概要
臼井儀人原作のTVアニメ『クレヨンしんちゃん』の登場人物・野原ひろしの担当声優交代から誕生した中の人ネタ。
本作にて長らく野原ひろしの声を担当してきた藤原啓治氏が、2016年に癌治療のため一時休業・降板を発表(のち2020年に逝去)、森川智之氏がひろし役を務めることが決定した(当時は代役として)。が、これと同じ時期に放送されていたTVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない』にて、森川氏が同作中の巨悪・吉良吉影を演じていたのが、本項のタグが生まれたそもそもの原因である。ちなみに藤原氏は第2部でエシディシを演じていた。
吉良吉影について
この吉良という人物は、作中の舞台である杜王町で普段は目立たないごく一般的なサラリーマンとして暮らしている。しかし裏では好みの手をした女性を狙い殺害する猟奇的連続殺人犯であり、その死体の手を切り取り愛で、「彼女」として共に生活するという凶行を繰り返す異常気質の持ち主である。スタンド(作中における超能力)「キラークイーン」の力もあり、その痕跡を残すこともなく、平穏な暮らしを続けていた。
しかし、とある小さなミスをキッカケに主人公・東方仗助らにその正体が看破され追い詰められることになる。なんとか逃亡した吉良は、エステティシャンで同じくスタンド使いの辻彩を脅迫し、彼女のスタンド「シンデレラ」の能力で自分の顔・指紋を、無関係なただの通りすがりのサラリーマン・川尻浩作のものと取り替えさせた(本当の川尻と辻は直後に殺害される)。これにより吉良は仗助たちの追跡を振り切り、以降は川尻になりすまして彼の妻子がいる家庭に潜伏して暮らすようになる。川尻の妻である川尻しのぶからは、その言動に変化を感じられつつも好意的に捉えられ疑問視されることはなかったが、2人の息子である川尻早人は、父の変貌に疑念を深めていく…というのが、ジョジョ第4部の本編中盤までの大まかな動向である。
両者の共通性
上記のようなストーリーが展開されるアニメが、奇しくも今回のひろし声優交代とタイミングがカブってしまったことに加え、吉良(もとい川尻)とひろしが声だけでなく「30代のサラリーマン」「妻子持ち」と共通点が多いことも後押しし、ネットでは両作品のファンから「吉良吉影が野原ひろしに成りすましている」というパロディネタが各所でつぶやかれるようになった。
なお、呼称の由来はジョジョ原作410話のサブタイトル『ぼくのパパはパパじゃない』からで、これをひろしの息子・野原しんのすけ風に変換している。
また森川氏はジョジョのゲーム作品にて第5部のラスボスも演じており、ごく一部、そっちを元にしたネタも存在する。
そしてひろし役の藤原氏は復帰することなく亡くなられてしまったため、本物の川尻浩作同様「もう2度と帰って来ない」という悲しい共通点も生まれてしまった。