概要
プロレスで使われる丸め込み技の一種。
ルチャ・リブレ発祥で、開発者は“暴風仮面”ウラカン・ラミレス。
ルチャでは数多く存在するティヘラ(ヘッドシザース・ホイップ)の一種で、一般的には「ウラカン・ラナ・インベルティダ」のことを指す事が多い。
スペイン語で「ウラカン(Huracan)」は「ハリケーン(Hurricane)」、「ラナ(Rana)」は「蛙」という意味。
英語圏では「Hurricane Rana(ハリケーン・ラナ)」と呼ぶ。
ウラカン・ラナ
日本では「メキシカン・ローリングクラッチホールド」や「高角度前方回転エビ固め」と呼ばれる技。単純に「ラナ」と呼ばれることもある。
かけ方
立っている受け手の後ろからジャンプして肩の上に跨り、受け手の頭を両太腿で挟み込んで、肩車のような状態でから受け手ごと前方回転する。
そして前転を余儀なくされた受け手の両足を両腕で抱え、エビ固めの形で丸め込んでフォールする。※イラストは足の抱え方が違う(外側から膝裏を抱えるか、足首付近を掴む)が、雰囲気はこんな感じになる。相手の体や頭の上には乗らないことが多い。
備考
- 藤波辰爾はドラゴン殺法の1つ「ドラゴン・ローリング」という名前で使用する。
- 「キン肉マン」の第20回超人オリンピックの決勝戦でキン肉マンが無意識にこの技を繰り出し、ロビンマスクからピンフォールを奪っている。
ウラカン・ラナ・インベルティダ
「インベルティダ(Invertida)」はスペイン語で「逆」という意味。その名の通り上記「ウラカン・ラナ」を前後逆向きにかける技で、和名は「高角度後方回転エビ固め」。
殆どの場合は「インベルティダ」を略して呼ばれるため、一般的に「ウラカン・ラナ」というとこちらの技を指すが、本来は別の技である。
その場飛びの他にカウンター、パワーボム系の切り返し、雪崩式、スワンダイブ式など様々な形で使われる。
かけ方
立っている受け手の正面からジャンプして、受け手の頭部を太腿で挟むように肩の上に飛び乗る(この時、受け手の顔がかけ手の下腹部に来る)。
その状態で受け手の頭を挟んだまま後方回転し、受け手の股の間をくぐり抜けながら、受け手の両脚を両脇で抱え込む。
そして前転を余儀なくされた受け手の上に馬乗りになり、エビ固めの状態でフォールする。
フランケンシュタイナーとの違い
同じ形から同じようなムーヴで仕掛ける「フランケンシュタイナー」という技がよく知られているが、受け手の股の間をすり抜けつつ足を抱えて丸め込む「ウラカン・ラナ」に対し、「フランケンシュタイナー」は股下をくぐり抜けず、頭をマットに叩きつけることを目的にした投げっぱなし技…という違いがある。
フランケンシュタイナーでは足を抱えるムーヴもないため、そのままフォールを奪う際もただの馬乗り状態で行うことがほとんどである。
派生技
シクロン・ラミレスが開発。「シクロン(Ciclón)」は「サイクロン」という意味。
ショルダースルーやパサーダを仕掛けてくる相手へカウンターで仕掛けるウラカン・ラナ・インペルティダ。
レイ・ミステリオが開発。ウラカン・ラナの要領で肩車状態になった後、肩の上で180°旋回して受け手の正面に回りこみつつウラカン・ラナ・インベルティダを決める。
スペル・デルフィンは「デルフィン・ラナ1号」の名で使用。
- ライムライト
ミステリオ・ラナの形から更に旋回しつつ前転し、カサドーラの形で丸め込む変形ウラカン・ラナ。
スペル・デルフィンは「デルフィン・ラナ2号」の名で使用。
- スーパー・ウラカン・ラナ
コーナー最上段から飛びついて決めるウラカン・ラナ・インベルティダ。
- ウルトラ・ウラカン・ラナ
ドラゴン・キッドが開発。スワンダイブから決めるスーパー・ウラカン・ラナ。
ドラゴン・キッドが開発。飛びつく際に前方宙返りをするスーパー・ウラカン・ラナ。
- ウルトラ・ドラゴン・ラナ
SUGIがリトル・ドラゴン時代に開発。リングに背を向けてコーナー最上段に立ち、ひねりながらジャンプして決めるドラゴン・ラナ。
- フブキ・ラナ
レイナ・フブキ(北斗晶)が開発。リバース・ウラカン・ラナ・インベルティダ。
足は抱え込まず、ブリッジしてジャパニーズ・レッグロール・クラッチ・ホールドの形で丸め込む。