とは何とか話し合いで戦闘を終わらせようと必死になり、やむを得ないとはいえ自らの手で姉妹たちを撃沈した際は涙を流していた。


彼女の精神的成長や人格の確立に伴い、彼女が開設したとされる霧の艦隊が利用するチャットルームも次第に彩りを得るようになっていった。当初は大理石柱のサークルとテーブルセットしかなかったが、最終話付近ではサークルの外に色鮮やかな庭園ができていた。


余談だが、彼女の特徴的なイントネーション「きゅ~そくせんこ~」は元々予定されていたものではなく、声優の完全アドリブである(霧くまsでは「あのイントネーション」というタイトルでいろいろ紹介されている)。

また、ヒトデのシーンも本来は第1話だけしか描写されていなかったのだが、それ以降もアドリブでたびたび使われていた。


完全に余談だが、霧くまsではイオナはイ400イ402に少し変わった形で2回撃沈させられている。


ちなみに、ちゃっかりタカオやハルナと共にEDのヴォーカルも務めている。


艦としての性能編集

船体規模と見た目は旧帝国海軍伊401とほぼ変わらないのだが、もとが霧の艦隊の艦艇であるため、ハイパーチート級の性能を有する。

速力だけでも現代艦船を遥かに凌駕しており、最大で洋上60ノット、水中で80ノット、フルバーストモードで100ノットという異常な値を叩き出す。

搭載兵器(侵蝕魚雷や重力子砲)の破壊力もド級なのはいうまでもないが、何しろオーバースペックに過ぎるため現代の通常兵器では比較対象がないほどである。

また防御策としてクラインフィールド(一般で言うところのバリア)を発動することができる。これは人類科学ではほぼ突破不能である。


余談編集

チョウカイ撃沈

原作で最初に沈めたメンタルモデル持ち(厳密には撃沈当時持っていなかったが)はチョウカイ蒔絵の質問に対してハルナキリシマがアド探で暴露した情報。タカオ曰く「愚妹」。マヤ曰く「姉ちゃん」的な存在で、タカオ曰く「マヤを知的にした風貌」とのこと。

この事実が判明する以前から、物語開始前にヒュウガを沈めるさらに以前、「駆逐軽巡の後に重巡も沈めていた」ことが9巻で語られており、その重巡がまだ出ていないチョウカイなのではないか?と言う考察は存在していた。


『蒼海の邂逅』

2022年12月に発売された第24巻の特装版(完全受注生産のドラマCD付属)では、ArkPerformance弐号の書き下ろしたオリジナルドラマ内で漫画版イ401とアニメ版イ401が遭遇するという渾身のファンサービスが実現。2015年の『-アルス・ノヴァ- Cadenza』からは7年越し、2011年に発売された第4巻のドラマCDからは実に11年越しに総勢20名以上のキャストが共演する夢のような作品となっている。特装版の表紙は二人のイオナが並ぶ感慨深い構図。


関連タグ編集

蒼き鋼のアルペジオ イ401

千早群像 橿原杏平 八月一日静 織部僧 四月一日いおり

タカオ ヒュウガ コンゴウ ハルナ キリシマ マヤ イ400 イ402

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