エンブラ
えんぶら
「我が名はエンブラ。この体はもう、私のものぉ…」
CV:丹下桜
ミズガルズにある国家の一つで、神竜エンブラの血を引く皇家が治める国家。
皇族は異界への扉を閉じる力を持つ。
アスク王国とは違ってあまり土地の豊かさに恵まれておらず、貧民街が存在するほどの貧しさを無くすためにヴェロニカの亡き父親である先代皇帝がアスク王国への侵略を企てたほど。
また皇族同士での血で血を洗う陰惨な権力争いが繰り広げられている。
アスク王国のヴァイス・ブレイヴと似たような特務機関「呪詛部隊」がある。
初代皇帝は「スラシル」という人物で、一国を滅ぼすほどの強大な魔力を持っていたらしい。
エンブラ帝国の神である神竜の女性であり、「憑竜」と称されている。
病的な感じの隻眼の女性の姿をしている。肋骨が透けるほどに痩せた体躯であり、肌も不気味なほど白い。
陰湿で嫉妬深い性格をしており、アスクを恨んでいるようで、自身の血を継ぐエンブラ皇族の者に呪いをかけてアスクやその王族を殺させようとしていた他、帝国領に眷属エルムを遣わしていた。「でふふ」という独特の笑い方をする。
第6部後半でエルムの働きにより、ついに姿を現した。「憑竜」の通り名の通り、自らの血を持つ者に取りついて操ることができる。
そして、手始めにレティシアに取り憑いて襲い掛かってくる。なお、レティシアはエンブラと対面した際にはこちらの不気味な言動もあって恐れ戦いていた。
また、自身にあるエンブラの血を呪っているブルーノからも良く思われていないが、アスクによれば血を与えた初代皇帝のスラシルはブルーノのように強さと賢さと優しさを兼ね備えた人物だったという。
竜としての姿は大きな蝙蝠のような姿。戦闘時は翼を持つが飛ばずに四つん這いの状態で、腹部にも目がある。衣服を身に着けていないこともあり、胸部は肋骨が更にわかりやすくなっている。
閉神 エンブラ(神階英雄)
| 属性 | 赤 |
|---|---|
| 兵種 | 獣/飛行 |
| 武器 | 絶闇の翼爪(専用) |
| 奥義 | 竜裂 |
| A | 攻撃速さの激突4 |
| B | 絶対化身・敏捷3 |
| C | すべてが閉じた世界(専用) |
2022年11月から敵ユニットで登場したが同月に闇の神階英雄で実装。
ステータスは攻撃速さが相当高く、魔防は低い飛行ユニットと同じ傾向。
専用武器はキラー武器効果と自分のHPが25%以上なら戦闘中、全ステータス+5かつ敵の攻撃速さ守備が自分中心の縦横3列以内にいる敵の数分×3減少(最大9)し、キャンセル効果無効。
もう一つは自分中心の縦横3列以内に敵が2体以上なら敵の絶対追撃無効とキャンセル効果。
範囲内の数が多ければ多いほど真価を発揮する珍しい獣・飛行ユニット。
新たなBスキルは化身状態の条件を無視して無条件で化身状態になる事ができ、速さが1以上高ければ追撃不可無効。普段は竜か獣以外の味方に隣接していないと化身状態になれない厄介な条件をこれで全て無効化するので他の兵種とも組みやすい。
そして専用Cスキルはターン開始時に自分中心の縦横3列にいる敵は護られ不可と暗闘付与。もう一つは自分中心の縦横3列に敵がいる時は回避付与と不利な状態異常を解除。実質的に護り手効果を発動させず、味方からのサポートも受けさせず、ダメージも抑えながら状態異常にも屈しない閉神に相応しい効果。(最後の効果に関して言えば、飛行の獣は化身時、移動+1という共通スキルがあるのだが、比翼トール＆ロキの空転効果で常に1マスしか動けなくなることを危惧した結果ともとれる)
詰まる所、攻める事も出来れば敵の嫌がらせも出来る変則的な妨害型アタッカー。暗闘のおかげで相手のサポーターのスキルの影響を受けないメリットから、フレンの軽減効果や護り手を完全に封じられるので味方の戦闘のサポートはもちろん、自ら攻めて奇襲も可能。
防衛神階であるため、攻めを活かせる場面は混沌シーズンに集中してしまうがそれでも非常に優秀なのは変わりないだろう。
しかも飛空城のマップ都合上、攻撃側が攻めにくい点も噛み合っている。機動力の高い騎馬か飛行との編成もBスキルで容易となっており、同じく闇の神階英雄であるノートや、ダグが持つ天駆の道効果との組み合わせは効果抜群。そして、ターン開始時系スキルの発動を無効化できるエリミーヌが天の神階英雄、ターン開始時にかかるデバフを防ぐフロージが理の神階英雄であることも追い風となっている。
