カードテキスト
永続魔法
お互いのプレイヤーは、それぞれ自分のエンドフェイズ時に1度だけ、
自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選び、
そのモンスターをリリースし、リリースしたそのモンスターの
元々の攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える。
概要
原作マンガにて奇術師パンドラや闇バクラが使用した魔法カードの一つ。心霊現象の一つとされる「エクトプラズム」をモチーフとした魔法カード。ちなみに「エクトプラズマー」という単語自体は遊戯王独自のものであり、この単語でネット検索すると基本的に遊戯王関連のサイトや画像ばかりがヒットする。
原作ではフィールド魔法であり、その効果は「発動時に指定した自軍のモンスター2体を生贄に捧げ、その攻撃力をエクトプラズマーに変換する」というもの。やや抽象的で分かりにくいが、この変換された「エクトプラズマー」は相手プレイヤーのライフに攻撃力分の直接ダメージを与えることができる。しかし、生贄として選択したモンスター(と同名のモンスター)が相手側のフィールドにも存在する場合、相手もそのモンスターを生贄に捧げることでダメージを相殺できる。パンドラは自分のブラック・マジシャンを生贄に捧げて闇遊戯を倒そうとしたが、同時に場に存在した闇遊戯のブラック・マジシャンが自らの意志でエクトプラズマー化して闇遊戯のライフを守り抜き窮地を逃れた。そしてこの時、「2体のブラック・マジシャン」が墓地に送られたことが結果的にデュエルの命運を分けることとなった。
その後闇バクラもゴースト骨塚とのデュエルで使用。効果ダメージで骨塚のライフポイントにとどめを刺して勝利した。
オカルトチックなカードを多用し、墓地アドバンテージを重視した戦術を取る彼にとってはイラスト面でも効果面でもピッタリなカードと言えるだろう。
アニメではこの時はモンスター1体を生け贄に捧げるというOCG版に近い効果処理がなされていたが、原作同様フィールド魔法として発動されていた。
ちなみに原作におけるバトルシティのルールでは、相手プレイヤーに直接ダメージを与える魔法カードの使用は禁止されているはずである。
一応このカードが使われたデュエルはいずれも大会を運営する海馬コーポレーションの監視が届かない、あるいは届きにくい状況下で行われており、使用者の性格も考えるとそのような状況を利用した不正行為だったと解釈すればストーリー上の辻褄は合う。
OCG
遊戯王OCGでは永続魔法として登場。発動中はお互いのプレイヤーはエンドフェイズ時に自軍の表側表示モンスターをリリースしなければならないが、代わりに相手に毎ターン直接ダメージを与えられる形になる。毎ターン終了時に無理やりカタパルト・タートルの効果が発動されるようなものと考えればいいだろうか。
表側表示のモンスターが1体でも存在するならリリースは強制的に行われるため、モンスターの展開や維持に支障を来す可能性が常に付き纏う。強力なモンスターの召喚に成功したとしても、自軍がそのモンスター1体だけならエンドフェイズ時には墓地に送られてしまう(ただし「魔法カードの効果によるリリース」なので、魔法効果に耐性を持つモンスターであればリリースされない場合もある)。
一方、強力なモンスターをリリースした方が相手に与えられるダメージは大きくなるため、使い方によっては強力なダメージソースとなる。ゴブリン突撃部隊などのような攻撃時や攻撃後にリスクがあるモンスターでも、これを活用することである程度リスクを回避することもできなくはない。ただし自軍のモンスターが消費されることに変わりは無いため、そのままでは守りが薄くなりがち。状況によってはお互いノーガードで殴り合い、そしてモンスターを射出し合うというとても乱暴なデュエルになる場合もある。
このカードの価値は「強制リリースによるモンスターの除去」と「モンスターをコストとしたライフダメージ」という2種類の効果のどちらをどの程度重視するかによって変わってくると言える。お互いのプレイヤーに対して毎ターンメリットとデメリットが同時に発生する形になるので、投入する際にはまず自分のデッキのスタイルに合わせた使い方を考えた方が良い。無論、両方の効果をフルに活用できるのであればそれに越したことは無いが、使用者側にも決して小さくないリスクがある(最悪の場合このカードを逆に利用されてとどめを刺される事態もあり得る)ため、あまり欲張るとデッキの構成や運用が難しくなる。
他のカードとのコンボで強制リリースか相手側からの効果ダメージを上手く制御できれば、毎ターンほぼ確実に相手のモンスターを1体は処理できる強力かつ凶悪なカードとなる。リリースを利用するなら怨念のキラードールや闇黒の魔王ディアボロスなど、ダメージを制御するならデス・ウォンバットやレインボー・ライフなどが候補となるか。
ホルスの黒炎竜 LV6など、魔法効果を受け付けないモンスターを選択することでリリースを無効化して自軍の戦線を維持するというコンボも可能だが、この場合は相手への効果ダメージも発生しないので一長一短。
自分が効果ダメージを受ける永続魔法カテゴリ「契約書」を多用するDDとは特に相性が良く、自分のライフポイントを回復するカードや自分が受ける効果ダメージをゼロにしたり回復に変換できるカードが多く存在する他、ペンデュラムモンスターでリリース要員を補充したり、このカードが邪魔になった時にはこのカード自体を除去したりといった事もプレイングに組み込みやすい。
ゲーム『ワールド チャンピオンシップ 2008』では死王リッチーロード&エーリアン・ヒュプノのタッグが使用。
このカードはモンスターをコストではなく効果でリリース出来るためリッチーロードの蘇生効果とは噛み合っており、プレイヤーのお前自身が弾になれと言わざるを得ない。