弱点は飛行、獣特効と魔防が低いこと。再移動がないデメリットがあり、もし倒し切れないと敵の標的になってしまう。軽減効果を無視する効果にも注意。
余談だが、対立しているアスクの専用Cスキル「みんなが繋がる世界」によるサポートは、エンブラの専用Cスキル「すべてが閉じた世界」で一切無効化できない。
また2023年の正月にはアスクとの比翼裏側で出演した。その時の英雄たちの日常はスケールの違いを感じさせ、アスクとエンブラの双方の部下への愛情が感じられるものとなっている。性能面についてはアスクの項へ。
心閉ざす花嫁 エンブラ
| 属性 | 無 |
|---|---|
| 兵種 | 獣/飛行 |
| 武器 | 閉ざす花嫁のブーケ(専用) |
| 奥義 | 竜穿 |
| A | 攻撃速さの野性 |
| B | 絶対化身・強襲4 |
| C | すべてを鎖す世界(専用) |
2024年5月からの超英雄で今回は初めての単独参戦になる。
神階版とステータスを比べると攻撃速さ守備は上がったが苦手の魔防は少し下がってしまった。
専用武器は再移動(残り+1)とキラー武器効果に加えてターン開始時に自分のHPが25%以上の時は自分と花嫁エンブラと支援を組んでいる味方に奥義カウントが最大値ならカウント-2、最大値-1の場合はカウント-1。組んでいない場合は最も速さの高い味方が対象になる。
もう一つはHP条件がそのままで戦闘中、全ステータスが自分を中心とした縦横3列にいる敵の数×3+5分増加(最大14)して速さの20%分、与えるダメージと受けるダメージが増減。弱らせなくなるが攻撃面が強化される。
絶対化身系の新たな効果が登場。効果条件に変化はないが「強襲」は奥義以外のダメージ軽減を半分無効にする。軽減対策の化身スキルになっている。
専用Cスキル「すべてが閉じた世界」のグレードアップ版が登場。効果自体に変化はないが新たに化身状態時は戦闘中、全ステータス+4かつ見切り追撃効果。追撃封じも動じなくなり、ステータス強化も貰える。
担当声優の丹下桜氏はファイアーエムブレムの公式OVAでシーダを演じた経験があり、声優としては実に26年ぶりに出演を果たした。ただし、サイファ第1弾のSR+のシーダのサインを任されていたため、ファイアーエムブレムの作品だけで限ったら7年振りとなる。
元々エンブラはアスクと共に、繁栄のため協力し合うほど国や民を愛する者だった。しかし一部のエンブラの民が交流を尊ぶため、相性の良いアスク王国へ移住。その事を知ったエンブラは民が国を捨てたと激怒し、その者には厳しい処罰を与えた。誤解だと言っても聞かないエンブラを民達は恐れ、結果的には離れる事は無くなった。
しかしそのやり方にアスクも疑問を持ち、止めようと試みるも聞く耳を持たず、終いには暴走してミズガルズの闇で民を逃さないようにしてしまった。そして憑竜エンブラとして現在の状況へ……。
彼女も周りから人が居なくなるのは寂しく、かなり苦しんでいたとアスクが公言している。
また、エンブラのボイスに、
「私の周りに誰もおらずとも、寂しくなどない…」
「人間たちは皆、アスクを選んだ…私ではなく…アスクを…」
と言っていることから、本人もそのことについて気にしていた模様。
エンブラが人間に暴虐を働いたのは更なる理由があった。
その昔、アスクの誘いで今よりも荒れ果てていたミズガルズに君臨した彼女は、恵みをもたらしたことに感謝する人間を少しずつ慈しむようになっていた。
しかしある日、貢ぎ物を届けに来た人間が自分の力を狙って殺しにかかり、すんでのところで回避したものの、この日を境に人間は恩を仇で返すときもあることを知る。そしてエンブラの民の中に、疑うことを全くしないアスクを狙う者がいると勘づき、アスクに人間を信じ続けるなと忠告するが、たとえ騙されてもそれでも人間を信じ続けるアスクに対して考えの相対を感じ、彼と決別することに決める。
ブルーノの決死の策で力を封じられ大打撃を負ったエンブラは、自身の居城に撤退し臨戦態勢を整えアルフォンス達に襲いかかるが、ユグドラシルの果実の効果も相まって力を思うようには振るえず、長く続いた執着もついに終止符を打たれることになった。
エンブラは世界から消滅。そしてヴェロニカを苦しめていたエンブラの呪いも無くなった……。
